八村塁のウィザーズに新加入のポルジンギスが「証明してみせる」と自信!「暴れ回りたい」<DUNKSHOOT>

ニックスとマーベリックスで計6シーズンを戦ったポルジンギスがウィザーズに加入。新天地での意気込みを語った。(C)Getty Images
 現地時間2月10日のデッドラインに合意に至ったトレードのなかで、最も意外だったひとつはダラス・マーベリックスとワシントン・ウィザーズのトレードだろう。

 マブズはチーム2位の平均19.2点に7.7リバウンド、2.0アシスト、1.74ブロックを記録するクリスタプス・ポルジンギスを手放し、ウィザーズからスペンサー・ディンウィディーとダービス・ベルターンスを獲得したのである。

 2019年1月末にニューヨーク・ニックスからマブズに加入したポルジンギスは、約3シーズンで平均20.0点、8.8リバウンド、1.8アシスト、1.73ブロックを記録。2年連続でプレーオフも経験した。

 今回の移籍に際し、これまでともに戦ったルカ・ドンチッチは「もちろん、KP(ポルジンギスの愛称)がいなくなるのは寂しい。僕らはこの地ですごいものを構築していたからね。でもそれが上手くいかなかったということ。彼の幸運を祈っている」と口にし、「NBAはビジネスなんだ」と語っている。
  NBA入り後、両ヒザを故障するなどケガの多さが難点なポルジンギスだが、221cm、109kgのサイズにスキルを兼備し、ポストプレーからドライブ、ディープスリーまでお手の物。ディフェンスではリムプロテクターとしても期待できる。

 12日に行なわれた会見でポルジンギスは、「トレードの時というのは、いつもびっくりするよ。予想していないから、いろんな感情が込み上げてくるんだ。すぐ荷物を揃えて、次の日には移動しないといけない。(ダラスの)判断も、僕は完全に理解している。これがリーグの現実なんだ。とにかく、ここ(ワシントン)に来ることができて嬉しい。(トレードの)知らせが来た時はものすごく興奮したよ」と、興奮気味に語った。

 同日のサクラメント・キングス戦。ポルジンギスのデビューはお預けとなったウィザーズは、カイル・クーズマが22得点、8リバウンド、7アシスト、コーリー・キスパートが20得点、6アシスト、21分51秒をプレーした八村塁が13得点、2リバウンド、3スティールを残すも110−123で敗戦。シーズン序盤戦はイースタン・カンファレンス首位にも立ったウィザーズだが、現在はイースト11位の25勝30敗(勝率45.5%)となっている。
  会見でポルジンギスは、「このチームにとって大きなチャンスだ」と話し、こう続けた。

「シーズンの出だしは良かったけど、ここ最近は苦しい戦いが続いている。今、ブラッドリー(ビール)が離脱しているけど、シーズン後半をしっかり戦って暴れ回りたいね。ひとつ目の目標はプレーイン・トーナメントへ進んで、プレーオフに進出することだ」

 新天地でプレーオフ出場権を獲得すべくプレーしていくことを明言した26歳は、1月末から右ヒザの骨挫傷のため欠場を続けているが、「今の僕は健康体で、よく動けている。それを証明してみせるよ」と自信を見せる。

 エースのブラッドリー・ビールは左手首の手術のためレギュラーシーズン残り試合全休と発表されているため、共演は早くてもプレーオフ、あるいは来シーズンとなるが、ポルジンギスは新コンビにも期待を膨らませている。
 「(ビールと)プレーするのも楽しみだね。彼はオフボールの動きに優れている。彼とのドリブルハンドオフ、2メンゲームがすでにイメージできるよ。彼はディフェンスの注目を集めてくれるから、その分、僕がオープンになれる。その逆の場合もあるだろう。だから彼と一緒にプレーするのが楽しみなんだ」

 トミー・シェパードGM(ゼネラルマネージャー)によると、ビールもポルジンギス獲得を喜んでおり、この新たなデュオが、デンバー・ナゲッツのニコラ・ヨキッチとジャマール・マレーのウィザーズ版になると見ているようだ。

 ポルジンギスの状態は日々チェックしていくことになるため、新天地デビュー戦がいつになるかは現時点で未定。シーズンも残り27試合となり、これから先は1勝の重みが増すだけに、魅惑のビッグマンがコートで大爆発する日を楽しみに待ちたいところだ。

文●秋山裕之(フリーライター)
 

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