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流れを取り戻した11番 松山英樹が、合わせたコブシに感じた『勝機』 | ゴルフのポータルサイトALBA.Net

ともに戦ったファンに感謝 そんな思いが込められた万歳だった(撮影:岩本芳弘)

<ZOZOチャンピオンシップ 最終日◇24日◇アコーディア・ゴルフ 習志野CC(千葉県)◇7041ヤード・パー70>

1打逆転されて迎えた11番パー4。20メートルほどのバーディパットをねじ込むと、再びトップに並ぶ。ここでキャディとグータッチ。痛そうなほど鈍い音が聞こえるくらい、突き出された拳には力が込められていた。

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プレー中、大きなリアクションはあまり見せない松山英樹も、この日ばかりは違って見えた。1番ティからグリーンまで続く観客に囲まれ、キャップに触れて声援に応える仕草はさりげない。それでも、確かにファンの声は届いていた。

開幕前にゴルフの状態を聞かれると、「マスターズ」優勝時から比べると2割程度と答えた松山。それが、優勝会見では「結果的には8くらい」。数日で調子が上がったわけではなかった。「状態が本当によくなかった。その中で勝機があるとしたら、多くの方がボクを応援してくれているというのが一番の強みだと思った」。日々会場を訪れる観客のうち、ほとんどが松山の組について歩く。5000人近くの応援を、確実に力に変えていった。

2位に1打差をつけてスタートした最終日、6番パー5で2オンし、ロングパットを決めると大歓声がグリーンを包む。その最中で力強くガッツポーズをとると、会場のボルテージは上がる一方。だからこそ、10番で後続のトリンガーリに並ばれたときの落胆の声は、よけいに大きく響いて聞こえる。

1打のリードを許して迎えた11番。「自分がそんなにいいプレーをしていないので、抜かれることは想定していた。良いプレーをしなければ勝てないと思った」と、終盤に向けて集中力は高まるばかり。長いバーディパットを沈めてトップに並ぶと、グリーン上で再びガッツポーズ。エッジに避けてキャディと力強く拳を合わせ、再び優勝へのレールに乗った。

17番を終えた時点で、2位とは2打差。最終18番パー5をイーグルで締めて、両腕を振り上げて万歳。カップからボールを取って再び掲げたガッツポーズは、観客に向けたものだった。

「本当に、応援してくれた沢山の人のおかげでしかない。これだけ変わるんだと、すごく嬉しかったですね」と、控えめな笑顔を見せた松山。「マスターズ以来の優勝がここで、日本で遂げることができて嬉しい。受けた応援を忘れず、米国でも頑張ります」と、凱旋優勝という最高の形で日本のファンに感謝を届けた。

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