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永久欠番のノビツキーにカリーやドンチッチ、母国ドイツの選手が賛辞「歴代最高のシューターの1人」「重要なのはその人柄」<DUNKSHOOT>

マブズ一筋21年をプレーしたノビツキー。引退から3年が経ち、球団史上4人目の永久欠番となった。(C)Getty Images
 現地時間1月5日(日本時間6日)、ダラス・マーベリックスはホームのアメリカン・エアラインズ・センターで行なわれたゴールデンステイト・ウォリアーズとの一戦を99−82で制し、記念すべき夜を迎えた。

 試合後、マブズはフランチャイズ史上最高の功労者であるダーク・ノビツキーの背番号41の永久欠番セレモニーを実施。今季からスペシャルアドバイザーとして戻ってきたレジェンドを祝福した。

 ドイツ出身のノビツキーは1998年の入団から2019年までマブズ一筋21シーズンをプレー。公称213cm・111kgの恵まれた体格に加え、アウトサイドからも自在にゴールを射抜く抜群の得点力でチームを牽引した。

 キャリア通算1522試合(うち先発1460試合)に出場し、平均20.7点、7.5リバウンド、2.4アシスト、フィールドゴール成功率47.1%、3ポイント成功率38.0%、フリースロー成功率87.9%を記録。オールスター選出14回、オールNBAチーム選出12回を誇り、通算3万1560得点はNBA歴代6位、外国籍選手として堂々のトップに君臨している。
  2006−07シーズンには平均24.6点、8.9リバウンド、3.4アシストに加えて、超一流シューターの証でもある“50−40−90”(フィールドゴール成功率50%、3ポイント成功率40%、フリースロー成功率90%以上)をクリアしてシーズンMVPを受賞。11年にはマブズを初優勝へ導き、ファイナルMVPを獲得した。

 会場には当時のチームメイトたちはもちろん、オーナーのマーク・キューバンや球団関係者らが駆けつけてノビツキーを祝福。キューバンはノビツキーのシグネチャームーブである片足フェイダウェイジャンパーの銅像をアリーナ前に設置することも明かすなど、自軍が誇るスーパースターに最大級の賛辞を送った。

 デレック・ハーパー(12番)、ブラッド・デイビス(15番)、ローランド・ブラックマン(22番)に次いで球団史上4人目の永久欠番となったノビツキーは、翌日に自身のTwitterを更新。「永遠に記憶に残る格別な夜をありがとう。ここ数日に連絡してくれた皆、ありがとう。皆さんには本当に感謝している」と締めくくった。
  ここからは、ノビツキーの永久欠番入りに際し、現役選手たちが贈った言葉の数々を紹介していきたい。

 まずは、この日の対戦相手で、オールスターゲームでは何度も共演してきたステフィン・カリー。「まさに(バスケットボール界の)アイコンだ。皆がゲームの変革について話すけど、彼はそれを間違いなくやってのけた人なんだ。外国籍選手たちのゲートをこじ開けたし、あのサイズとタッチでアートのようなシュートフォームを作り上げ、これまで誰も見たことがない選手になったんだ」と語る。

 そのカリーと“スプラッシュ・ブラザーズ”を形成するクレイ・トンプソンは、「僕の中であなたは歴代最高のシューターの1人。間違いなくビッグマンとして史上最高のシューターだ。僕らはスプラッシュ・ブラザーズになれたのかもしれない。でもあなたがゲームで成し遂げてきたことはまさにスプラッシュ・ゴッドだ」とコメント。

 ルーキーシーズンにノビツキーと1年だけ共闘した現マブズエースのルカ・ドンチッチは「あなたのことをもの凄くリスペクトしているよ。本当にありがとう。素晴らしい選手であり、最も重要なのはその人柄なんだ」と、前エースの人間性も絶賛していた。
  ドイツ出身の現役NBA選手は、デニス・シュルーダー(ボストン・セルティックス)やダニエル・タイス(ヒューストン・ロケッツ)ら計7人。マブズでプレーするマキシ・クリバーは、19歳当時の思い出をこう語る。

「(2011年のNBAファイナルは)友だちと一緒に夜更かしして観ていたのを今でも覚えてるよ。(ノビツキーの故郷)ヴュルツブルクでパレードと祝賀会があった時、僕らは観衆のちょうど真ん中にいてね。最高に楽しかったんだ」

 昨年のドラフト全体8位でオーランド・マジックから指名されたフランツ・ヴァグナーも、ドイツ出身の大先輩を敬愛する1人だ。

「彼のやってきたことはまさにダークと呼べるもので、凄くユニークなNBA選手だった。彼は謙虚で、自分が手にしたものを決して忘れたりしない男だった。それがドイツ人たちが最も自分と重ね合わせてきたことだと思うね。ドイツでバスケットボールが大好きな皆にとって、それがもの凄く大きなことだった」

 ノビツキーは今回の永久欠番に続き、来年のバスケットボール殿堂入りも間違いないだろう。ドイツ出身の謙虚なスーパースターが残してきたレガシーの数々は、ダラスだけでなく、世界中の人々の中に生きている。

文●秋山裕之(フリーライター)

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