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“バスケジャンキー”のデュラントはプレー時間のさらなる増加を希望?「人生はそう長くはないんだ」<DUNKSHOOT>

今季は直近7シーズンで最もプレータイムが長いデュラント。しかし本人は涼しい顔だ。(C)Getty Images
2019年に負ったアキレス腱断裂という大ケガから、昨季見事な復活を遂げたケビン・デュラント(ブルックリン・ネッツ)。今夏に行なわれた東京オリンピックでは大会MVPを手にし、米メディアの『ESPN』と『Sports Illustrated』では、NBAのベストプレーヤーに選出された。

そんな称号を手にして迎えた今季も、ここまで申し分ない活躍を披露している。カイリー・アービングが新型コロナウイルスのワクチン未接種によってチームを離脱するなか、デュラントとジェームズ・ハーデンというリーグ最高級の実力者を中心とした布陣で戦っているネッツ。22試合を終えた時点での成績は16勝6敗(勝率72.7%)、イースタン・カンファレンス首位につけている。

デュラントはうち21試合に出場し、リーグトップの平均28.6点に7.6リバウンド、5.6アシスト、フィールドゴール成功率53.7%、3ポイント成功率38.5%(平均1.8本成功)、フリースロー成功率86.8%と素晴らしい個人スタッツを記録。一方で気になるのは、33歳と今やベテランとなったなかで、平均出場時間は35.9分でリーグ6位と、プレータイムがここ7シーズンで最も長い点だ。

この現状について、デュラントは、こう論じている。
「俺のバスケットボール人生はそう長くはない。だから最大限に楽しみたいんだ。残りのシーズン、俺はいくつか40分以上プレーすることも狙っていくよ。なぜって、コートに出ているのが好きだからに決まってるじゃないか」

NBA選手は1シーズンで半年以上もの長期間をプレーするのだが、デュラントは夏にオリンピックにも出場していたこともあり、コーチ陣も酷使してケガを引き起こしてしまう事態は何としてでも回避したいはず。もっとも、12月4日(日本時間5日、日付は以下同)のシカゴ・ブルズ戦を前に、スティーブ・ナッシュHC(ヘッドコーチ)は33歳のエーススコアラーについて、こう話している。

「彼はゲームを愛しているから、毎日(練習に)やって来て、自身のルーティンワークにもの凄くフォーカスしている。彼はバスケットコートにいる時こそ、最大の幸福を見出しているのさ。コートで残してきた成功が、メンタル面でも本当に生かされているよ」
続けてナッシュは「ゲームが与える楽しみがあるからこそ、毎日自身の身体を犠牲にさせるんだ」と、デュラントが“バスケットボールジャンキー”であることを明かしていた。

1位のネッツと2位ブルズ(15勝8敗/勝率65.2%)のイースト頂上決戦は、111−107でブルズが勝利。両者のゲーム差は0.5に縮まった。
とはいえ、デュラントはこの試合でも38分8秒コートに立ち、28得点に10リバウンド、4アシスト、2ブロックと攻守両面にわたって活躍。試合球がスポルディング製からウィルソン製へ変わってもデュラントが問題なく適応できているのは、日々のルーティンを欠かさずこなし、シュートにプライドを持っているからなのだろう。

今季のデュラントはルーキーや相手選手への称賛も積極的に行なっているのだが、それは「実際のコート上でこの俺を倒してみろ」と言わんばかりの絶対的な自信を内に秘めているからではないだろうか。

文●秋山裕之(フリーライター)

【PHOTO】”天才スコアラー”ケビン・デュラントの厳選ショット!

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