「こんな天国ってない」 18歳のプロゴルファー『リョウ』のモチベーション | ゴルフのポータルサイトALBA.Net
リーダーボード
Pos 選手名 Sco 1 比嘉一貴 -20 2 上井邦裕 -18 3 稲森佑貴 -14 大槻智春 -14 5 J・チョイ -13 宋永漢 -13 7 竹安俊也 -12 8 石坂友宏 -11 岩田寛 -11 10 杉山知靖 -10 順位の続きを見る
躍進中の18歳のプロゴルファー(撮影:佐々木啓)
<長嶋茂雄INVITATIONALセガサミーカップ 3日目◇21日◇ザ・ノースカントリーゴルフクラブ(北海道)◇7178ヤード・パー72>
「ゴルフ好きな自分にとって、こんな天国ってないですよね」。北の大地で18歳の「リョウ」が満面の笑みを浮かべた。
84位タイ発進から、2日目に巻き返して48位タイとギリギリで予選通過を果たした久常涼(ひさつね・りょう)。2017年の「日本ジュニア」優勝を始め数々の好成績を残し、日本ゴルフ協会のナショナルチームにも選ばれた逸材だが、2020年1月、岡山作陽高校在学中(3年)にプロ宣言。大学進学ではなく、いきなり厳しい環境に身を置く決断だった。
実際、本格参戦となった2021年はQTランク1212位からのスタート。推薦枠で出場権した下部ツアーの試合で成績を残し、翌週の出場につなげて3試合目で優勝というステップアップ。本人にまったく悲壮感はなかった。
「日本のトップの舞台に来たら、もっとたくさん吸収できると思いました。ここは、今の自分には刺激だらけです」と、レギュラーツアーのすべてが新鮮だ。「どれだけ練習しても怒られないし、環境も整っている。一番いい環境で練習ができるっていうのも本当にうれしい」。
レギュラーツアー会場では当たり前の、芝から打てるドライビングレンジ。下部ツアーだとシーズンによっては約半分が人工芝で、距離の問題でドライバーを打てないこともある。「自分はゴルフが好きなゴルフバカなので、ずっとここにいたい。もっと練習しないと、ボクより10年多くゴルフしている先輩には追いつけない。こんな天国はないです」。プロ転向を急いだ理由もここにある。
6月の「ジャパンクリエイトチャレンジ in 福岡雷山」、7月の「南秋田カントリークラブみちのくチャレンジトーナメント」と、下部のAbemaTVツアーで2勝。その間の2試合も21位タイ、単独2位と勢いありあまる18歳だが、レギュラーツアー4戦目の今大会は84位タイ発進と出鼻をくじかれた。「ガンガン攻めるだけでは、バーディをとらせてくれないセッティング。下部とは全然違う、神経を使いながらやっているので、それが伸び悩む要因ですね」。
一瞬、顔を引き締めたが、すぐに笑って続ける。「こうやって出場させてもらった舞台で、どれだけ経験を積ませてもらえるか。予選を通ったらあとは下から攻めるだけなので、失格だけしないように気をつけないと(笑)」。
今は修行の場として参戦しているレギュラーツアーだが、その先は“ここで勝つ”と決めている。「来年には絶対レギュラーで優勝したいし、そのために準備したい。金谷(拓実)さんみたいにスゴイわけじゃないから、先輩を見て勉強していけばいいやと思っています」。初日の出遅れを取り戻して予選を通過し、3日目には34位タイまで上がってきた。
「高校時代からアマチュアの試合では少し物足りないって思っていました。ここに来たら、ボクの実力だと本当に刺激だらけ」と目を輝かせる。先輩への敬意は謙遜しているわけでなく、本気でゴルフが楽しいと思っているから早く追いつきたいのだろう。スーパールーキ−の躍進はまだ始まったばかりだ。
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