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ヨキッチはいまだに過小評価?マローンHCは「真のバスケファンなら彼の素晴らしさがわかるはず」と主張<DUNKSHOOT>

故障者続出のナゲッツを獅子奮迅の活躍で牽引するヨキッチ。マローンHCも絶大な信頼を寄せている。(C)Getty Images
昨季4月、デンバー・ナゲッツは得点源のジャマール・マレーが左ヒザの前十字靭帯を断裂したことで、無期限の戦線離脱となった。

2020年のプレーオフでウエスタン・カンファレンス・ファイナルまで勝ち上がったこのチームにおいて、マレーはニコラ・ヨキッチと並ぶ最重要選手。そのため、ナゲッツの戦力ダウンは明らかだった。

だが、シーズンMVPに輝いたヨキッチを中心に、ナゲッツはポートランド・トレイルブレイザーズを4勝2敗で下してファーストラウンドを突破。フェニックス・サンズとのカンファレンス・セミファイナルで4連敗を喫するも、現有戦力では十分奮闘したと言えるだろう。

そして迎えた今季。ナゲッツは依然としてマレー不在ながら、ヨキッチは開幕前に『BASKETBALLNEWS.COM』に「ナゲッツがマレー不在でも覇権争いに加わることができるのか」と聞かれ、「もちろん。僕らが正しくプレーさえすれば、もちろんチャンスはある」と切り出し、さらにこう続けていた。

「このチームには十分なタレントが揃っているかって?わからないね。NBAでベストチームか?どうだろうね。でもそのうちわかるさ。今シーズンが僕らのすべてを物語ってくれるよ」
現地時間12月30日(日本時間31日、日付は以下同)のゴールデンステイト・ウォリアーズ戦。ナゲッツはリーグ規定の最低出場可能選手数(8人)を揃えることができず、試合は延期となった。

現在のナゲッツはマレーに加え、主力のマイケル・ポーターJr.が古傷の腰の痛みにより無期限の離脱。さらにはPJ・ドジャーも左ヒザ前十字靭帯断裂、ジェフ・グリーンやジーク・ナジらが新型コロナウイルスの安全衛生プロトコル入りによって離脱しているほか、マイケル・マローンHC(ヘッドコーチ)を含む複数のコーチングスタッフも同プロトコル入りで離脱という厳しい状況にある。

それでも、ナゲッツがここまでウエスト5位の17勝16敗(勝率51.5%)に踏みとどまっていられるのは、大黒柱ヨキッチの働きが大きい。
今季はマーキーフ・モリス(マイアミ・ヒート)への危険な突進で1試合の出場停止処分を受けたほか、右前腕の打撲などもあってここまで5試合を欠場。しかしながら平均25.8点、14.0リバウンド、7.1アシスト、1.4スティールと、いずれもチームトップの成績を残している。

相手ディフェンスのマークが集中していることもあって、平均3.7ターンオーバーは自己ワースト。フリースロー成功率(76.7%)もキャリアで初めて80.0%を下回っているものの、フィールドゴール成功率55.9%は昨季(56.6%)と同等で、今季もMVP級のシーズンを送っていると言っていいだろう。

30日に『The Athletic』へ掲載された記事の中で、マローンHCはセルビア出身の万能型センターが今でも過小評価されていると話している。

「本物のバスケットボールファンなら、ニコラの素晴らしさがわかるはずだ。彼にはチームメイトたち全員をより良い選手にする能力があるし、バスケットボールIQとパサーとしての能力、スキルレベルは見事なものなんだ」
超人的な身体能力こそ備わっていないものの、ヨキッチ(公称211cm・128kg)は広いシュートレンジと巧みさが兼備された得点力、今季リーグ2位の本数を記録するリバウンド力、そしてコート全体を見渡して的確なパスを繰り出すプレーメーキング能力を持つ。

マレー、ポーターJr.という2人の主力を欠いているなかで、ナゲッツがここまでの戦績を残せているのは見事というほかない。

「ここ3シーズンで彼がナゲッツでやっていることは、本当に信じられないものだ。だから皆さんは彼に対して感謝してほしいし、彼は本来受け取るべきリスペクトを手にするべきだと思うね。彼が毎晩、素晴らしいほど一貫した活躍を続けているのは目を見張るべきことだ」

ナゲッツは注目度という点で、他の有力チームたちと比較すると劣っていることは否めないものの、しぶとく戦い抜いて白星を掴んでいる。MVPを擁するナゲッツは、今季も決して侮ってはならないチームと見るべきだろう。

文●秋山裕之(フリーライター)

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