【どこよりも早い2022ドラフト候補ランキング31~50位】東京六大学屈指の本格派左腕・生井、甲子園ベスト4進出の京都国際・森下は何位?<SLUGGER>
2021年のドラフト会議からまだ2ヵ月も経っていないが、アマチュア球界はすでに22年のドラフトへ向け動き出している。昨年秋以降で急成長を遂げた選手も少なくない。昨年は現地で400試合以上アマチュア野球を取材したスポーツライターの西尾典文氏が現時点での22年ドラフト候補ランキングを選定した。今回は31~50位だ。
▼31位:門別啓人[投手・東海大札幌高]
(もんべつ・けいと/左投左打)
北海道を代表する高校生の本格派サウスポー。柔らかい腕の振りとバランスの良いフォームが持ち味で、力を入れると145キロを超えるスピードもマークする。秋の北海道大会では準決勝で優勝したクラーク国際に敗れたものの、中盤までは見事な投球を見せて潜在能力の高さを十分に見せつけた。
タイプ診断:柔軟性◎
▼32位:門脇誠[遊撃手・創価大]
(かどわき・まこと/右投左打/創価高)
小柄ながらパンチ力が魅力の強打のショート。入学直後からレギュラーをつかみ、これまでセカンドで2回、ショートで1回ベストナインを受賞している。元々は守備が目立つタイプだったが、年々パワーアップしており長打力も申し分ない。2年秋の横浜市長杯では2本のホームランを放ち、3年秋のリーグ戦は首位打者と打点王の二冠にも輝いた。
タイプ診断:#パンチ力◎
▼33位:生井惇己[投手・慶応大]
(なまい・じゅんき/左投左打/慶応高)
今年の東京六大学を代表する本格派サウスポー。高校時代はスライダーが武器の投手だったが、大学でフォームを改造して一気にスピードアップを果たした。リーグ戦ではリリーフでの起用が多く、3年秋時点では未勝利だが、明治神宮大会では先発でも見事な投球を見せ、チームの準優勝に大きく貢献した。
タイプ診断:本格派サウスポー、スピードアップ
▼34位:村松開人[二塁手・明治大]
(むらまつ・かいと/右投左打/静岡高)
ミート力とスピードが光るセカンド。静岡高校でも1年秋からショートとして活躍し、注目を集めた。明治大でも1年時からリーグ戦に出場し、昨年は春秋連続で打率3割5分を超える高打率をマークしている。上背はなくても打撃は決して小さくなく、昨年12月の大学日本代表候補合宿でもシュアな打撃と脚力でアピールした。
タイプ診断:ミート力◎、スピードスター
▼35位:榎谷礼央[投手・山梨学院]
(えのきや・れお/右投右打)
高い将来性が魅力の高校生右腕。ストレートは140キロ台前半だが、高い位置から腕が振れ、ボールの角度は素晴らしいものがある。バランスの良いフォームで力みなく腕が振れ、秋の関東大会でも抜群の安定感を見せた。スピードがついてくれば、一気に上位候補に浮上することも期待できるだろう。
タイプ診断:フォーム◎
▼36位:野田海人[捕手・九州国際大付属高]
(のだ・かいと/右投右打)
九州の高校球界を代表する強肩強打の捕手。低くて伸びるセカンド送球は迫力十分で、コンスタントに1.90秒前後をマークする。新チームでは5番に座り、打撃も力強さが出てきた。また投手としても145キロを超えるスピードを誇る本格派で、出場が確実な春の選抜でも多彩なプレーに注目が集まることになるだろう。
タイプ診断:強肩
▼37位:松葉行人[投手・七十七銀行]
(まつば・こうじん/右投右打/東海大甲府高→桜美林大)
社会人で急成長を遂げた本格派右腕。大学までは緩急と投球術で勝負するタイプだったが、この1年で見違えるほどストレートが力強くなり、補強選手として出場した都市対抗では最速149キロをマークした。元々コントロールは良く、試合を作る能力も高い。今年の活躍次第では急上昇の可能性もありそうだ。
タイプ診断:赤丸急上昇
▼38位:下山悠介[三塁手・慶応大]
(しもやま・ゆうすけ/右投左打)
下級生の頃から常勝軍団を支える強打のサード。シャープな振り出しでセンター中心に鋭く弾き返し、東京六大学でも屈指の確実性を誇る。サードの守備も軽快で、スローイングの強さも申し分ない。新チームと昨年12月の大学日本代表候補合宿では主将にも選ばれており、プレー以外の部分でもチームを引っ張る存在だ。
タイプ診断:ヒットメーカー▼39位:松尾汐恩[捕手・大阪桐蔭高]
(まつお・しおん/右投右打)
逸材揃いの大阪桐蔭で旧チームから活躍している強打の捕手。スムーズに鋭く引っ張る打撃が持ち味で、昨年の明治神宮大会決勝では2本のホームランを放った。高校から捕手に転向したこともあって捕球やブロッキングには課題が残るが、地肩の強さと脚力があるのも大きな魅力だ。
タイプ診断:打てる捕手
▼40位:道原慧[外野手・立教大]
(みちはら・けい/右投左打/駒大苫小牧高)
高い運動能力が光る万能タイプの外野手。高校時代は目立つ選手ではなかったが、立教大で急成長し、昨年は大学日本代表候補にも選ばれた。脚力を生かした守備範囲の広さと強くて正確なスローイングは東京六大学でも一、二を争うレベルにある。上背はないものの、パンチ力のある打撃も魅力だ。
タイプ診断:三拍子、赤丸急上昇▼41位:森下瑠大[投手兼外野手・京都国際高]
(もりした・りゅうだい/左投左打)
今年の近畿を代表する高校生サウスポー。スピードは130キロ台後半だが、高い制球力と投球術は高校生離れしたものがある。昨年夏の甲子園では2試合連続で2ケタ奪三振をマークし、チームを準決勝進出に導いた。また投げない時は外野手として出場しており、打者としての評価も高い。
タイプ診断:センス◎
▼42位:齋藤大輝[二塁手・法政大]
(さいとう・だいき/右投右打/横浜高)
高校時代から攻守にセンスの高さが光る二塁手。巧みなリストワークで広角に打ち分けることができ、甘く入ったボールはスタンドに運ぶ長打力もある。守備では凡ミスが気になるものの、グラブさばきとスナップスローも上手い。昨年春は3本塁打、秋は4割を超える打率を残し2季連続でベストナインにも輝いた。
タイプ診断:強打の二塁手
▼43位:三井健右[外野手・大阪ガス]
(みつい・けんすけ/右投左打/大阪桐蔭高→立教大)
全身を使ったフルスイングが魅力の左のスラッガー。大阪桐蔭時代から長打力には定評があり、大阪ガスでも1年目から中軸として活躍している。少し詰まっても外野の頭を越えるパワーは社会人でも屈指だ。確実性と守備には課題が残るが、貴重な大砲候補としてプロからの注目度も高い。
タイプ診断:社会人スラッガー
▼44位:勝本樹[投手・日本体育大]
(かつもと・いつき/右投右打/明石商高)
スケールの大きさが魅力の大型右腕。明石商時代は控え投手で甲子園での登板はなく、大学進学後もフォーム固めが続いたが、昨年秋は5試合に登板して防御率0.90と見事な成績を残した。日本人離れした体格で好調時は150キロに迫るスピードをマークし、潜在能力の高さは一級品だ。
タイプ診断:未完の大器
▼45位:黒田義信[外野手・九州国際大付属高]
(くろだ・よしのぶ/右投左打)
高いレベルで三拍子揃った外野手。柔らかいスウィングでセンター中心に鋭い打球を放ち、スタンドまで運ぶ長打力も申し分ない。スピード溢れるベースランニングも迫力十分だ。もう少しスローイングに強さが欲しいが、外野手としての総合力は高校球界全体でも屈指の存在と言えるだろう。
タイプ診断:走攻守三拍子▼46位:大畑蓮[投手・西部ガス]
(おおはた・れん/右投右打/明豊高)
高校時代から素質の良さが光る大型右腕。明豊では3年春の選抜で主戦として準決勝進出を果たすと、社会人でも順調に成長し昨年の日本選手権では150キロもマークしている。まだ安定感には乏しいものの、悪い癖のないフォームは大きな魅力。高卒3年目となる今年は大ブレイクする可能性もありそうだ。
タイプ診断:大型右腕
▼47位:田村朋輝[投手・酒田南高]
(たむら・ともき/右投右打)
東北を代表する高校生の本格派右腕。長いリーチを生かした鋭い腕の振りが特長で、角度の明日ストレートはコンスタントに140キロ台をマークする。決め球のフォークのブレーキも申し分ない。秋の東北大会では初戦でまさかの大敗を喫したものの、素材の良さは十分に感じられた。
タイプ診断:好素材
▼48位:海老根優大[外野手・大阪桐蔭高]
(えびね・ゆうだい/右投右打)
中学時代から大器と評判の強肩強打の外野手。夏までは控えだったが新チームでは中軸を任せられると、明治神宮大会でも一発を放ち長打力を見せつけた。まだ粗さはあるもののフルスウィングの迫力は十分。またセンターから見せる強肩も高校生では間違いなくトップクラスだ。
タイプ診断:大型外野手▼49位:山田陽翔[投手兼外野手・近江高]
(やまだ・はると/右投右打)
投手、野手両面で高いポテンシャルを秘めた高校生右腕。昨年夏の甲子園では鋭いフォークを武器に5試合、30回を投げて31奪三振をマークし、打っても準々決勝で一発を放つなど長打力を見せた。秋は肘の故障で野手に専念となったが、春以降は完全復活に期待したい。
タイプ診断:甲子園のスター、二刀流
▼50位:浦口輝[外野手・駒沢大]
(うらぐち・ひかる/右投左打/三重高)
東都大学リーグが誇るスピードスター。4.0秒を切ればかなりの俊足と言われる一塁到達タイムはコンスタントに3.8秒台をマークし、昨年春はリーグトップの8盗塁もマークした。非力な打撃は課題が残るものの、プロでも足のスペシャリストとして勝負できるスピードの持ち主だ。
タイプ診断:スピードスター
文●西尾典文
【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。
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