投入後に5試合連続トップ3! 「今までで一番音が出る」 中島啓太が使う“ノン”インサートパターの正体
<長嶋茂雄INVITATIONALセガサミーカップ 事前情報◇28日◇ザ・ノースカントリーゴルフクラブ(北海道)◇7178ヤード・パー72>
中島啓太は5月の「〜全英への道〜ミズノオープン」から前週の「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品」まで、5週連続で最終日最終組を回り、2位、2位タイ、優勝、2位、3位タイと、松山英樹のルーキーシーズン並の快進撃を続けている。ミズノオープンから明らかに変わったもの、それはパターだ。
これまで「まだちょっとしゃべれないんです」とテーラーメイドの未発表パターについて多くを語ってこなかったが、米国のテーラーメイドが『TP リザーブ』シリーズを発表したことで、ようやくその外観が見えてきた。
ヘッドの形状はノンインサートの本格派ブレード。どこに好調に転じた秘密があるのか。「僕はもともとずっとスコッティ・キャメロンのパターを使っていて、すごくフェースが硬いというか、打感がしっかり音でも手でも伝わってくるものをずっと使ってきた」。中島はアマチュアでテーラーメイドと用品契約を結ぶ前は、スコッティ・キャメロンのブレード型を使用してきた。スコッティ・キャメロンは、ノンインサートモデルが多く、しっかりとした打感で松山もずっと愛用している。
もちろん、中島はテーラーメイドの硬い打感のパターに替えた後も「アジアアマ」に優勝したりと実績を残してきた。今季はトラスパター、『TPコレクション ハイドロブラスト ジュノ TB1 ツアートラスヒール』でスタートしたが、タッチが合わずにいた。それでも高いショットの精度を武器に、序盤の4試合で8位タイ、9位、12位タイ、21位タイの成績を残している。
実は中島が『TP リザーブ』の存在を知ったのは年が明けた1月。「あのパターを見てすぐに使いたいと思いました。ただ、アメリカでも選手に出せるのが春過ぎだということだったので、僕は待っていました」と、手元に届くのに5カ月を要した。
一番気に入っているのは、冒頭でもふれた“音”だ。「TPリザーブは今までで一番しっかり音が出ますし、自分の好きな音で距離感の出し方ができるパターだと思います」という。通常、ノンインサートのパターは、ヘッドの重量配分の自由度が低くなり、シビアで難しいパターになりがちだが、「溝がないわけではなくて、フェースに細かいミーリングがあるので、やさしさもある」と語る。
それに対して『トラス』は、三角形のネックによってミスヒットに強く、やさしいのが特長だ。「トラスは直進性が強くて、打ったときに大きい面でとらえている感じがします。真っすぐ行くことにはすごく長けている。今のパターは曲がるラインとか、ダブルブレークするラインで、細かいタッチまで自分の思ったように出せるんです」と違いを感じている。今週も『TP リザーブ』を武器に優勝争いに絡めるか、注目が集まる。(文・下村耕平)
Follow @ssn_supersports