フジクラ『SPEEDER NX GREEN』、10月6日デビュー【試打してみた!】

2023年モデル、フジクラ『SPEEDER NX GREEN』(44,000円、10月6日発売)

22日、都内練習場にて[▶▶▶ブルーの次はグリーンだ 女子人気ナンバー1シャフトの後継モデルがツアーにお目見え]()

「今回の『NXグリーン』は、前作『NX』をベースに、フジクラ独自の設計技術【VTC】をアップデートしています。中間部と手元側のねじり剛性差を大きくすることで、さらなるボール初速アップを実現しました。また手元のロートルク化、先端のEI剛性を高めることで、一体感のあるシャフト挙動で、前に強い弾道で飛距離アップに貢献します」(同社)

■切り返し初期のムダなネジレと動きを取る!?

記者(HS50m/s・ローフェーダー)が打ってみると、前作『NX』より『NXグリーン』の方が明らかにシャフト全体が締まった印象。また、手元部分がロートルク化された影響か、手元から中間部まで繋がったしっかり感があり、シャフト全体のコシが強まった印象。こう言えば「手元が硬く、先が走る先調子?」と見るのがゴルファーの常だが、それに非ず。

表記はあくまで中調子で、先端剛性も『NX』より高まったため、極端に先だけ走る感じはなし。同社開発が「手元と中間部のトルク差で、切り返し初期のネジレを抑え、スムーズにタメをキープして結果スピードアップに繋げる」と話す部分も何となく理解できた。前作『NX』の多少の緩さが“オートマ感”を生むのに対し、『NXグリーン』にもオートマ感があるものの、より打ち手の意図が伝えやすい仕上がりだ。

ただ、インパクト手前50センチほどのシャフト全体のしなり量は、『NXグリーン』の方が大きく、それが加速を生むのだそう。フィッター曰く「前作『NX』の方が自動的にアッパーに動く傾向ですが、『NXグリーン』はそこから地面とレベルに動く傾向です」とのこと。この辺りは打ち手のクセや使用ヘッドによって反応が分かれそうだ。

■偶数の『エボ』シリーズ使用者が狙い目!?

部分的なトルク制御技術が【VTC】のメリットだが、フィッターによれば「人によってトルクの感じ方には差があります」とのこと。ただ、ロボットテストでは前作『NX』よりヘッドスピードが0.5m/s、ボール初速が0.6m/sもアップする検証結果が出ているとか。記者の場合、手元のロートルク化を「しっかり感」と感じたが、一般アマは同社の検証に近い反応が起きるだろうか。

実際、テストが進む国内女子ツアーでは、「スピードが上がる」との反応が中心で、[スピーダー]()569TR)らが既に『NXグリーン』にスイッチ済み。

フィッターは「スピーダーエボリューションの歴代7モデルで言うと、先端のフィールで言えば『エボ4』や『エボ6』シリーズからの乗り換えがスムーズかもしれません。今回の『NXグリーン』は『エボ4』よりやや先端剛性は高いです」とのこと。

■フェース開閉を使うゴルファーに合う!?

また、別のフィッターは「手元のフィールで言えば、初代『エボ』が近いかもしれませんが、真ん中から先端にかけて走る感じがする初代『エボ』より締まった形になっているので、切り返しで手元を感じるタイプか、インパクト付近の先端を感じるタイプかで、反応が分かれると思います」と話す。

記者は両方感じるタイプだが、「手元も先端も『NX』より強く、センターのしなり量も『NX』より少なく、叩けるフィールと走るフィールが同居した、スピード感があるのに左が来づらいシャフト」と感じた。球が強くなりやすく、スピン量と打ち出しも『NX』より抑えやすく、ライナーフェードが打ちやすかった。前述のフィッターがこう言う。

「国内男子ツアーでも、小田孔明プロに使用していただきましたが、インパクトでフェース開閉を使うタイプの方から【ボールコントロールしやすい】との評価も多いです。その他、若手男子プロ4名も投入していて、使用率の高い『ベンタス』シリーズとはまた違った選択肢になる可能性があります」。

発売は10月6日、税込み価格は44,000円。キャリーが出やすくつかまる『NX』がハマっている人も、安定した『ベンタス』シリーズでOBを減らしている人も、一度打ってみると新たな発見があるかもしれない。

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