「ブルズは最強の王朝」ピッペンが改めてジョーダンとの関係に言及。ただ“謀反”について「まだ彼とは話していない」<DUNKSHOOT>
昨年11月に発売した初の自伝『Unguarded』が大きな波紋を呼んでいる、シカゴ・ブルズのレジェンドであるスコッティ・ピッペン。イタリアでも今年1月に「Unguarded – La mia vita senza filtri」の題名で著書が発売され、ピッペンは改めてマイケル・ジョーダンについて語っている。
1987年にブルズに入団したピッペンは、2年目の1988−89シーズンからオールラウンダーとして台頭。“神様”ジョーダンの相棒役に上り詰め、2度の3連覇(1991~93、96~98)を達成するなど、“史上最高のデュオ”と言われるほどの阿吽の呼吸でリーグを席巻した。
2人の関係性に異変が起こったのは、ブルズの1997−98シーズンの優勝を追ったドキュメンタリー『ザ・ラストダンス』が放映された2020年5月以降。栄光に導くリーダーとして描かれたジョーダンに対し、ピッペンは足首の手術を受けるのを開幕まで待つなどセルフィッシュな一面がクローズアップされた。
ピッペンはジョーダンについて「今まで一緒にプレーしたなかで、ベストのチームメイト」と口にした一方で、著書『Unguarded』内ではジョーダンの個の能力で支配するスタイルがリーグのバスケットボールそのものを変えてしまったと矛先を向け、大きな話題に。
著書がイタリアで発売されたことを受け、ピッペンはイタリア大手紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』で改めて『ザ・ラストダンス』やジョーダンとの関係について語った。
「『ザ・ラストダンス』はマイケル・ジョーダンのドキュメンタリーだ。彼の仲間や同僚を悪評に晒した。今では『選手同士が子どもの頃から一緒にプレーしてきた』なんて話は珍しくないけど、1980年代はそんな関係性はほとんどなかった。重要なのはバスケットボールだけ。やるべきは、プロとしての関係を築き、コート上で仕事をすることだった。
ブルズでは、マイケルがいなければあれだけ多くは勝てなかったと思う。マイケルとプレーしたことで何年もベストのシーズンを過ごせたし、彼も私といたことでベストのシーズンを過ごした。それがお互いに成功を収められた理由だ」
ピッペンは2度のスリーピートを果たした当時のブルズについて、“最強”を自負しているという。
「マイケルがいなかったらどうだったかは何も言えないし、その質問に答える必要もない。私たちが成し遂げたことを考えれば、(ブルズは)史上最高の王朝だったと確信している。レイカーズを含めてトップ10のチームを破り、8シーズンで6個のNBAタイトルを獲得したからね。王朝の終わりは、私の決断は何も関係ない。後悔はないよ」
ただ、ピッペンは一連の騒動を経たなかでジョーダンとの会話はないことを明かし、「(マイケルとは)まだ話していない。たぶん、いつかは話すだろうけど、今じゃない。話すことに今は興味がない」と説明。心の中で整理がつくのは、まだしばらく先のことになりそうだ。
構成●ダンクシュート編集部
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