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つかまったボールを打つために… “極端な練習法”で自信取り戻した村田理沙の決意「毎試合勝つつもりで」【大和笑莉奈の突撃ステップ・アップ便り】

ショットの自信も回復! 村田理沙(左端)は今週も明るい表情でプレーしてくれそうだ(撮影:上山敬太)

<山陰ご縁むす美レディース 事前情報◇30日◇大山平原ゴルフクラブ(鳥取県)◇6500ヤード・パー72>

全23試合が行われる今季のステップ・アップ・ツアーは、約1カ月間の“夏休み期間”を終え再開。あす31日から鳥取県で3日間大会が行われる。今年で3回目となる今大会は、昨年優勝した川崎春花がその後大ブレークするなど、大会名にふさわしい“ご縁”に満ちたものになりそうだ。そんな大会を前に、自身も同ツアーに出場する大和笑莉奈が注目選手から聞き出した生の情報をお届けする!

■ショットの状態を上げるための“極端な練習法”って?

「これまで課題だったショットが、今年はかなりよくなっていて。チャンスもかなり作れているし、調子はいい感じに仕上がっています」。そう明るい声で宣言するのは村田理沙。プロ初優勝を目指して戦う28歳だ。状態のよさは周囲も感じられるほどで、それゆえ今回、大和が“推す”選手にも挙げられた。

QTランク75位で迎えた今季だが、開幕時の調子は決していいものではなかったと振り返る。「(4月の今季第4戦)フンドーキン(レディース)まではショットの状態があまりよくなくて、これはまずいなと…」。この時期は“課題”がなかなか克服できず、試行錯誤を続けていたほどだ。村田の悩みは、球がつかまらずに当たりが薄くなってしまうこと。そこで“極端”ともいえる練習を行ったことを大和に明かす。

「フンドーキンから3週間ほど空いたので、練習場で絶対につかまる打ち方を試したんです。つかまえるってどういうことか、を体に染み込ませるために。極端に左に曲がるくらいの低いフックボールを打つところから始めて、その曲がりを少なくするような練習をしていました。遠回りかもしれないとは思ったんですけど、そうするしかなかったんです」

しっかりとつかまったドローボールを打つために、極端なほどインサイドアウトの軌道を意識。それに加えインパクト時にしっかりとフェースを閉じる感覚を、とにかく体に叩き込んだ。「あとはトップを少しクロスにしてみたり。そうするとテークバックが深くなるから、そういう練習を繰り返していました」。そんなストイックな姿勢に、大和も思わず驚きの声を挙げる。

■戻ってきたショットへの自信

米国人のコーチに師事する村田にとって、コロナで渡航ができなかった時期が重くのしかかった。2年ほどまったくスイングを見てもらえない状態が続き、その間は自分なりに取り組んできたが、どうしてもズレが生じてくる。コロナ禍も落ち着き、ひさしぶりに指導を受けた時にはクラブの軌道がアウトサイドインになっていることを指摘された。いわばこの時期の“負債”を、今年の春、徹底的に返済していったと言うこともできる。

「絶対にボールが戻ってくるという自信がなくてピンも狙えない。そこで損をしているのは感じていました」。それが“課題”だったというわけだ。しかし今は春先の練習が実り、特にアイアンショットの自信が回復してきた。「(ショット時の)ターゲットが狭くなってきた感じがします」という言葉にも、それはあらわれている。

現在は“第二段階”といわんばかりに、飛距離アップを求めてさまざまな器具も駆使した本気素振りに励んでいる。それに加えトレーニングも行い、とにかく地力を伸ばすことに余念がない。あとはパッティングのかみ合わなさにもフォーカス。「硬くて速かった」と感じた今週のグリーンでは、どうしてもパッティングの精度はスコアメイクの肝にもなってくる。

■オフも充実…優勝を目指すツアーが再開!

1カ月間のオフには、趣味の映画鑑賞や、海でバーベキューなどを楽しみ、しっかりと英気も養った。「楽しかった~」と心技体いずれも満たされた感覚を抱きながら、鳥取での再開戦を迎えることができそうだ。

グリーンが硬く締まっているとなれば、磨きをかけてきたショットを最大に生かすためにもフェアウェイキープは必須条件。「しっかりとチャンスを作り出せている」というイメージのよさを発揮するためにも、ドライバーショットにも意識を持っていくつもり。

今季は、あまり状態が上がっていなかった3月の「ラシンク・ニンジニア/RKB レディース」(福岡県)の4位タイが最高順位。そこからはまずまず、といった戦いが続いている。今こそ皮を一枚破る時期に差し掛かっている。「自分でもいけるという自信が今はあるので、毎試合勝つつもりで」。その手ごたえを結果として残したい。

解説:大和笑莉奈(やまと・えりな)
1990年2月13日生まれ、山形県出身。中学時代にはアルペンスキーで全国大会出場経験も持つ。宮里藍らを輩出してきた名門の東北高校ゴルフ部に進み腕を磨くと、2009年のプロテストに合格。13年には「エディオンレディースカップ」でステップ・アップ・ツアー優勝。レギュラーツアーでも優勝争いを経験してきた。現在はテレビでの解説なども務め、21年にはゴルフ業界活性化、女子プロゴルファーの新たな可能性追求のため、「LPGA女子プロゴルファーズ連盟」を立ち上げた。

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