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「今は彼にとってプレシーズンのようなもの」調整中の八村塁に指揮官が言及「シュートの状態はものすごくいい」<DUNKSHOOT>

昨季のプレーオフを最後にNBAの舞台から離れている八村。現在、復帰に向けて調整を続けている。(C)Getty Images
現地時間12月2日(日本時間3日、日付は以下同)、前日のミネソタ・ティンバーウルブズ戦で115−107の勝利を飾ったワシントン・ウィザーズは、本拠地ワシントンDCでチーム練習を行なった。

この試合で今季初めてベンチから戦いを見守った八村塁もチーム練習に参加し、時折白い歯を覗かせながらチームメイトたちとの時間を過ごしていた。

個別のワークアウトを開始してから1か月半が経過した八村について、ウェス・アンセルドJr.ヘッドコーチ(HC)はメディアの前で現状を語っている。

「これから先はできる限り、ウィザーズで調整を続けてもらう。場合によっては練習回数を重ねるため、コンディションを整えるために再びGリーグ(傘下のキャピタルシティ・ゴーゴー)で練習することもあるかもしれない。(ウィザーズは今)練習日が少ないから、実戦形式を行なう機会が限られているんだ。我々との練習では、プレーブックのおさらいやシュート練習、ウォークスルーなどのメンタル面こそ取り組めるが、フィジカル面を鍛える機会は限られている。それでも、今後はできるだけウィザーズで練習を続けて欲しいと思っている」
ウィザーズは今季22試合を終えてイースタン・カンファレンス3位の14勝8敗(勝率63.6%)。首位のブルックリン・ネッツ(15勝6敗/勝率71.4%)とは1.5ゲーム差という好位置にいる。

幸い、八村とトーマス・ブライアントを除く主要メンバーはアーロン・ホリデーとデニ・アブディヤが体調不良なだけで、比較的健康体を保つことができている。ただ、指揮官は八村に対して慎重な姿勢を崩すことはない。

「離脱していた期間が長かったから、今は彼にとってプレシーズンのようなものだ。だから、今すぐ試合に出したとしてもフィジカル面がついていけるか。まだ早すぎると思うから、なんとか練習する時間を作って、コーチとの1対1を経てから2対2、3対3とメニューを増やしていきたい。だがそれにも時間がかかるだろう。復帰を急かしてケガをさせるようなことだけは絶対に避けたい」

具体的には、今季から新たに取り入れているチームの戦術や決まり事を学んでいくという。

「これから戦術的な部分も広げていきたい。まずはベース、ディフェンスの用語の習得、そしてオフェンスで覚えてほしいプレーも少しずつ増やしていく。プレーブックを今すぐ全部覚えるのはいくらなんでも難しすぎるので、戦術面も時間をかけていきたい。そうすることで、調整の最終段階を迎える頃にはプレーブックも身についているだろう」
八村は今年6月にプレーオフでNBAキャリア2年目を終えると、7月からは日本代表として東京オリンピックに出場。チームは3戦全敗を喫するも、大会4位の平均22.3点をマークするなどフル稼働していた。そんな日本のホープを、指揮官は温かい目で見守っている。

「練習で見ている限り、シュートの状態はものすごくいい。8月のオリンピックは私も試合を観たけど、自信を持ってプレーしていた。(復帰後に)その状態が継続されることを願っている。今まで以上にアウトサイドから、そしてドリブルからのシュートも心地よく打てるようになるといいね。さらに進化したプレーを見るのが楽しみだ」

ウィザーズは今後、3日にホームでクリーブランド・キャバリアーズ戦をこなすと、5日(対トロント・ラプターズ)、6日(対インディアナ・ペイサーズ)、8日(対デトロイト・ピストンズ)にアウェー3連戦が組まれている。八村を遠征へ帯同させるかどうかは「検討中」とアンセルドJr.HCは話しており、現時点でラプターズの渡邊雄太との日本人対決が実現する可能性は低そうだ。

今季のウィザーズはここまで5パターンの先発陣を組んでおり、最も多い15試合でスペンサー・ディンウィディー、ブラッドリー・ビール、ケンテイビアス・コールドウェル・ポープ、カイル・クーズマ、ダニエル・ギャフォードという布陣で臨んでいる。
特にクーズマはウルブズ戦では5得点に終わるも、6リバウンド、5アシスト、3ブロックとマルチな働きを見せ、211cm・112kgのカール・アンソニー・タウンズともマッチアップ。翌2日の練習に参加した際には「毎日、一生懸命にやっているウェイトトレーニングがものすごく役立っている。俺はリーグトップのディフェンダーの1人だと思っている」と自信を語っている。

「相手の1番(ポイントガード)から5番(センター)まで守れる。試合によっては、スイッチして相手の1番と2番(シューティングガード)をメインで守ることだってあるし、昨日は相手の5番とやり合った。自分はそれだけ、ディフェンスで万能なんだと思っているし、プライドも持っている」

現在の先発ラインナップは攻守ともにバランスが良いことから、チームは今後も離脱者などがいない限りはこの布陣で臨むことになるだろう。そうした状況のなかで、コンディションを整えた八村がどんな役割を担うことになるのか。今後の進展を楽しみに待ちたいところだ。

構成●ダンクシュート編集部

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