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今でも忘れないメジャー覇者撃破 無我夢中の歓喜に「失礼なことをした」【名勝負ものがたり】 | ゴルフのポータルサイトALBA.Net

イケイケでやっていたころの宮瀬 兄貴分の一言が全英覇者撃破につながった

歳月が流れても、語り継がれる戦いがある。役者や舞台、筋書きはもちろんのこと、芝や空の色、風の音に至るまで鮮やかな記憶。かたずをのんで見守る人々の息づかいや、その後の喝采まで含めた名勝負の数々の舞台裏が、関わった人の証言で、よみがえる。

第13回は、1999年住友VISA太平洋マスターズ。すぐに勝負を捨ててしまう悪い癖を直した宮瀬博文の激戦の記憶。後のメジャー王者ダレン・クラークと、川岸良兼をプレーオフで撃破した戦いとは…。

バルタスロールの死闘は今からもう41年前…【写真】

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「滅茶苦茶うれしかった。僕にとっては準メジャーと言えるような大会でしたから。1勝目がラッキーじゃなったんだな、って思えた」。宮瀬は、昨日のことのように鮮やかにその時、を思い出す。優勝の瞬間は、クラークと握手をするのに帽子を取ることも忘れていたと言う。「ホント失礼なことをしました」と、歓喜に浸っていた。

史上最年少の21歳でシード選手として注目を浴び、97年の札幌とうきゅうオープンの初タイトルは、4日間首位を守る完全優勝だった。しかし、2勝目までの道のりは本人にとっては長いものだった。宮瀬の性格をよく知る兄貴分の加瀬秀樹に、98年ごろ言われた言葉がある。「ヒロ、1打1打をもっと大切にしろ」。自分でもわかっていた欠点をズバリと指摘されたのだ。ミスショットをしたり、調子が悪いと自分に怒ってしまい、すぐに勝負を捨ててしまう。加瀬に言われてから、丁寧に辛抱強く戦う努力を始めていた。

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