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中日・立浪新監督、春季キャンプ打ち上げの手応えは?期待の若手たちにも言及

立浪監督は積極的に若手を起用していく方針のようだ。写真:岩国誠
2月25日、立浪新監督就任1年目の中日・北谷キャンプもいよいよ最終日。天気に恵まれない日も多かったが、この日は久しぶりに強い日差しが、グラウンドの選手たちを照らした。

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メイン球場では、各選手がウォーミングアップを行う中、サブグラウンドでは京田陽太、石川昂弥、高橋周平、阿部寿樹が早出特守。荒木雅博コーチともに、立浪監督自らもノックバットを握り、選手たちに声をかけながら、1本1本ノックを打ち込んでいた。

「(打球に)正面から入ろうぜ!」
「もたもたしてるぞ、足が」
「頭突っ込んでますよ!」
「踏み込めよ!バッティングと一緒!」
「頑張れ!昂弥!」
特に多かったのが、石川昂への声かけ。厳しさと優しさが交じる指揮官の声色から、期待の高さを感じさせられた。その思いは、石川自身にも十分伝わっている。

「厳しいんですけど、選手を気にかけてくれている。ちゃんと見てもらっているなというのは感じます。キャンプの1か月、朝から晩まで、たくさん(練習を)やらせてもらいましたし、そういう環境を作ってくださった。期待はすごく感じているんですが、プレッシャーにはなっていないので、自信を持ってやりたいなと思います」

今後のオープン戦で、指揮官は三塁起用を明言。ここ最近のシートノックやこの特守でも、三塁を守るのは、石川昂ただひとりだ。

「出られるならば、どこでもいいと思っていましたが、サードでということなので、しっかり集中してやっていきたいです。やってやるぞという気持ちで、自信を持ってやるしかない。求められているものはホームランだったり、長打だと思うので、そこは狙っていきたいと思います」

一方、今まで三塁のレギュラーだった高橋周は、二塁へと回った。ポジションを譲った形だが、朝の特守で積極的に声を出しながら、今までとは違う動きを体に染み込ませようと、精力的にノックを受けていた。このコンバートが好結果につながるかどうかは、これからの石川昂の活躍にかかってくる。

その石川をはじめ、全体練習が終わっても、選手たちが思い思いの課題を向き合う姿が、キャンプ最終日のこの日も多く見受けられた。
室内練習場では、そのひとり。ドラフト2位ルーキー・鵜飼航丞が、英智野手育成コーチ指導の元、守備の個別メニューに取り組んでいた。指揮官も一目を置くスイングスピードの速さを武器に、打撃での高い評価を得ている鵜飼だが、DHのないセ・リーグでレギュラーを掴むためには、最低限の守備技術は必要となる。

この日は、捕球からスローイングに移行する際の腕の使い方や、足の運び、捕球の意識など、1時間以上をかけて、マンツーマン指導を受け、体に染み込ませていた。

「守備とバッティング、どちらもたくさん教えていただいて、両方で手応えはありました。いいところも課題も見つかったので、よかったなと思っています」

立浪監督も直に打撃指導を行なうなど、周囲の期待を受けながら、ルーキー野手として、唯一の1軍キャンプ完走を果たした。

「最初は乗り越えられるか心配だったんですが、こうして乗り越えられたことで、自信になりました。打撃、守備だけでなく、体力面も走塁もレベルアップできたとは思っているんですが、まだまだ足りないところはいっぱいあるので、これからも頑張っていこうと思っています」

ともにキャンプ1軍スタートだったブライト健太は、大島と入れ替わる形で読谷へ。その時、プロの厳しさを実感したという。

「やはりサバイバルだなと痛感しました。(一緒に読谷行きとなった)三好さんもホームランを打っていて、あれだけいいプレーをしているのに2軍となって、荷物を運び出すのを見て、プロの厳しさを感じました」
キャンプは完走したが、本当の戦いはここから。起用が有力視されている左翼には、鵜飼のほかにも多くの選手が候補に上がる激戦区。レギュラーをつかむためには、ここからの実戦で結果が必要となってくる。

「期待してもらっているからには、使ってもらえるようにしたいと思います。ここまでの打席とかはプラスに捉えて、いいところも課題も出ましたが、それをしっかり活かして、オープン戦に挑みたいと思います」

キャンプ最終日とされていたが、この日は他のキャンプのような手締めは行なわれず、各選手とも納得いくまで練習し、宿舎へと戻って行った。初キャンプを終えた立浪監督は、初めての春季キャンプにどの程度の手応えを感じているのか。

「多少、怪我人も出ましたし、雨も多くて実戦がちょっとできなかったところもありますが、順調に来れたと思います。あまり課題と言わないでほしいんですが、打線は去年よりいいと思います。秋から個々のレベルアップをとやってきましたが、レギュラークラスも随分良くなっている選手もいるので、そういう中では期待しています」

さらに、自らを含め、熱血指導をしてきた若手たちにも言及した。

「岡林であったり、根尾であったり、石川であったり、新しく入った鵜飼であったり、非常に楽しみな選手はたくさんいますので、これから実戦でどんどん使って行こうかなと思います。ただ、今は積極的に試合に出ているわけですから、自分がレギュラーをとるんだっていう、気持ちをもう少し出してほしい。もちろんやってはいるんでしょうけど、もっとガムシャラにね。もちろん、技術が一番大事なんですが、そう言った気持ちの部分も大事だなって、そういう話もしました」

開幕まで残り1か月。指揮官の期待に応え、昇竜軍団の旗頭となる新たなスターが、オープン戦で覚醒するのか。

取材・文●岩国誠

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