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比嘉一貴は決勝ラウンドで苦戦も取り戻した“自信” 「次が楽しみになった」

比嘉一貴はスコア落とすも収穫あり(撮影:ALBA)

<全米プロゴルフ選手権 最終日◇21日◇オークヒルCC(米ニューヨーク州)◇7394ヤード・パー70>

メジャーで初めての日曜日は、悔しい結果に終わってしまった。1バーディ・5ボギー・2ダブルボギーの「78」として、トータル20オーバー・76位。荒れたムービングデーは「77」と後退し、自身初となるメジャーの決勝ラウンドは苦しい36ホールだった。

雨が降り続いた前日とは一転、朝から晴れて気温も上がった。コースコンディションの変化は練習グリーンで調整してからスタートしたが、「練習グリーンとちょっとギャップがあった。自分のなかではうまく打ったアプローチですごい跳ねて」と、1番パー4で3打目のアプローチを5メートルオーバー。そして速くなったグリーンスピードも気になり、「おそるおそるやってしまった」と3パットのダブルボギー発進。「つまづいてしまった」と流れの悪い滑り出しだった。

6番、7番では連続ボギー。9番もボギーとして後半へ。13番パー5ではティショット、2打目とフェアウェイを渡り歩いて、残り127ヤードから左3メートルにつけてこの日初めてのバーディを手にしたが、反撃開始とはならず。15番でダブルボギー、18番ボギーと落とした。

「チャンスにつけられず、ピン位置もきょうが一番厳しくて。難しい状況が多かった」という最終日。だが、初めて足を踏み入れたメジャー大会の週末の経験は、何ものにも代えがたい大きな財産にもなった。

難しいセッティングのなか、目の前の一打に集中し続け、自分になにができるかを考えながら試し続けた。「正直、順位よりは“いまこの状況で何ができるか”をずっと試していた。またどこか、こういうタフな状況で、そういう経験が生かせるように。成績は振るわなかったですけど、それ以上にいい収穫ができたと思います」。

ダブルボギーとした15番パー3はティショットを左手前のバンカーに入れ、ボールは反対側のアゴに近いところの状況。グリーンをオーバーすると強い下り傾斜でその先のくぼみに落ちることは分かっていたが、「その順位だから挑戦できることっていうのがそこにあった」と攻めた。結果は3オン・2パットとなったが、「うまく打てて、挑戦してよかった」と後悔はない。

次は日本戦を予定していたが、米国男子ツアー「メモリアル・トーナメント」(6月1日開幕)に推薦出場できる見込みとなった。「4日間この舞台でプレーできたのは、すごくいい経験。最近なかなかうまくいかなかったところが、自信を持ってプレーできると思うので、次が楽しみになりました」。自身のこれからに期待を抱き、苦悩しながらも、一歩ずつ成長していく。(文。笠井あかり)

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