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大谷翔平

【WBC】大谷翔平対トラウトの“トラウタニ”対決も注目 侍ジャパンを待ち受ける「アメリカの壁」と世界一奪還への道筋

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

野球世界一を決めるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が3月8日に開幕する。5回目の出場となる日本代表・侍ジャパンは、2006年の第1回大会、2009年の第2回大会で連覇したものの、2013年の第3回大会、2017年の第4回大会ではベスト4で敗退と「4強の壁」に阻まれてきた。大谷翔平、ダルビッシュ有、ラーズ・ヌートバーら現役メジャーリーガーを招集し、3大会ぶりの覇権奪還を狙う上でカギとなるのがベスト4突破。今回は侍ジャパンのシチュエーションを想定しつつ、世界一を掴むための道筋について言及していきたい。(文・井本佳孝)

第2先発として期待の左腕今永

侍ジャパンはプールBで中国、韓国、チェコ共和国、オーストラリアと対戦していく。大谷、村上宗隆、吉田正尚ら日米の好打者を揃え、スピードにも優れる攻撃面、先発、第2先発、中継ぎ、抑えと充実の戦力を要する投手面ともに、この組では並ぶチームはいない。東京ドームでのホームの声援に後押しされることも考えると、日本の優位性は揺るぎないものであり、プールBを首位通過することが求められてくる。

勝ち進む上で、カギを握るのが先発ローテーション。投打二刀流として活躍が期待される大谷、宮崎キャンプから帯同し、投手陣のリーダーとしてチームをまとめてきたダルビッシュ有のMLB組に、2年連続四冠の山本由伸、165キロを記録した佐々木朗希の右腕4人が主な候補となる。壮行試合で好投した今永昇太も貴重な左腕として計算が立つ実力者であるが、1次ラウンドに65球、2次ラウンドに80球という球数制限があることを考慮し、今永は第2先発の一番手として試合を組み立てる役割が期待される。

4人の先発ローテの中でも昨季MLBでそれぞれ15勝、16勝を挙げた大谷とダルビッシュの2枚看板が軸になるのは間違いない。予選4試合+準々決勝、準決勝、決勝と優勝に向けては7人の先発が求められており、大谷、ダルビッシュがそれぞれ2度登板し、山本、佐々木、今永といった選手を彼らが投げる試合以外で先発させていく。栗山英樹監督や吉井理人投手コーチがどのように先発投手陣をマネージメントしていくかはこのトーナメントを勝ち進んでいくためには必須条件となる。

大谷ルールを適用し先発に指名

マイク・トラウト(エンゼルス)
写真:マイク・トラウト(エンゼルス) 提供:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

侍ジャパンにとって最大の関門が、冒頭で述べたベスト4 での戦いである。大会前の優勝オッズでは、僅差であるもののドミニカ共和国、アメリカ、日本の順となっており、現役MLB組が多数参加するこの2カ国が日本の前に立ちふさがることが濃厚。この3カ国がそれぞれのプールを順調に1位通過し、各プールの2位も倒して勝ち進んだ場合、日本時間3月21日に行われる準決勝では日本とアメリカの対戦が実現することなる。

ここで焦点となるのが大谷、ダルビッシュという2枚看板のどちらに先発を託すかという点。どちらもMLBのトップクラスであり甲乙つけがたい2人ではあるが、ここは大谷が二刀流で投打先発を果たすと予想する。MLBで昨年取り入れられたように、WBCでも投手として先発した大谷は降板後もDHとして出場が可能なため、2021年に46本塁打、2022年に34本塁打を放った大谷の攻撃力と2022年に規定投球回に達し15勝を挙げた投手力の双方を活かすことができる。まさに投打フル回転で活躍が期待できる。

また、この大会で最大の注目が大谷翔平対マイク・トラウトの“トラウタニ対決”である。ロサンゼルス・エンゼルスのチームメイトとして5シーズンを戦ってきた盟友だが、打者としてともにラインナップに入ることはあっても対戦経験はなかった。今回のアメリカ代表はトラウトが主将を務めることが発端となり、各メジャーリーガーへ参加を呼びかけ、MVP受賞者やタイトルホルダーを揃える“ドリームチーム”が誕生したという経緯がある。侍ジャパンも世界一へ向けてチームがまとまりを見せる中、トラウトが対戦を熱望する大谷との対決は見逃せないものとなるはずだ。

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