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【2021主力選手通信簿|西武】開幕39試合連続無失点の平良は当然の最高評価。一方、2000安打達成の栗山は?<SLUGGER>

リリーフとしてMVP級の活躍を見せた平良。160キロの剛速球を武器に、防御率は0点台、60イニングで70三振を奪った。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)
全12球団の主力選手の2021年シーズンを5段階の通信簿形式で振り返っていくこの企画。各選手のこれまでの実績や期待値も踏まえて査定し、評価していく。

※A=よくできました、B=まずまずです、C=可もなく不可もなく、D=がんばりましょう、E=ガッカリです

●高橋光成
[試合] 27 [勝敗] 11-9    [防御率] 3.78
[投球回] 173.2    [K/9]    6.58    [BB/9]    3.21
評価:まずまずです(B)
開幕戦からローテーションを守り続け、173.2投球回はリーグ2位。ただ、防御率と被本塁打はともにワースト2位で、エースと呼ぶにはもうひと皮むけたいところ。

●今井達也
[試合] 25 [勝敗] 8-8    [防御率] 3.30
[投球回] 158.1    [K/9]    7.79    [BB/9]    5.63
評価:まずまずです(B)
平均150キロを超えるストレートに加え、新たに習得したカットボールでゲームメイクする技術を身に付けた。ただ、課題の制球難はそのままで、120球超の登板は11試合を数えた。

●松本航
[試合] 28 [勝敗] 10-8 [防御率] 3.79
[投球回] 149.2    [K/9]    7.82    [BB/9]    3.85
評価:まずまずです(B)
開幕直後は不振で一時リリーフに回されたが、5月に先発へ戻ると、月間防御率0.43と復調。初の2ケタ勝利、10月にはプロ初完投を完封で飾るなどステップアップのシーズンに。

●平井克典
[試合] 25 [勝敗] 4-4 [防御率] 4.22
[投球回] 74.2    [K/9]    6.63    [BB/9]    2.29
評価:がんばりましょう(D)
志願の先発転向は開幕3連勝で始まったが、徐々に球速が低下して打ち込まれる試合が増え、7月以降はリリーフへ。こちらでは防御率1.59と奮闘したが、9月25日以降は登板がなかった。
●ニール
[試合] 11 [勝敗] 1-6    [防御率] 5.85
[投球回] 60.0    [K/9]    3.90    [BB/9]    2.25
評価:がんばりましょう(D)
コロナ禍による来日遅れと濃厚接触による離脱と不運続きで、持ち前の制球力とゴロを打たせる投球を発揮できず。今季限りでの退団が決まった。

●平良海馬
[試合] 62 [勝敗] 3-4 [防御率] 0.90    [セーブ] 20 [ホールド]    21
[投球回] 60.0    [K/9] 10.50    [BB/9]    4.20
評価:よくできました(A)
開幕から39試合連続無失点で日本記録を更新する圧巻のシーズンだった。ピンチでもまったく動じることなく投げ続け、得点圏では55打数3安打とほぼ難攻不落だった。

●ギャレット
[試合] 61 [勝敗] 4-3    [防御率] 3.77 [ホールド] 17
[投球回] 57.1    [K/9]    9.26    [BB/9]    5.18
評価:可もなく不可もなく(C)
シーズンを通してブルペンを支え、平良に次ぐチーム2位の61登板。剛速球で空振りを奪うシーンも多かったが、四球から失点するケースも目立ち、安定感はいまひとつだった。

●渡邉勇太朗
[試合] 17 [勝敗] 4-4    [防御率] 3.44
[投球回] 55.0    [K/9]    5.40    [BB/9]    4.91
評価:まずまずです(B)
6月に高卒3年目で初の一軍昇格。五輪中断期間中のエキシビションマッチでの好投を経て後半戦はローテーション入り、10月は3試合で2QSと来季に期待を持たせた。
●森脇亮介
[試合] 45 [勝敗] 3-1    [防御率] 4.02 [ホールド] 13
[投球回] 40.1    [K/9]    6.47    [BB/9]    4.91
評価:可もなく不可もなく(C)
怪我で出遅れたにもかかわらず、5~6月の46試合中23試合に登板するなど“労働過多”。この勤続疲労の影響か、勝ちパターンを務めた昨季と比べると物足りない成績だった。

●増田達至
[試合] 33 [勝敗] 0-3    [防御率] 4.99 [セーブ]    8 [ホールド]    9
[投球回] 30.2    [K/9]    6.75    [BB/9]    2.05
評価:ガッカリです(E)
4月後半から立て続けにセーブ失敗を記録して二軍降格。後半戦に復帰したが最後まで調子が戻らず、33試合登板はプロ9年目で最少、到達確実と思われた通算150セーブにも届かなかった。

●武隈祥太
[試合] 46 [勝敗] 0-2 [防御率] 1.76 [ホールド] 9
[投球回] 30.2    [K/9]    7.34    [BB/9]    4.11
評価:よくできました(A)
3年ぶりに45試合登板をクリアし、奪三振率も自己最高。左のワンポイントが役割だったが、右打者には16打数無安打と完璧な内容で、本人も“右キラー”の役割を希望する。

●水上由伸
[試合] 29 [勝敗] 0-1 [防御率] 2.33 [ホールド] 4
[投球回] 27.0    [K/9]    7.33    [BB/9]    5.33
評価:よくできました(A)
強気の投球が評価されて5月に支配下登録を勝ち取ると、ストレートとシュートを武器に好投。デビューから17試合連続無失点のパ・リーグ記録を樹立した。
【野手】
●源田壮亮
[試合] 119 [打数] 464    [打率] .272
[本塁打] 2 [打点] 29    [OPS] .666 [盗塁] 24
評価:まずまずです(B)
コロナ感染による離脱はあったものの、初の盗塁王を獲得。4年連続でゴールデン・グラブ受賞と華麗な守備も健在だった。打率は5年連続で2割7分台の「安定感」。

●森友哉
[試合] 125 [打数] 431    [打率] .309
[本塁打] 11 [打点] 41    [OPS] .889 [盗塁] 5
評価:よくできました(A)
春先は低空飛行だったが、交流戦で打率.393と大暴れ。不振に苦しむ打線の中で孤軍奮闘を続け、打率・出塁率はともに吉田正尚(オリックス)に次ぐリーグ2位だった。

●中村剛也
[試合] 123 [打数] 430    [打率] .284
[本塁打] 18 [打点] 74    [OPS] .783 [盗塁] 0
評価:まずまずです(B)
昨季の不振から復活し、94試合で4番を務めて健在をアピール。自慢のパワーは衰え気味も初の打撃十傑入り、自身最多の91単打が示すようにヒットを打つ技術も光った。

●呉念庭
[試合] 130 [打数] 425    [打率] .238
[本塁打] 10 [打点] 48    [OPS] .658 [盗塁] 3
評価:よくできました(A)
山川穂高の故障で開幕直後に昇格すると、その後も故障者続出のチーム事情に合わせて二塁や三塁で奮闘。その結果がチーム最多の130試合出場、初の規定打席到達に結実した。

●栗山巧
[試合] 117 [打数] 387    [打率] .251
[本塁打] 4 [打点] 43    [OPS] .654 [盗塁] 1
評価:可もなく不可もなく(C)
球団生え抜き初の通算2000安打を達成。打率やOPSでは自己ワーストを更新したが、偉業に向かって黙々と挑む姿でチームを引っ張り、ファンを魅了した点は評価したい。
●山川穂高
[試合] 110 [打数] 358    [打率] .232
[本塁打] 24 [打点] 66    [OPS] .791 [盗塁] 0
評価:がんばりましょう(D)
リーグ5位の24本塁打を放ったが、OPS.791はレギュラー定着後でワースト。BABIP.247と運に恵まれなかった面もあるが、中軸として期待された姿からは程遠かった。

●岸潤一郎
[試合] 100 [打数] 304    [打率] .220
[本塁打] 9 [打点] 30    [OPS] .609 [盗塁] 2
評価:可もなく不可もなく(C)
6月1日にプロ初安打を初本塁打で記録し、交流戦だけで4本塁打とブレイク。後半戦はセンターのレギュラーを奪取した。ただし、.263に終わった出塁率は要改善。

●愛斗
[試合] 97 [打数] 292    [打率] .219
[本塁打] 8 [打点] 39    [OPS] .642 [盗塁] 1
評価:可もなく不可もなく(C)
今季初出場から3試合で3本塁打をマークして一軍定着。ライトの守備でも好守を連発したが、8月以降は打率1割台の打撃不振に陥り、レギュラー奪取には至らなかった。

●外崎修汰
[試合] 73 [打数] 254    [打率] .220
[本塁打] 5 [打点] 19    [OPS] .651 [盗塁] 9
評価:がんばりましょう(D)
4月3日のソフトバンク戦で死球を受け、左足を骨折して3か月も戦線離脱。7月頭の復帰後はまずまずだったが、9月以降は低迷してレギュラー定着以降最悪の成績に終わった。

●金子侑司
[試合] 101 [打数] 198    [打率] .192
[本塁打] 0 [打点] 9    [OPS] .480 [盗塁] 9
評価:ガッカリです(E)
「1番・センター」で開幕したものの、昨季以上の低迷で早々に剥奪。盗塁成功率も50%と相変わらず失敗が多く、岸ら若手の台頭もあって来季は正念場となる。
●スパンジェンバーグ
[試合] 61 [打数] 181    [打率] .232
[本塁打] 7 [打点] 27  [OPS] .760 [盗塁] 3
評価:がんばりましょう(D)
外野から三塁中心の起用に変わった今季は昨季より四球率が向上したが、左ヒザの状態の悪化から打撃でアピールしきれず。9月に帰国し、そのまま退団となってしまった。

●山田遥楓
[試合] 98 [打数] 147    [打率] .197
[本塁打] 0 [打点] 18    [OPS] .509 [盗塁] 1
評価:可もなく不可もなく(C)
外崎や源田の離脱時に二遊間を守り、高い守備力で貢献。一球ごとに大声で投手を鼓舞する姿も印象的だったが、打率.197と苦しんだ打撃を向上させたい。

●若林楽人
[試合] 44 [打数] 144 [打率] .278
[本塁打] 2 [打点] 10    [OPS] .729 [盗塁] 20
評価:まずまずです(B)
俊足を武器にチームの課題だった1番に入り、44試合で20盗塁とタイトルも狙える活躍。しかし5月30日に左ヒザ前十字靭帯損傷の大怪我を負い、そのままシーズンを終えた。

【監督】
●辻発彦
55勝70敗18分 勝率.440(6位) 得失点差-68(6位)
評価:可もなく不可もなく(C)
レギュラーへの依存度が高いチームのため、主力が次々と故障離脱して打つ手が限られた。ただ、得点力不足の時期にバントを多用するなど、やたらとスモールボール志向になったのは気掛かりだった。

文●nerimamo

【著者プロフィール】
西武線沿線に生まれ、松坂大輔・松井稼頭央がキッカケでライオンズファンに。Twitterで試合のデータや編成に関する投稿をしているが、球場で応援することが最大の楽しみ。メットライフドームのグルメは日本一だと思っている。好きな言葉は「宣言残留」。

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