「この感覚が恋しかった」日に日に存在感を取り戻すトンプソンが、ネッツ戦で久々の決勝弾!<DUNKSHOOT>

ネッツ戦で値千金の決勝弾を決めたトンプソン。「最高の気分だ」と喜びを爆発させた。(C)Getty Images
 現地時間1月9日(日本時間10日、日付は以下同)のクリーブランド・キャバリアーズ戦で、約2年半ぶりに復帰したクレイ・トンプソン(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)が、徐々にながら着実に存在感を増してきている。

 27日のミネソタ・ティンバーウルブズ戦では、いずれも復帰後ベストとなる3ポイント5本成功に23得点を叩き出して勝利に貢献。この試合ではステフィン・カリーも6本の長距離砲を突き刺して29得点に8リバウンド、6アシスト、3スティールと暴れ回った。

 ウォリアーズが誇る“スプラッシュ・ブラザーズ”が同じ試合で揃って5本以上の3ポイントを沈めたのは、2019年のNBAファイナル第5戦以来初。カリーは「クレイと一緒にプレーするのは簡単さ。だって彼はもの凄いスコアラーで申し分ないシューターだし、コート上で(相手チームの)注意をたくさん引きつけてくれる。どのポゼッションでも、何か特別なことをしてやろうといつも思っているよ」と相棒とのプレーを喜んでいた。
  そうして迎えた29日のブルックリン・ネッツ戦。相手はケビン・デュラント、ジェームズ・ハーデンをケガで欠いていたものの、カイリー・アービングがゲームハイの32得点に7リバウンド、7アシスト、3スティールの活躍でチームを牽引。第4クォーターだけで同点7度、リードチェンジ4度という白熱した展開となる。

 対するカリーとトンプソンは前半を終えて3ポイントが計1/7(成功率14.3%)の計7得点。続く第3クォーターも合計3ポイント1/7(成功率14.3%)の5得点に抑え込まれていた。

 ところが、最終クォーターになって2人で3ポイント3/4(75.0%)の23得点と揃って爆発。特に残り30秒、ネッツが1点差まで詰め寄った場面で、カリーとの2メンゲームからディフェンダーをはがしてキャッチ&シュートで沈めたトンプソンの長距離砲は値千金の決勝弾となる。最終スコアは110−106、ウォリアーズが粘るネッツを振り切った。
 「最高だね。本当に決めることができたんだ。この感覚が恋しかったよ。間違いなく最高な気分さ」

 そう語ったトンプソンは、終盤にも2本のフリースローを確実に沈めて勝利に大きく貢献。新たなチームメイトたちとのプレーにも好感触を抱いていた。

「どうやったら彼らといいプレーができるのか理解しようとしているところだ。サイドラインで見ながらシミュレートするのは難しいからね」

 トンプソンはここまで9試合、平均23.1分の出場で15.8点、3.3リバウンド、2.7アシストをマーク。フィールドゴール成功率40.6%、3ポイント成功率35.4%とまだまだ本調子とは言えないものの、得意の長距離砲を平均2.6本沈めているのは流石と言えるだろう。

 そしてネッツ戦でのトンプソンのパフォーマンスに、スティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)も太鼓判を押している。
 「見ていて最高だったよ。今夜はほとんどの時間帯で苦しんでいたけど、クレイがビッグショットと重要なフリースローを決めてくれた。この試合のようにショットがなかなか入らない夜でも、彼がどれだけ自信を持ってプレーしているかを表していたね。これで彼はステップアップする能力があること、そしてビッグショットを決められることを見せつけたんだ」

 この試合でウォリアーズは、アンドリュー・ウィギンズが24得点、8リバウンド、3スティール、2ブロック、カリーが19得点、7リバウンド、8アシスト、3スティール、ジョーダン・プールが17得点、6アシスト、トンプソンが16得点、6リバウンド、オットー・ポーターJr.が16得点、6リバウンド、4ブロックをマーク。

 ドレイモンド・グリーンをケガで欠いているものの、チームは5連勝を飾っており、37勝13敗(勝率74.0%)でリーグ2位の座を堅持。この状況下でトンプソンの自信を増すことは、相手チームにとって脅威以外の何物でもないはずだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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