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鈴木愛はバーディなし、5ボギー… でもホールインワンで300万円獲得&V戦線再浮上

ホールインワン達成で笑顔の鈴木愛(撮影:上山敬太)

<ヤマハレディースオープン葛城 3日目◇1日◇葛城ゴルフ倶楽部 山名コース(静岡県)◇6480ヤード・パー72>

後続に3打差をつけ、単独首位でスタートした鈴木愛は大きくスコアを落としていたものの、17番パー3で起死回生のホールインワンを達成し、一撃で優勝戦線に舞い戻った。この日はバーディなしの1イーグル・5ボギーで「73」のラウンド。3打差を追って7アンダー、5位タイからスタートする最終日、上位陣にとっては最も怖い存在となりそうだ。

この日の17番のピン位置は手前から11ヤード、右から4.5ヤード。「今日のミスはほとんどが左だったので、上体が上から来ないように、それだけ意識したらいいショットができました」。ピンに向かって真っすぐに飛んだボールは手前に着弾するとほぼジャストタッチでコロンとカップに吸い込まれた。気持ちの上では5つのボギーが吹き飛ぶような一打に飛び跳ねて喜ぶ元女王。7番アイアンでの一打は優勝争いを考えるうえでも、大きなものとなった。

序盤からアイアンショットの距離感に苦しんだ。「何が悪いとかは特になくて、ティショットはすごく良かったんです。ただ、2打目でぴったりの番手がないことが多くて、大きいクラブで軽く打つと奥に外れて、小さいクラブでしっかり打つと手前ばかりでした」。どちらかといえば、上の番手を選ぶことが多く、結果的にこれがボギーにつながった。「このコースは手前から攻めないとダメ。改めてマネジメントの重要性を思い知らされました」。最終日はこの反省をきっちり生かすつもりだ。

ホールインワンにきっかけがあったとすれば、直前の16番パー4。グリーン手前からのバンカーショットはスタンスがとりづらい状況だったこともあり、ピンをオーバー。「めっちゃ速い下りの4メートル」が残ったが、「3メートルはオーバーしていたと思う」という強さでねじ込み、パーをセーブした。いい流れを作ったのは得意のパッティングだった。

スコアを落とした時点で「8アンダーに戻せれば、十分にチャンスがある」と考えていただけに、カップに嫌われた最終18番のバーディパットがどうしても悔やまれるが、3打差は射程圏内。「キャリーが大きいというより、グリーンが硬くなって、思った以上にランが出てオーバーしている。明日はもっと手前からでいいんだと言い聞かせて、攻めたいと思います」。2019年には7勝を挙げた鈴木も昨季は未勝利。ここまできたら、ホールインワン賞の300万円だけではなく、1年9カ月ぶりの通算18勝目も持って帰る。(文・田中宏治)

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