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【センバツ7日目投打のMVP】1回戦に続く快投の近江・山田陽翔を文句なしの選出! チームメイトの清谷大輔も大きく評価

19年ぶりの8強入りを決めた近江。そのなかでもエース山田の存在感は際立っている。写真:滝川敏之
3月19日に開幕した選抜高校野球。プロのスカウトも注目する選手も多いなかでも見事な活躍を見せた投手、野手を毎日その日のMVPとして選出する。大会第7日目は以下の選手となった。

■投手MVP
山田陽翔(近江3年):9回、被安打5、2失点(自責点2)、2奪三振、3四死球

1回戦の延長13回に続く完投でチームを勝利に導き、文句なしの選出となった。1回にいきなり2つの四球と暴投などで1点を先制される不安定な立ち上がりだったが、中盤以降は見事に立て直し、わずか86球で完投。前戦の疲れもあってかストレートは少し走っていないように見えたが、それでも試合を作れるのはさすがだ。

とくに光ったのが同じ球種を続ける組み立てで、相手打者や場面によってはストレートだけ、フォークだけという配球も見せ、最後まで相手打線に的を絞らせなかった。昨年秋は故障で登板を回避しているだけに無理は禁物だが、次戦以降もどんなピッチングの引き出しを見せてくれるかに注目だ。
■野手MVP
清谷大輔(近江2年・9番・右翼手):4打席4打数3安打3打点

9番打者としての出場ながら、攻守にわたる活躍で勝利に大きく貢献。迷わずに選出した。まず大きかったのがライトの守備だ。1点を先制された1回、なおもツーアウト一・二塁の場面でライト前ヒットを素早い動きで中継に返球し、二塁走者をホームで封殺。山田が立ち上がりかなり不安定だっただけに、ここで追加点を奪われていたら一気に大量失点も考えられただろう。

バットでも第1打席で左中間に逆転の2点タイムリーツーベースを放つと、第3打席でもライト前へタイムリー、第4打席でも貴重な追加点の起点となる内野安打を放ち、3安打をマーク。166センチと小柄だが、シャープな振り出しと全力疾走を怠らない走塁の姿勢は目立つ。次戦も相手バッテリーにとっては嫌な存在となるのは間違いない。

文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。

【動画】“脅威の9番”が勝利に貢献! 清谷のタイムリースリーベースをチェック

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