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「私とカリーを比較するのは違う」名手アレンが“シューター論”を語る「クレイ、レジーに近いね」<DUNKSHOOT>

アレン(右)は自身について、カリー(左)よりも「クレイやレジーと比較する」と語った。(C)Getty Images
現地時間12月11日(日本時間12日、日付は以下同)、ゴールデンステイト・ウォリアーズはフィラデルフィア・セブンティシクサーズに93−102で敗れ、今季5敗目(21勝)を喫した。

ステフィン・カリーは3ポイント3/14(成功率21.4%)の計18得点に終わり、レギュラーシーズン通算成功数は2967本に。レイ・アレン(元シアトル・スーパーソニックスほか/2973本)が保持する歴代最多記録を塗り替えるのは、次戦以降のお預けとなった。

といっても、両選手の差はわずか6本。カリーは今季平均13.4本を放って5.4本(成功率40.4%)を決めていることから、13日のインディアナ・ペイサーズ戦、あるいは14日のニューヨーク・ニックス戦でアレンを超えることは容易に想像できる。

そんななか、11日にアレンがYouTubeへ公開された『The Dan Patrick Show』へゲスト出演。キャリア平均5.7本もの長距離砲を放ち、2.3本を沈めてきたアレンは、自身のプレースタイルをカリーではなく、そのチームメイトであるクレイ・トンプソンに近いと話していた。
「クレイはボールを持たずに動き回る。そこでディフェンスを動かせるんだ。彼がオープンになると、皆もオープンになる。私のプレーと似ているね。その点、ステフは独自のスタイルがあるから、彼との比較は違うと思う」

アレンはミルウォーキー・バックスとソニックス時代にエーススコアラーを務めつつ、3ポイントも高確率を誇ってきたのだが、ボストン・セルティックス、マイアミ・ヒートではシューター化が加速。オフボールで動き回ってキャッチ&シュート、あるいはそこからフェイクで跳ばせてからのショットやドライブなど、そのプレースタイルはカリーよりもトンプソンに近いというのも頷ける。

現役ではカリーとデイミアン・リラード(ポートランド・トレイルブレイザーズ)が3ポイントの使い手の筆頭であり、リーグ屈指のスコアラーとして知られているのだが、アレンは両選手についてこう話す。

「彼(カリー)とデイミアン・リラードは、深い位置からショットを決める能力を持ちつつ、ボールハンドリングができて、ペイントまで持ち込むこともできる。それにステフはリラードよりもペイントへ入っていけるんだ」
アレンとしては、カリーはシューターという域を超越したスーパースコアラーになっていると認識しているのだろう。そこでアレンはトンプソン、そして歴代3位の2560本を沈めてきたレジー・ミラー(元ペイサーズ)を自身と比較していた。

「私は自分とクレイ、レジーを比較するね。私たちはボールを持たずに動いているからだ。ウィークサイドにたくさんいたようなものだからね。ただ、ディフェンス陣を動かし、ピンダウンやスクリーンから抜け出してボールにもほとんど触れずにトランジションからシュートするのは、本当に才能だと思う」

トンプソンはボールをほぼ持たずにキャッチ&シュート、あるいはフェイクでマッチアップ相手を跳ばせてからサイドステップで3ポイントを決め切るなど、正確無比なシュート力を持つ。そして、ミラーもまたオフボールからスクリーンを何度もかいくぐりつつ、コート上を動き回ってクイックリリースでリングを射抜くシューターだった。
2018年の来日時、アレンはミラーについてこんなことを話していた。

「レジーはガードするのがタフだったね。マイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)は『もう無理だ!』って感じだったけど、レジーはとにかくタフだった。試合中、彼についていくのが大変だったんだ。僕が『ここなら大丈夫だろう』と思っていたら、彼に出し抜かれてやられてしまう。そういった思い出がレジーにはあるね」

アレン、トンプソン、ミラー、そしてカリー。いずれもNBAの歴史において、3ポイントを語る上で欠かせない名選手なのは間違いない。そうしたなかで、カリーが歴代トップへ躍り出た時、アレンがどんな言葉をかけるのか。近日訪れるであろう歴史的な瞬間を楽しみに待ちたいところだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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