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オーストラリアから来た恩師の教えで米澤蓮が23パット&首位発進「苦しいときに頼れるのは心強い」

不振のパットに復調の兆し。米澤蓮が23パットで絶好スタートを切った。(撮影:ALBA)

<BMW日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ 初日◇1日◇宍戸ヒルズカントリークラブ 西コース(茨城県)◇7430ヤード・パー71>

東北福祉大学4年時の21年12月にプロ転向してから、苦しい戦いが続いていた米澤蓮。JGAナショナルチーム出身で、アマチュア時代は国際大会やプロの試合に出て好成績を残してきた。金谷拓実の1個下、蝉川泰果や中島啓太の1個上の世代にあたる。

昨シーズンはパッティングの極度の不振から、下部のABEMAツアーで賞金ランキング30位に終わり、レギュラーツアーには3度の出場で予選落ち2回、43位タイが最高成績だった。

昨年のファイナルQTで7位に入って前半戦の出場権を得た今年も、開幕戦初日こそ5位タイで発進したものの、ここまで5試合に出場して最高成績は「中日クラウンズ」の32位タイと、上位で終えたことはない。そんな米澤がツアー屈指の難コース、宍戸ヒルズで8バーディ・1ボギーの「64」と好スコアを叩き出し、先輩の金谷と並んで7アンダーで首位発進を決めた。

「パッティングが良かったです。すごく決まってくれてタッチも合っていた。5メートルくらいのが3、4個くらい入った」と、不安のあったパットを好材料に挙げる。たしかに初日の『23』パットは全体1位の数字で1ホール平均『1.4167』。今シーズンの平均は『1.7960』だから、18ホールで考えると『32』パットを超える。一日だけの数字とはいえ、それだけでスコアが9打違うことになる。

「もともとショット自体は去年も今年もスタッツは悪くないので、あとはパッティングだけと思っていた。それが決まってくれたので、バーディが獲れるのかなという気がしています」

開幕前日、パッティング練習を繰り返す米澤の横には、JGAナショナルチームのヘッドコーチを務めるオーストラリア人、ガレス・ジョーンズ氏の姿があった。「先週、今週でジョーンズコーチが来日していて、いろんな練習方法だったりを相談しています。その成果が出ているのかなと思います。やっぱり苦しいときに聞ける人や頼れる人がいるのは、何よりも心強い」と感謝を述べる。

そのときの練習ではカップ周りにティを何本も刺してボールを打っていた。「練習方法のひとつです。ティは距離が伸びれば、曲がる幅が当然大きくなる。距離別の狙い所という感じです。距離が長くなって、どのくらいカップの外を狙わなくちゃいけないのか。そこは難しいところだと思うので、その練習です」。ジョーンズコーチ自身も新しい練習法をアップデートしており、それをJGAナショナルチームを卒業した悩める米澤にも教えていた。

金谷や中島、蝉川といったJGAナショナルチーム出身者がすぐにツアーで活躍している状況には「焦りもあります」と素直に認める。それでも「当然優勝はしたいですけど、狙って勝てるものでもないとは思う。いまは我慢かなと思って、最近はやるようにしています。まだまだ始まったばっかりと自分に言い聞かせながら、ブレないようにできたらいいかなと思っています」と、きょうのスコアに一喜一憂することはない。それでも、地道にコツコツと続けてきた練習の成果を自信に変えていく大会となりそうだ。(文・下村耕平)

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