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「本当にタフだった」新型コロナから回復したケビン・ラブが隔離中に“一番辛かったこと”を明かす<DUNKSHOOT>

33歳のラブはキャブズに入って8年目。唯一の優勝経験者としてチームを支えている。(C)Getty Images
ケビン・ラブはキャリア14年目の今季、クリーブランド・キャバリアーズ最古参の選手として開幕からまずまずのプレーを見せていた。

ジャレット・アレン、エバン・モーブリーという若きツインタワーをベンチから支え、豊富な経験と熟練のスキルでチームの好スタートに貢献。

ところが、11月に入って新型コロナウイルスの安全衛生プロトコル入りのため戦線離脱。8試合の欠場を余儀なくされた。

2週間以上の期間を経て現地時間11月17日(日本時間18日、日付は以下同)のブルックリン・ネッツ戦で復帰した33歳は、21分の出場で11得点、9リバウンドをマーク。チームは99−109で敗れたものの、まずは無事に復帰初戦を終えた。

試合後、ラブは「(コロナの)症状を経験したよ」と切り出し、隔離期間中の苦悩を語った。
「最初の4、5日間は本当にタフだった。(感染した)人々が体験したであろう症状が襲ってきたんだ。おかしなほどの筋の痛み、敏感肌、匂いも味も感じられず、筋肉のけいれんや疲労感もあった。そして、それらが胸や頭に重くのしかかってきたんだ」

ワクチン接種が浸透しているとはいえ、NBAでは今も新型コロナに感染する選手が後を絶たない。開幕前にはデビン・ブッカー(フェニックス・サンズ)やジェイレン・ブラウン(ボストン・セルティックス)といった選手たちに陽性反応が出ており、最近ではジョエル・エンビード(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)も陽性反応が出たことで戦線離脱中だ。

ラブはコロナの症状から回復後にコンディションを整えて復帰を飾ったのだが、この2週間に味わったことをこう振り返っている。

「皆には絶対にこの症状を味わってほしくない。5、6日が過ぎて、僕はようやく解放された。そこでワークアウトを再開して、自分の体力を取り戻し始めたんだ」
キャブズはラブの離脱中も奮闘を見せ、11月に入って4連勝をマーク。5日のトロント・ラプターズ戦、7日のニューヨーク・ニックス戦はいずれも敵地で勝利を収め、7勝4敗でイースト上位につけていた(その後、エースのコリン・セクストンが左ヒザ半月板断裂のため戦線離脱し現在9勝8敗)。

その期間、チームに帯同できなかったラブは「一番辛かったのは、試合後のロッカールームにいられなかったこと」だという。
「トロントやニューヨークでの試合の後、皆が僕にテキストを送ってきたんだ。『調子はどうですか?』とね。僕は『まぁ、最悪だね』って感じで返していた。このチームが成長し、互いに祝福しているのが見て取れて最高だった。チームメイトたちが互いに水をかけあっていたよ。だからこそ、僕はあの場にいたかった。プレーできていなかったとしてもね。あの時ロッカールームにいたら、楽しかったに決まってる。その後、僕は試合後の様子をビデオで観たんだけど、最高だったね。それをあの場でシェアできなかったことが辛かった」

キャブズは18日のゴールデンステイト・ウォリアーズ戦で逆転負けを喫し、復帰後の初勝利はまたもお預けとなったが、ラブは4本の3ポイントを含む17得点、7リバウンドの活躍。この先チームが勝利を手にすれば、ラブにとってきっと楽しいロッカールームの時間が待っているに違いない。

文●秋山裕之(フリーライター)

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