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【WBC】優勝オッズ1位の大本命・ドミニカ共和国を解説 大谷ライバルのホームラン王にサイ・ヤング賞右腕を揃えたタレント軍団

写真:ブラディミール・ゲレーロ・ジュニア(AP/アフロ)

野球の世界一を決める2023ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が3月8日に開幕する。2017年大会以来の開催で5回目を迎えるWBCを前にして、日本チームは宮崎でキャンプを行うなど、開幕に向けて盛り上がりの様相を見せている。世界一を狙う侍ジャパンにとって、アメリカ代表とともに優勝争いのライバルとなり得るのが、5大会連続出場を果たすドミニカ共和国である。(文・井本佳孝)

難敵揃うプールDの戦い

ドミニカ共和国は世界野球ソフトボール連盟(WBSC)のランキングは9位。2013年に行われた第3回のWBCでは8戦全勝と圧倒的な強さを見せつけて完全優勝を成し遂げた。米スポーツベッティング会社の「FOX Bet Live」による今大会の優勝オッズでは、日本(3.5倍)、前回大会覇者のアメリカ(2.5倍)を上回る2.0倍で堂々の1位と高い評価を受ける。前評判では日本、アメリカ、ドミニカ共和国が絡む“三つ巴”の構図となっている。

そんなドミニカ共和国だがプールDに組み分けされ、プエルトリコ、ベネズエラ、イスラエル、ニカラグアと対戦する。プールBの日本、プールCのアメリカに比べると難敵が揃う組であり、プエルトリコやベネズエラにはメジャーリーガーや日本のNPB在籍の好選手が多くメンバー入りしている。過去大会では第2回大会で1次リーグ、前回大会では2次リーグでそれぞれ敗れており油断は大敵。まずはしっかりとこの組を突破することが求められる。

そしてドミニカ共和国にとって避けたいのが準々決勝でのアメリカとの対戦である。準々決勝ラウンドではプールCの1位とプールDの2位、プールCの2位とプールDの1がそれぞれ顔を合わせる。メキシコ、コロンビア、カナダ、イギリスと戦うプールCのアメリカは、メンバーの質量を考えて首位通過の筆頭候補であるが、 どちらかが2位通過となれば、ドミニカ共和国とアメリカが対戦する可能性がある。優勝を狙う双方にとってこのシチュエーションは避けたいはずで、首位通過を果たすことが至上命令となる。

MLBオールスターとも呼べる充実の布陣

大谷翔平,野球
写真:大谷翔平(Photo by Diamond Images / Getty Images)

ドミニカ共和国の打線を引っ張るのがトロント・ブルージェイズのブラディミール・ゲレーロ・ジュニア。23歳の若きスラッガーは2021年シーズンに覚醒すると、ロサンゼルス・エンゼルスで本塁打を量産していた大谷翔平と本塁打王争いを展開。大谷の46本塁打を上回る48本塁打を放ち、カンザスシティ・ロイヤルズのサルバドール・ペレスとタイトルを分け合った。WBCは初出場であるが、今大会きっての強打者として注目を集める存在であるのは間違いない。

また、投手で注目はマイアミ・マーリンズのサンディ・アルカンタラ。2022年シーズン14勝9敗、防御率2.28、207奪三振の成績を残し、ナ・リーグのサイ・ヤング賞に輝いた。リーグ最多の228回3分の2を記録したスタミナに、最速160キロを超える速球に高速シンカーをあわせ持つ。メジャーリーグ屈指の右腕として各国に立ちはだかるアルカンタラの存在は日本にとっても脅威であり、NPBの選手たちが初見で豪速球や動く変化球に対応できるかは対戦時にカギを握ってくるだろう。 

ほかにもダルビッシュ有の同僚であるサンディエゴ・パドレスのマニー・マチャドは、走攻守を兼ね備えた総合力の高い内野手で、MLBオールスターに6度選出。同じくパドレスに所属するフアン・ソトは2020年に新型コロナウイルスによる短縮シーズンながら打率.351で首位打者に輝き、シルバースラッガー賞には3度選出されている。ほぼMLB組で構成された面々は“史上最強”との呼び声高いアメリカにも匹敵するメジャーリーガーによるオールスターチームである。日本、アメリカを抑えての優勝オッズ1位の高評価も頷けるタレント力を備えている。

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