パターイップスと戦う堀川未来夢の対処法 ラインによって「指の位置を5ミリ変えます」 | ゴルフのポータルサイトALBA.Net
クロウグリップで握る右手の人差し指と中指の位置を、ラインによって変えている(撮影:上山敬太)
堀川未来夢は20年にパターイップスを発症。様々な工夫を重ねながら、21年の「カシオワールドオープン」、そして今年に入って「日本プロゴルフ選手権」、先週の「マイナビABCチャンピオンシップ」と勝利を重ねてきた。
堀川未来夢のパターはセンターシャフトにこだわり【クラブセッティング】
現在は「右手の意図しない動き」が出ないように、右手を上から添えるだけのクロウグリップに落ち着いているが、ラインによって少し握りを変えているという。「自分のなかでパッティングがまだ100%ではなく、緊張した場面で思ったように動かないときがある。その対処法として、右手の人差し指と中指の位置は若干変えていますね」。
そこにはしっかりとした理由がある。「グリップ(の断面)が長方形で、右手の人差し指は上の面にかけて、中指は右側の面にかけています。インパクトの瞬間にエラーが出たとき、フックラインはフェースが閉じた瞬間に絶対入らないので、とにかく開かせるようにして、スライスラインは逆に閉じさせるようにする。自分のなかでわずか5ミリくらいだと思うんですけど、中指と人差し指の位置を変えているんです」と明かす。
スライスのときはどっちにズラすのか? と聞くと、「まあ…あるんですね(笑)。気持ちよく打てればいいんですけど」と、そこは濁した。イップスを発症するまでは、「2メートルくらいはほぼ外れる気はしなかった」と、パッティングを大の得意としていた堀川は、指の位置だけでなく、フックラインならトゥ側に1ミリ打点をズラしてフェースを閉じさせない工夫も行う。
イップスを発症する前、初優勝を挙げた19年シーズンのパーオンホールの平均パット数は1.7817で35位。2020-21年シーズンは1.7682で30位、今シーズンは1.7484で現在22位と、年々上昇している。イップスの不安は、徹底した準備で克服しつつある。
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