NBAオールスターに惜しくも落選した名手たち。所属チームの指揮官が「見落とされている」と熱弁<DUNKSHOOT>

キャブズのアレンは今季、平均16.2点、11.0リバウンドと自己ベストの成績を残すも、オールスターには選ばれなかった。(C)Getty Images
現地時間2月3日、NBAは今月20日にオハイオ州クリーブランドのロケットモーゲージ・フィールドハウスで開催される「NBAオールスターゲーム2022」のリザーブメンバーを発表した。

各チームのヘッドコーチ投票によって選ばれたメンバーは以下の通りだ(以降チーム名は略称)。

■イースタン・カンファレンス
ジミー・バトラー(ヒート/2年ぶり6回目)
ダリアス・ガーランド(キャバリアーズ/初選出)
ジェームズ・ハーデン(ネッツ/10年連続10回目)
ザック・ラビーン(ブルズ/2年連続2回目)
クリス・ミドルトン(バックス/2年ぶり3回目)
ジェイソン・テイタム(セルティックス/3年連続3回目)
フレッド・ヴァンブリート(ラプターズ/初選出)

■ウエスタン・カンファレンス
デビン・ブッカー(サンズ/3年連続3回目)
ルカ・ドンチッチ(マーベリックス/3年連続3回目)
ルディ・ゴベア(ジャズ/3年連続3回目)
ドレイモンド・グリーン(ウォリアーズ/4年ぶり4回目)
ドノバン・ミッチェル(ジャズ/3年連続3回目)
クリス・ポール(サンズ/3年連続12回目)
カール・アンソニー・タウンズ(ウルブズ/3年ぶり3回目)

今回選ばれた14名はそれぞれ個人成績、実際のパフォーマンスとも今年の球宴入りにふさわしい選手たちだ。その一方で、彼ら以外にもオールスターに選ばれてもおかしくない活躍をしながら涙を呑んだ選手たちがいる。
イーストでは昨季の新人王で、今季平均19.8点、7.2リバウンド、7.6アシスト、1.50スティールとさらなる成長を遂げたラメロ・ボール(ホーネッツ)、そして5日終了時点でイースト4位の32勝21敗(勝率60.4%)を誇るキャブズのジャレット・アレンがその筆頭だろう。

4日のホーネッツ戦を前に、キャブズのJB・ビッカースタッフHCは「ジャレットは見落とされていると思う。彼がシーズンを通してやっていることを見れば、彼がオールスター入りできない理由はない。リーグには素晴らしい選手たちが数多くいるから難しいんだろう。だが勝利を重ねていることをリスペクトするのであれば、ジャレット・アレンをオールスターチームに入れないなどありえないこと」と語った。

キャブズ在籍2シーズン目の今季、アレンは平均16.2点、11.0リバウンド、1.36ブロックにフィールドゴール成功率67.4%という好成績を残しており、イースト上位の戦績を残すチームの躍進に大きく貢献。今年のオールスター開催地はキャブズの本拠地だけに、初選出されたガーランドとともにアレンも球宴デビューすることを期待していた者は多かっただろう。
さらに指揮官は「我々は彼が選ばれなかったことにもの凄くがっかりしている。でもジャレットはジャレットだ。彼はこれからもコートに立って、人々が間違っているのだと証明し続けていくさ」と、今後のさらなる躍進に期待を寄せる。

一方、ウエストでは、スパーズで平均19.6点、8.4リバウンド、9.2アシストにリーグトップの2.06スティールを残すデジャンテ・マレー、2年目で平均22.3点、5.0リバウンド、3.6アシスト、1.54スティールを残すウルブズのアンソニー・エドワーズらが惜しくも落選した。

スパーズはウエスト12位の20勝34敗(勝率37.0%)とチーム成績が振るわない面があるものの、ウルブズは7位の27勝25敗(勝率51.9%)と上々の戦績を残していることから、エドワーズの球宴入りを期待する声もあったのではないだろうか。
もっとも、エドワーズ自身は昨季の新人王争いでボールに敗れたことも絡めて、5日に地元メディアへこう話していた。

「新人王レースの時と同じだ。僕は自分が選ばれるだなんてこれっぽっちも期待していなかった。正直に言えば、ライジングスターズのゲームさえ、選ばれるとは思ってなかった」

ただ、今回落選した選手たちにもまだチャンスは残されている。ファン投票でイースト最多票を獲得してキャプテンを務めるケビン・デュラント(ネッツ)、ウエストのリザーブに選ばれたグリーンはそれぞれケガのため離脱しており、揃ってオールスターを欠場する可能性が高い。その場合、当日までにコミッショナーのアダム・シルバーから代替選手が発表される。ここで挙げた選手たちが最後のチャンスを掴み、オールスターデビューを飾ることになるのか注目だ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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