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「彼が諦めなくて嬉しい」トーマスのNBA復帰をレブロン、スマートが祝福「あの男は戦士だから」<DUNKSHOOT>

トーマスの復帰を戦友たちが祝福。はたして再びリーグに定着できるか。(C)Getty Images
「この24時間はいろんなことがありすぎて圧倒されてきたよ。でもこれは僕がずっと望んでいたことで、それを目指してやってきた。ラッキーなことに、僕はその機会を手にしたんだ。レイカーズでまたプレーできるなんて最高さ。何よりも、この機会を与えてくれたことに感謝している」

今季の開幕をFA(フリーエージェント)状態で迎えたアイザイア・トーマスは、現地時間12月17日(日本時間18日、日付は以下同)にロサンゼルス・レイカーズと10日間契約を結んでNBAに復帰。同日のミネソタ・ティンバーウルブズ戦に早速出場し、ベンチスタートながらチームトップの19得点を叩き出した32歳は、試合後にそう語り喜びを口にしていた。

トーマスがNBAでプレーするのは、昨季の4月に10日間契約でニューオリンズ・ペリカンズへ加入して以来、約半年ぶりのこと。ただ、フランク・ヴォーゲルHC(ヘッドコーチ)は「彼はスコアラーとして活躍できることを証明してきた。素晴らしいオフェンシブプレーヤーだ」と評価しており、クリーブランド・キャバリアーズで短期間チームメイトだったレブロン・ジェームズも「健康体のIT(トーマスの愛称)をリーグで見ることができて嬉しいね。当然、彼を加えたのはいいことさ」と期待を寄せている。
「僕はこういった瞬間のために準備してきた。NBAで10年間もプレーしてきたから、あとはチームメイトたちのことを知るだけ。僕としては、(試合に)負けたけど(復帰できて)最高の瞬間になった。ここ数年でいろいろとあったけど、レイカーのユニフォームを着てコートに出れたことは最高だった」

試合後にそう語ったトーマス。レイカーズはアンソニー・デイビスが左ヒザを痛めて最低4週間離脱する上、新型コロナウイルスの安全衛生プロトコル入りで複数の選手たちが欠場しており、トーマスにとっては再びNBAで活躍するチャンスでもある。

キャブズ時代、トーマスはレブロンとも共闘したのだが、当時はケガを抱えていたこともあり、不完全燃焼のまま決別。だが今回は「今の自分は健康体なんだ。彼に(自分の力を)提供できる。そう、彼を助けることだってできるんだ」と自信を見せていた。
19日のシカゴ・ブルズ戦。レイカーズはトーマスをレブロン、ラッセル・ウエストブルック、ウェイン・エリントン、ディアンドレ・ジョーダンとともに先発で起用した。

試合はレブロンが31得点、14リバウンド、6アシスト、2ブロック、カーメロ・アンソニーが21得点、5リバウンド、2スティール、2ブロック、ウエストブルックが20得点、9リバウンド、8アシスト、2ブロックをマークしたほか、トーマスも約32分出場して13得点と、この試合でも2桁得点を奪取。しかしデマー・デローザンに38得点の爆発を許してしまい、110−115で敗戦を喫した。

トーマス加入後、チームはまだ勝てていないものの、この男の得点力が今でもリーグで通用することは明白。ボストン・セルティックス時代にエースとして活躍したトーマスの復帰に、当時の戦友マーカス・スマートも目を細めていた。
「彼が諦めなかったことが嬉しい。彼は今でも戦っていて、皆が間違っているんだと証明し続けている。それがここ(ボストン)なら良かったけど、誰かがこうしたことをやってのけるのを見るのはいいこと。俺は彼がまた新たな機会を手にしたことが嬉しいんだ。あの男はファイターであり、戦士だから」

トーマスがレイカーズと2度目の10日間契約、あるいは今季終了までの契約を結ぶことができるかは不透明。それだけ10日間契約から本契約を手にするのは難しいからだ。

それでも、約半年ぶりにNBAの試合へ出場し、2試合連続の2桁得点は決して容易なことではない。トーマスがレイカーズとの10日間契約を機に、NBAで新たなキャリアを構築することができるか、今後の動向に注目していきたい。

文●秋山裕之(フリーライター)

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