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優勝候補に舞い戻ったウォリアーズが見据える“未来予想図”。指揮官が望むのは「今後15年間、素晴らしいチーム」<DUNKSHOOT>

好調のカリーに率いられ、覇権争いに再び加わったウォリアーズ。彼らが見据える未来とは。(C)Getty Images
今季で創設76年目のゴールデンステイト・ウォリアーズは、過去通算35度のプレーオフ進出、そして6度のチャンピオンシップを獲得してきた。

特にステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンという強固な核が揃ってからの躍進は特筆に値する。2012-13シーズンから18-19シーズンまで7年連続でポストシーズンへ駒を進めて5度のNBAファイナル進出、そのうち15、17、18年と、3度の優勝を飾っている。

直近2シーズンこそプレーオフ出場を逃したものの、今季はここまで26勝6敗(勝率81.3%)でウエスタン・カンファレンス2位。間もなくトンプソンが3シーズンぶりに復帰する予定で、再び覇権争いをリードする態勢が整いつつある。

もっとも、来年3月でカリーが34歳、グリーンは32歳を迎え、トンプソンも2月に32歳となるだけに、この生え抜きトリオを基盤に優勝を狙える時間は決して長くはない。
だがウォリアーズが見据えるのは短期的ではなく、あくまで中長期的な視点に立った強豪チーム作り。現地12月23日に『スポーツ・イラストレイテッド』へ掲載された記事の中で、スティーブ・カー・ヘッドコーチ(HC)はこう話している。

「私は誠意を持ってこう言える。ウォリアーズがこれから15年間にわたって素晴らしいチームであることを望んでいるとね。私がこれから15年間もコーチを務めることはないだろう。でも、今から次代を担うコアが成長を続けていくということだ。(現主力を中心とした)このチームでいられるのはあと2年くらいで、そこからは彼らがチームを背負う存在となり、あと10年間はこのチームを素晴らしいものにしてくれるだろう。そうなったら何も言うことはない。最高だろうね」

今季のウォリアーズには3人のコアメンバーのほか、アンドレ・イグダーラ(37歳)、ネマニャ・ビエリツァ(33歳)といったベテランが控えの重要な役割を担っている。ただ、このチームは決してベテラン軍団ではない。
先発を務めるアンドリュー・ウィギンズ(26歳)、ジョーダン・プール(22歳)、ケボン・ルーニー(25歳)はいずれも20代前半から中盤。そしてヒザのケガから復帰を目指している2年目のジェームズ・ワイズマンはまだ20歳。さらに今年のドラフト7位指名のジョナサン・クミンガ、14位指名のモーゼス・ムーディーはともに19歳と、将来のコアメンバーとして期待される逸材たちが揃っている。

カリーは今季平均27.7点とまだまだ超一線級で、グリーンやイグダーラといったベテラン陣も急激に衰えるようなことはないだろう。だが新陳代謝が激しいNBA。これから3~5年後にはウィギンズやプールといった選手たちがウォリアーズを引っ張っているはずだ。そしてその中にはワイズマンやクミンガ、ムーディーら現在の若手も主軸となっている可能性が十分ある。
「あの3人は皆、すごいタレントさ。彼らは揃って万能なんだ」と話すカリーは、ムーディーのシュート力とディフェンスを称賛。クミンガについても「超絶なアスリート」で「ゲームに対するいい感覚を持っている」、ワイズマンに関しては「コートで何でもこなしてしまう完璧な男」と絶賛している。

もちろん、これはあくまでウォリアーズ側から見た最高のシナリオだ。これから先、チーム事情による若手のトレードなど、プランの修正を余儀なくされる可能性は少なからずある。

それでも、プレーオフを逃がしたこの2シーズンで若手を育成し、再び常勝チームとなるべく必要なピースを集めて見事に噛み合わせたウォリアーズのフロント、コーチ陣の手腕は見事というほかない。

今季の最終着地点とともに、彼らが見据える未来予想図の行方からも目が離せない。

文●秋山裕之(フリーライター)

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