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【2021主力選手通信簿|ヤクルト】待望の日本一達成で、主砲・村上や次代のエース奥川らが軒並み高評価!<SLUGGER>

21歳の村上(左)、20歳の奥川(右)と若い力が躍動。全員が一丸となって日本一をつかみ取った。写真:徳原隆元
 全12球団の主力選手の2021年シーズンを5段階の通信簿形式で振り返っていく同企画。各選手のこれまでの実績や期待値も踏まえて査定し、評価していく。今回は見事に20年ぶりの日本一を達成したヤクルトだ。

※A=よくできました、B=まずまずです、C=可もなく不可もなく、D=がんばりましょう、E=ガッカリです

<投手>
●小川泰弘
[試合] 23 [勝敗] 9-6 [防御率] 4.14    
[投球回] 128.1    [K/9] 6.80 [BB/9] 2.10
評価:可もなく不可もなく(C)
7月のコロナ感染の影響で、今年も規定投球回には届かず。2年ぶりに2ケタ勝利も逃したが、それでも9勝はチームトップタイと存在感は発揮した。

●奥川恭伸
[試合] 18 [勝敗] 9-4 [防御率] 3.26
[投球回] 105.0    [K/9] 7.80 [BB/9] 0.86
評価:よくできました(A)
高卒2年目にして出色の活躍。規定投球回不足ながら与四球率はリーグ1位の大野雄大(中日/1.63)をはるかに上回る高水準。CSでプロ初完封と大舞台での図抜けた投球も光った。

●田口麗斗
[試合] 33 [勝敗] 5-9 [防御率] 4.02 [ホールド] 4
[投球回] 100.2    [K/9] 7.24 [BB/9] 2.50
評価:可もなく不可もなく(C)
新天地では開幕ローテの2番手を務めるも、4勝8敗と負けが込んだ9月からはリリーフへ。配置転換後は左のワンポイントから回またぎまで、複数の役割をこなしてブルペンを支えた。

●石川雅規
[試合 17 [勝敗] 4-5 [防御率] 3.07
[投球回] 82.0 [K/9] 5.93 [BB/9] 1.76
評価:まずまずです(B)
プロ入り20年目は初の開幕二軍スタートとなったが、6月には3連勝と健在ぶりをアピール。日本シリーズ第4戦でも6回1失点(自責0)と好投し、41歳にして待望のシリーズ初勝利を手にした。
 ●高橋奎二
[試合] 14 [勝敗] 4-1 [防御率] 2.87
[投球回] 78.1    [K/9] 9.19 [BB/9] 2.87
評価:よくできました(A)
キャンプから不調で一軍初登板は6月半ばと出遅れたが、13先発中8試合がQSとエース格の働き。昨季は3.94だったBB/9も2.87にまで改善され、日本シリーズではプロ初完封を記録した。

●スアレス
[試合] 24 [勝敗] 5-3 [防御率] 3.62    [セーブ] 1 [ホールド]    3
[投球回] 77.0 [K/9] 8.18 [BB/9] 3.74
評価:可もなく不可もなく(C)
先発としては5~6月の4先発で防御率6.50と不安定。一方、9月下旬から移ったブルペンでは、10試合で失点したのはわずか1試合のみと盤石だった。来季は韓国でプレーする。

●サイスニード
[試合] 13 [勝敗] 6-2 [防御率] 3.41
[投球回] 68.2    [K/9] 9.04 [BB/9] 3.01
評価:まずまずです(B)
来日当初は制球に苦しんだが徐々に安定感が増し、最終5先発で4勝0敗、防御率1.88。下半身のコンディション不良で、10月半ばにシーズン終了となってしまったのは残念だった。

●清水昇
[試合] 72 [勝敗] 3-6 [防御率] 2.39 [ホールド] 50
[投球回] 67.2 [K/9] 9.84 [BB/9] 2.39
評価:よくできました(A)
「8回の男」に定着し、史上最多シーズン50ホールド。2年連続で最優秀中継ぎのタイトルを獲得した。9月15日~10月8日に15試合連続無失点と勝負どころでの好投が光った。
 ●マクガフ
[試合]    66 [勝敗] 3-2 [防御率] 2.52    [セーブ] 31 [ホールド] 14
[投球回] 64.1    [K/9] 10.63 [BB/9] 3.22
評価:よくできました(A)
守護神となったのは5月下旬以降だが、それでもリーグ3位の31セーブ。特に10月は12試合で失点ゼロと圧巻の投球で、日本シリーズでは胴上げ投手にもなった。

●今野龍太
[試合] 64 [勝敗] 7-1 [防御率] 2.76 [ホールド] 28
[投球回] 62.0    [K/9] 9.15 [BB/9] 3.63
評価:よくできました(A)
清水、マクガフにつなぐ7回の男として、チーム3位の64登板。前半戦は21試合連続無失点も記録し、被本塁打も宮﨑敏郎(DeNA)に打たれた1本のみだった。

●石山泰稚
[試合] 58 [勝敗] 0-5 [防御率] 3.60 [セーブ] 10 [ホールド] 9 
[投球回] 55.0    [K/9] 10.47 [BB/9] 1.64
評価:可もなく不可もなく(C)
昨季に続きクローザーとして開幕するも崩れる試合が多く、前半戦は二軍落ちも経験。だが、後半戦は26登板で失点したのは4試合のみと復活し、ラストスパートに大きく貢献した。

●梅野雄吾
[試合] 29 [勝敗] 0-0 [防御率] 2.49 [ホールド] 8
[投球回] 25.1 [K/9] 10.30 [BB/9] 3.20
評価:がんばりましょう(D)
開幕当初からピンチの場面で登板する“火消し役”をしっかりこなしたが、疲労蓄積により7月1日に登録抹消。その後は復帰できず、2年連続での長期離脱となった。
 【野手】
●村上宗隆
[試合] 143 [打数] 500    [打率] .278
[本塁打] 39 [打点] 112 [OPS] .974 [盗塁] 12
評価:よくできました(A)
CS・日本シリーズも含めて全試合で4番に座り、自身初の本塁打王を獲得。9月19日の広島戦では史上最年少で通算100号本塁打も達成し、MVPの最有力候補に挙げられている。

●山田哲人
[試合] 137 [打数] 493    [打率] .272
[本塁打] 34 [打点] 101 [OPS] .885 [盗塁] 4
評価:よくできました(A)
2年ぶりに30本塁打を突破。キャリア5度目の大台は池山隆寛(現二軍監督)と並んで、日本人選手では球団最多タイ。日本シリーズでも球団最多タイの通算4本塁打目をマークした今季は、主将として最後までチームに大きな貢献をした。

●塩見泰隆
[試合] 140 [打数] 474    [打率] .278
[本塁打] 14 [打点] 59    [OPS] .798 [盗塁] 21
評価:よくできました(A)
初めてフルシーズンを一軍で過ごし、ついに規定打席にも到達。21盗塁はリーグ3位タイ、7三塁打は両リーグトップタイと足でも魅せた。9月18日の巨人戦ではサイクルヒットを達成した。

●青木宣親
[試合] 122 [打数] 446    [打率] .258
[本塁打] 9 [打点] 56    [OPS] .719 [盗塁] 0
評価:がんばりましょう(D)
開幕から3試合連続マルチ安打と好スタートも、コロナ濃厚接触者として約2週間離脱したことで調整が狂い、その後は不振に。プロ2年目以降では初めて打率が.260を下回った。

●オスナ
[試合] 120 [打数] 469    [打率] .258
[本塁打] 13 [打点] 60    [OPS] .694 [盗塁] 3
評価:可もなく不可もなく(C)
来日初打点がサヨナラ打、7月は11試合で打率.442(43打数19安打)と5番として活躍するも、後半戦に入ると不調。特に10月は打率.150(80打数12安打)と苦しんだ。
 ●中村悠平
[試合] 123 [打数] 377    [打率] .279
[本塁打] 2    [打点]    36    [OPS]    .718    [盗塁] 0
評価:よくできました(A)
前半戦は新型コロナウイルスで離脱した青木に代わって2番を務め、後半戦は6番で起用されて奮闘。打率.279は規定打席に到達した年では自己最高だった。日本シリーズでも攻守に渡ってチームを牽引し、MVPを受賞。

●サンタナ
[試合] 116 [打数] 372    [打率] .290 
[本塁打] 19 [打点] 62 [OPS] .877 [盗塁] 2
評価:よくできました(A)
打率.290は実質チームベストと高い確実性で貢献。特に10月に打率.377(69打数26安打)、7本塁打と大爆発してチームのラストスパートを支えた。日本シリーズでも2本塁打をマークした。

●西浦直亨
[試合] 92 [打数] 242    [打率] .223
[本塁打] 5 [打点] 24    [OPS] .620 [盗塁] 1
評価:可もなく不可もなく(C)
遊撃の開幕スタメンを務めたが、打率1割台の不振で6月末に二軍落ち。だが、再昇格を果たした9月は22試合で打率.321と復調。CSと日本シリーズは全試合出場した。

●山崎晃大朗
[試合] 114 [打数] 215    [打率] .247
[本塁打] 1 [打点] 12    [OPS] .646 [盗塁] 8
評価:可もなく不可もなく(C)
114試合はキャリア最多だったが、打席数は80近くも減少。開幕直後は「1番・センター」、その後は外野両翼でもで起用されるもレギュラーには定着できず、6月以降はほぼ代走や守備固めでの出場だった。

●元山飛優
[試合] 97 [打数] 208    [打率] .255
[本塁打] 3 [打点] 17    [OPS] .653 [盗塁] 2
評価:まずまずです(B)
ルーキーながら開幕一軍をつかむと、デビュー戦となった3月27日の阪神戦でプロ初本塁打。一時は遊撃のレギュラーを務めたが、10月21日の広島戦で死球を受け、ひと足先にシーズンを終えた。
●川端慎吾
[試合] 91 [打数] 86 [打率] .372
[本塁打] 1 [打点] 18    [OPS] .908 [盗塁] 0    
評価:よくできました(A)
シーズン記録にあと1本と迫る30安打を放つなど、度重なる故障を乗り越えて“代打の切り札”として完全復活。日本シリーズでは第6戦で延長12回に日本一に導く決勝打を放った。

●宮本丈
[試合] 62 [打数] 70 [打率] .286
[本塁打] 1 [打点] 8    [OPS] .781 [盗塁] 0
評価:まずまずです(B)
川端とともに代打として活躍。7月1日の阪神戦ではスアレスから決勝タイムリー、シーズン最終戦では栗林良吏(広島)からプロ本塁打と勝負強さが光った。

●内川聖一
[試合] 38 [打数] 53 [打率] .208
[本塁打] 0 [打点] 2    [OPS] .476 [盗塁] 0    
評価:がんばりましょう(D)
かつての安打製造機もすでに39歳で、7月9日の広島戦でサヨナラ打を放ったのが唯一のハイライト。日本シリーズでも不発と“ミスター短期決戦”の本領を発揮できなかった。

●高津臣吾
73勝52敗18分 勝率.584(1位) 得失点差+94(1位)
評価:よくできました(A)
就任2年目で日本一を達成。奥川にエースの教育を施しながらも課題だった投手陣を整備し、それぞれの役割を考えた起用で野手陣にも力を発揮させた。

文●勝田聡

【著者プロフィール】 
かつた・さとし/1979年生まれ、東京都出身。人材派遣業界、食品業界で従事し30代後半で独立。プロ野球、独立リーグ、MLBなど年間100試合ほど現地観戦を行っている。2016年から神宮球場でのヤクルト戦を全試合観戦中。 

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