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鈴木誠也のMLB挑戦は「上手くいく!」。元広島助っ人が米メディアで語った驚嘆エピソード「本当にタフな奴だった」

高卒新人としてプロの扉を叩いて以来、声価を高めてきた鈴木。その成長ぶりを元広島の助っ人も称えた。(C)Getty Images
満を持して海を渡る27歳は、ロックアウト下でも話題性に事欠かない。広島からのメジャー挑戦を宣言した鈴木誠也だ。

選手会との新労使協定の交渉がもつれ、MLBは昨年12月2日に26年ぶりのロックアウトに突入。これによって全球団と選手間の交渉が一切できなくなり、鈴木のポスティング交渉期間も21日を残した段階でストップした。

交渉ができなくなっても、27歳と中長期の活躍が望める逸材の獲得を狙う球団は少なくない。現地時間1月13日に特集記事を掲載した米スポーツ専門メディア『The Athletic』によれば、「10~12球団とオンラインによる話し合いを行なった」という。

一部メディアではロックアウトの長期化で日本に残る可能性も報じられたが、本人の意志は揺るがない。『The Athletic』のインタビューでは「いつかは(ロックアウトが)終わるというポジティブな気持ちを持つことで、前向きになれている」と語り、MLB挑戦への覚悟を口にしている。

日進月歩で飛躍を遂げてきた27歳のサムライには、日米双方の野球を熟知する広島OBも太鼓判を押す。元助っ人で、現在は広島の駐在スカウトを務めるブラッド・エルドレッド氏は、『The Athletic』の取材で、鈴木のポテンシャルについて「すぐに分かった」と絶賛した。

「スズキはどの方向にもボールをかっ飛ばすことができるよ。彼は体勢を崩されることも少ない。そして、とても大きく、頑丈な身体をしているから、タフなメジャーでもやっていけるだけの耐久性もある。打率だけを残すリードオフタイプとは違うんだ。私は楽しみにしているよ。贔屓目に見てしまうけど、彼を手に入れるチームはラッキーだと思う」
2012年シーズン途中から約7年間にわたって広島に在籍し、熱心なファンからも愛されたエルドレッド。そんな名打者は黄金期にあったチームの中核を担いながら成長していった鈴木に関する興味深いエピソードも語った。

「たしか2016年の春季キャンプでの出来事だ。彼は、とにかくバットを振っては振ってを繰り返していた。ある夜、夕食の後に外で素振りをしている人がいたから、誰かと思って行ってみると、案の定、スズキが熱心にバットを振り込んでいた。

そのとき、私はおもわず彼にこう言ったよ。『おい、今の調子でどうやって春季キャンプを最後まで乗り切るつもりだ?』ってね。でも彼はそれぐらい一生懸命に練習に取り組むんだ。結局、キャンプも乗り切ったし、本当にタフな奴だった」

ちなみにこの年の鈴木はレギュラーシーズンで129試合に出場。打率.335、29本塁打95打点と、軒並みハイアベレージをマークし、一気に才能を開花させた。

また、エルドレッドはプレー以外の面でも「上手くやれる」と評価する。

「スズキはいつもフレンドリーでいようと努力してくれ、一緒におもしろいことをしたよ。見知らぬ相手と知り合いになることを恐れないんだ。間違いなくメジャーでも仲間と上手くやるだろうし、輪の中に入れるはずだ。みんな、きっと彼のことを好きになるよ。こちらでも通用するはずだよ。そのスキルだけでなく、その人間性でもね」

はたして、鈴木はかつての仲間の言う通り、MLBで成功を掴み取れるのか。今後の動向を含めて興味は尽きない。

構成●THE DIGEST編集部

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