ハーデン獲得はシクサーズにとって「史上最悪のトレード」?OBのバークレーが指摘「2年間で優勝しないと」<DUNKSHOOT>
フィラデルフィア・セブンティシクサーズは、今年のトレード最終期限日にベン・シモンズを放出して、代わりにブルックリン・ネッツからジェームズ・ハーデンを獲得。リーグ優勝を見据えてジョエル・エンビードとの強力デュオを完成させたが、現地時間3月11日にトレード相手のネッツにホームで100−129と完敗を喫した。
この結果を受け、殿堂入り選手で現役引退後は辛口批評で人気を博すチャールズ・バークレーは、「史上最悪のトレード」と語り継がれる可能性を指摘している。
シクサーズは今季、トレードを志願したシモンズ不在の状況でシーズンが開幕。エンビードが孤軍奮闘し、プレーオフ進出圏内をキープしていたなか、トレード最終期限日にシモンズ、セス・カリー、アンドレ・ドラモンドを駒に、ハーデンとポール・ミルサップを迎え入れた。
ハーデンが新天地デビュー以降、出場した試合は5戦5勝(3月5日のマイアミ・ヒート戦は連戦のため休養で欠場)。その間、ハーデンは平均24.6点、7.6リバウンド、12.4アシスト、エンビードも平均32.6点、10.8リバウンド、3.4アシストと上々の成績を残してきた。
しかし、ネッツ戦はエンビードが27得点、12リバウンドをあげたが、FGは5/17で、フリースローで15点(19本試投)を稼いだ状況。相棒のハーデンも11得点にとどまり、後半に至っては無得点だった。
1月下旬から急失速しているネッツに敗れたことで、新生シクサーズへの風当たりも一気に強くなった。シクサーズのOBでもあるバークレーは、『TNT』の番組『Inside the NBA』でハーデンの“勝負弱さ”を鋭く指摘している。
「ジェームズはビッグゲームで輝きを失う傾向がある。彼はその悪評を覆すために何もできなかった。(ネッツ戦は)ひどい状態だった。振り返ってみると、ヒューストン時代、(カンファレンス・ファイナルで)ゴールデンステイト・ウォリアーズを倒すべきだった2018年、チームリーダーのクリス・ポールがケガをするまでロケッツはシリーズをリードしていたが、ジェームズは素晴らしい選手にもかかわらず、スポットライトが最も明るくなった(大事な)時にひどいプレーをした」
バークレーは、今回の大型トレードに踏み切ったシクサーズには2年間の猶予しかないと見立てた。
「俺が思うに、シクサーズは今後2年間で優勝しないといけない。さもないと、史上ワーストのトレードと言われるだろう。おそらく、ネッツには向こう10年、KD(ケビン・デュラント)、カイリー(アービング)、シモンズがいることになる。シクサーズは今年、あるいは来年に勝たないといけないと思う」
その意見には、同じく番組に出演した“怪物センター”のシャキール・オニールも「チャールズ(バークレー)は正しい。シクサーズはステップアップするためにジェームズを連れてきたんだから、これは恐ろしい状況だ。シリーズ第7戦になったら、大黒柱が必要だが、彼は長らくステップアップしていない」とすかさず同調している。
ひとつの負けに過ぎないとはいえ、トレードを行ない、しかもシモンズ不在の相手に大敗を喫したことで、明るい未来が期待されていたシクサーズに暗雲が立ち込め始めている。
構成●ダンクシュート編集部
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