• HOME
  • 記事
  • ゴルフ
  • 初Vかかる岩井明愛、差は縮まらずも「ついていけた」 元世界女王と真っ向勝負

初Vかかる岩井明愛、差は縮まらずも「ついていけた」 元世界女王と真っ向勝負

岩井明愛は熊本の地で初栄冠をつかめるか(撮影:米山聡明)

<KKT杯バンテリンレディス 2日目◇15日◇熊本空港カントリークラブ(熊本県)◇6523ヤード・パー72>

「自分にしてはついていけたのかなと思います」。首位の申ジエ(韓国)と1打差の2位からスタートした岩井明愛は、4バーディ・2ボギーの「70」でプレー。その差を縮めることはできなかったが、世界ランキング1位にも立った実力者の背中にピッタリとついていった。

3連続バーディ発進を決めて前半で4つ伸ばしたジエに対して、岩井は1バーディ・1ボギーと停滞。一時は5打差にまで広がった。だが、動揺は「なかった」。自分のプレーに集中し、スタイルでもある攻めのゴルフに徹した。

初日に2オンを狙って“池ポチャ”のボギーとした最終18番は、残り228ヤードから3番ウッドで奥カラーまで運ぶことに成功した。6メートルのイーグルトライは「入ったかなと思ったけど惜しくも」とわずかにかすめてバーディにとどまったことを悔しそうに話すが、後半に入るとジエが失速したことで結果的にはともに同じスコア「70」でホールアウト。トータル7アンダーで首位と1打差の単独2位という位置をキープした。

最終日最終組入りは、昨年11月「大王製紙エリエールレディス」以来2回目。その時は首位と6打の大差がついていたが、今回はわずかに『1』。ツアー初優勝は目の前に見えている。それでも「優勝はあまり気にせず、みなさんを驚かせられるようなプレーをしたい。がむしゃらに頑張りたいです」と自然体。あすはジエの背中にピタリとついていくだけでなく、一気にかわしていきたい。

そのジエは、最終18番で岩井がバーディを奪ったあとに3メートルのパットを沈め、頭ひとつ抜け出した。「後半ちょっと大変だったので、最後くらいは獲って帰ろうと(笑)」。ツアー通算27勝の意地を見せ、完全Vかかる逃げ切り態勢を整えた。

強風、雨、日没間際というコンディションで、後半に入ると10番、13番、14番とボギーが続いたジエだが、それでも「アテストで2アンダーで終わったのが分かって『わたしいいプレーしたんだな』と思いました。いろんな天気で忙しかったですが、アンダーパーでうれしいです」。15番でバウンスバックを決め、17番のボギーも18番で獲り返した。ずるずると崩れずに踏ん張るあたりはさすがといったところだ。

最終日は晴れる見込みだが、その半面、風が強くなる予報。「風のなかのプレーは好きなので、あす、いい勝負ができるように頑張ります」。今年、特有の風が吹く沖縄戦も制しているジエは不敵に笑う。百戦錬磨の元世界女王、そして新進気鋭の20歳が火花を散らす。(文・笠井あかり)

関連記事