コロナ禍でチャンスを得たNBA選手たち! 米メディアが“オール10日間契約チーム”を発表<DUNKSHOOT>

ペイサーズのスティーブンソンを筆頭に、今季は若手からベテランまで多くの選手が10日間契約でチャンスを得た。(C)Getty Images
現地時間1月12日、NBAの2021-22レギュラーシーズンは計617試合を消化。全体の半数を終えて折り返し地点を迎えた。

昨年12月に新型コロナウイルスのオミクロン株の感染拡大により、計11試合が延期となったが、安全衛生プロトコル入りのため離脱した選手たちの不在をカバーすべく、各チームが10日間契約を活用して選手を一時的に補充。その甲斐もあって、今月に入ってからは試合延期はなく、日程通りに進んでいる。

NBAに光明をもたらした10日間契約を締結した選手たち。その顔触れはさまざまだが、チームへの貢献度は半端ではない。そんな状況下で13日に『The Athletic』のジョン・ホリンジャー記者が選出した“オールNBA10日間契約チーム”を紹介する(※データは1月12日終了時点、チーム名は略称)。

■『The Athletic』による“オールNBA10日間契約チーム”

ランス・スティーブンソン(ホークス、ペイサーズ)
ハッサニ・グラベット(マジック)
デイボン・リード(ナゲッツ)
マルコム・ヒル(ホークス)※ブルズと契約
アルフォンゾ・マッキニー(ブルズ)
スタンリー・ジョンソン(レイカーズ)
マーキーズ・クリス(マブズ)
グレッグ・モンロー(ウルブズ、ウィザーズ)
ギャリー・クラーク(ペリカンズ)
カイル・ガイ(ヒート)
ここまでで最もインパクトを放ったのはスティーブンソンだろう。ホークスでは6試合で平均1.8点、2.5リバウンド、1.8アシストに過ぎなかったものの、4シーズンぶりの帰還となったペイサーズでは6試合で平均12.8点、3.5リバウンド、5.2アシストと大暴れ。

5日のネッツ戦では第1クォーターだけで20得点を奪うなど計30得点、5アシスト。8日のジャズ戦では16得点、6リバウンド、4スティールに加えてキャリアハイの14アシストをマークするなど、水を得た魚のように躍動している。

グラベットはドラフト漏れから3シーズン目にして待望のNBAデビュー。今季開幕直前にマジックからウェイブされたものの、25歳の司令塔はチャンスを掴み、8試合(うち先発3試合)の出場で平均6.3点、2.6リバウンド、2.5アシストに3ポイント成功率42.3%(平均1.4本成功)を記録するなど嬉しい誤算となった。
リードはナゲッツで平均4.0点、3.2リバウンド、1.3アシスト、1.07スティールを残し、10日間契約から2WAY契約へ昇格。ヒルはホークスでの3試合目に13得点をあげると、13日になって当時対戦相手のブルズと10日間契約を結んだ。

マッキニー、ジョンソン、クリス、モンロー、クラーク、ガイはそれぞれ複数年のNBAキャリアがある実力者たち。マッキニーはブルズで2度の10日間契約の末に本契約、ジョンソンはレイカーズでレブロン・ジェームズらとともに先発の一角を担っている。

クリスは昨季ケガのため2試合の出場に終わったビッグマン。今季は開幕直前にブレイザーズからカットされたものの、マーベリックスでチャンスを掴んで平均6.1点、3.7リバウンドにフィールドゴール成功率59.6%と上々のプレーを見せている。

モンローは3シーズンぶりとなったNBA復帰戦でいきなり11得点、9リバウンド、6アシスト、2スティールでウルブズの勝利に貢献。その後ウィザーズとも10日間契約を結んだ。
クラークは12月上旬にペリカンズと契約を結ぶも1月7日にウェイブされ、その後2WAY契約を締結。平均4.0点、2.6リバウンドに加え、3ポイント成功率52.2%(平均1.2本成功)が光る。

昨季までの2シーズンをキングスでプレーしたガイは、開幕直前にキャブズからカット。だがヒートでチャンスを手にし、平均8.2点、2.3アシスト、フィールドゴール成功率51.4%、3ポイント成功率45.0%(平均1.5本成功)をあげて2度目の10日間契約にこぎつけた。

なお、ここで紹介された選手たちのほかにも、レイカーズとマブズでプレーして平均8.6点を残したアイザイア・トーマス、セルティックスへ約20年ぶりに復帰したジョー・ジョンソンらベテランの奮闘も話題を呼んだ。

思わぬ形でチャンスを得た彼らは今後、激しい競争を勝ち抜き、今季終了までの契約を勝ち取ることができるか。新たなスターの登場と合わせて注目したい。

文●秋山裕之(フリーライター)

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