GDの新ブランド『RAUNE』、2代目Gシリーズ『aG19』の女子プロ評は?

グラファイトデザイン『aG19』を絶賛する高久ゆうなと、『RAUNE』を絶賛する江澤亜弥

17日、グラファイトデザインが千葉県内の練習場にて、新商品発表&試打会を開催した。発表されたのは、なんとウェッジ用カーボンを含む新ブランド『RAUNE(ラウネ)』シリーズと、2代目となる『G』シリーズの『aG19』。どんなシャフトなのか、同社の高橋雅也氏がこう話す。

■RAUNEの語源は「ネラウ」。ウェッジ用が始まり

「元々『TOUR AD』にアイアン用までラインナップがあり、私も使用してきましたが、ウェッジだけはスチールの『DG』でした。ウェッジまで硬いカーボンにすると色んな状況や距離で柔らかく打つのが難しい面もあるので、それが可能なカーボンシャフトを数年かけて完成させることができました。

特徴は、従来のアイアン用が高弾性でしなり戻りや弾きの強い『PAN系カーボン』だったのに対し、『RAUNE』は低弾性の『ピッチ系カーボン』にしたこと。スピン系ボールの外側がソフトで内部が硬い構造に着目し、シャフト外部の『ピッチ系カーボン』で剛性を抑えることで、あらゆる振り幅で使えます。使用選手は5Iに原英莉花プロ、岸部桃子プロ、永井花奈プロですね」(高橋氏)

出自がウェッジ発とは何ともユニークだが、アイアン用とハイブリッド用もそれぞれ番手毎に最適化。ハイブリッドやロングアイアン用ではバランスポイントを手元側にして振り抜きと先中部のしなり戻りで打出しを上げる。そして、ショートアイアン用は手元部のしなりを感じつつも先端部の動きを抑え、ミドルアイアンは中間的な流れに。

既にアイアン用を使用中の江澤亜弥は「ウェッジで硬いとダウンで間が取れずに手先を使う感じになるけど『RAUNE』は間が取れる。あまりにもイイので替えようと思ってテストしてます」と絶賛。MCを務めた石井忍も「スピンが入るスチールのようにしなって球を潰せる・押せるフィールがまさかカーボンで作れるとは…。スチールよりカーボンの方がしなり戻りの再現性があってタテ距離が合いやすい」と舌を巻いていた。

高久ゆうなも「ウェッジ用はしっかり球を押せます。女子は3U(ロフト19°相当)をあまり使わないというか、球が上がりづらいんですけど、『RAUNE』を入れるとすごく高く打ててやさしい」と絶賛。石井忍も「地面へのランディング角が3Uなのに40〜43度出ていて、スピンもキャリーも出て止まりやすい球が打てている」。

重量帯は『RAUNE HYBRID』(19,800円)が『h45』『h55』『h65』『h75』『h85』と10g刻み。『RAUNE IRON』(9,900円)は15g刻みの『i60』『i75』『i90』『i105』(13,200円)4種で、男子プロの中でもハードヒッターとして知られる永野竜太郎が『i105』のXを使用する。『RAUNE WEDGE』(13,200円)は『w85』『w100』『w115』の3種だ。

■2代目『G』も、手元がしなる!

ウッド用カーボンの初代『G』こと『aG33』は、手元しっかりで全体が走ってつかまる非力な人が飛ばせるシャフト。女子プロも常時10人近くが使用していたが、2代目『G』こと『aG19』(44,000円)が追加された。高橋氏は設計意図をこう話す。

「キメラテクノロジーという、先端部から手元部にかけて異質な剛性設計を持つ新しい設計を入れました。【キメラ】とは、ギリシャ神話のライオンの頭、ヤギの胴体、ヘビの尾を持つ同一個体に異なる遺伝情報を持つ生物。『aG19』はまず、手元部を柔らかくして切り返しの力みを防ぎます。中間部は硬くすることで手元部で生み出したしなりのエネルギーを増大させて加速。

先端部に新素材の【2G-Namd】というラケットに使用されるカーボンナノチューブ材を使用してエネルギーロスを抑えつつ、ヘッドが走って高打ち出しとつかまりを生みます。コンセプトは【ゆったり振っても飛ばせる】シャフト。硬さによる力みや打ち急ぎを防ぎたい人に最適で、初代『G』に無かった60g台も今回は追加しています。使用選手は岸部桃子プロ、石井理緒プロ、斉藤愛璃プロですね」(同)

江澤は「今まで『TOUR AD HD-4』を使っていましたが、新しい『G』を打つと『HD』がハードかなって。初代『G』は私には戻りが速すぎたけど、新しい『G』は切り返しが粘ってくれるのに復元がバーンとちょうどよくつかまりも良いです。今回の新作の中でもかなり気になったシャフトです」と評価し、ネットに突き刺さる強烈な弾道を見せていた。

高久も「やさしくて先が走ってくれてつかまる」。見届けた石井は「今回のキメラテクノロジーが効いていて、切り返しは一旦しなってくれるけど、センター部分がしっかり伝達して、インパクトで先が走るという、徐々に加速する感じが誰にでも体感できるところがすごい。前の『aG33』の切り返しから一気に走る感じじゃなく、間を作れてから走る感じがヘッドスピード40m/s前後の人にちょうどいい」と言う。

高橋氏は「特にオススメなのは“シャフトをしならせられない”と感じている方です。力まずにゆったり振るスインガーが飛ばせる感じで、ダブルキックにも近い、つかまるシャフトと言えます。最近のシャフトは先端剛性が強いものが多い中、つかまるシャフトを求める方に60g台も用意したのでぜひお試しください」。ヘッドスピード37〜43m/s前後の“女子プロゾーン”を自認する方はぜひ。

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