日本人右腕の仕上がりぶりにメジャーの猛者たちも戦々恐々としている。
話題となっているのは、現地時間１月28日にダルビッシュ有（サンディエゴ・パドレス）が、自身のツイッターに投稿した投球練習の様子だ。公開された動画にはブルペンで手元で大きく伸び上がるストレート、切れ味鋭いスライダーを投じる姿が収められている。
その動画の中で、最も反響を呼んでいるのがスライダーだ。昨季にランディ・ジョンソンを抜いて歴代最速で1500奪三振の大台に到達したダルビッシュを支える“伝家の宝刀”だが、この日の練習で披露したキレ味は、まさに圧巻の一語。素人目にもわかるほど大きく曲がっているのだ。
あまりの鋭さにメジャーリーガーたちも舌を巻く。オークランド・アスレティックスの先発左腕クリス・バシットが「このスライダーで指が数本、切れるかもしれない」と絶賛すれば、ヤンキースの右腕ジェームソン・タイヨンも「すごい落差のあるボールだ。なんてこった」と驚嘆した。
興味深かったのは、2020年にミルウォーキー・ブリュワーズと9年総額2億1500万ドル（約245億円）の大型契約を締結したクリスチャン・イエリッチの反応だ。
両雄は19年の対戦でひと騒動あった間柄だ。ダルビッシュが投球動作を急きょ止めてプレートを外すと、周囲からはイエリッチのサイン盗みを疑ってプレートを外したのではないかと指摘する声が多数上がった。
【関連動画】メジャーリーガーたちが脱帽！ ダルビッシュ有が披露した圧巻スライダー このとき、ダルビッシュは「彼の目線が動いたので、プレートを外した。かといって、ブルワーズがサイン盗みをしていたという意味ではない」とコメント。すると、イエリッチは「誰も君と対戦するのに助けは必要としないよ」と応戦していたのだ。
しかし、今回ダルビッシュのスライダーを目の当たりにしたイエリッチは、自身のツイッターで、こう発信してみせた。
「僕は誠実な男として言っておきたい。この球は紛れもなく、彼と対戦するときには何かの助けが必要だということを示すものだ」
いまだMLBはロックアウトが続き、開幕に向けた目途が立っていない。しかし、来るべき時に向けて、着々と準備を整えている日本最強右腕に、イエリッチは素直に脱帽せざるを得なかったようだ。
構成●THE DIGEGT編集部
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