• HOME
  • 記事
  • 野球
  • 【パ・リーグ6球団通信簿】オリックス、ロッテは高評価も3球団がまさかの「ガッカリ」<SLUGGER>

【パ・リーグ6球団通信簿】オリックス、ロッテは高評価も3球団がまさかの「ガッカリ」<SLUGGER>

昨年最下位のオリックスは下馬評を覆して25年ぶりの頂点に立った。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)
オリックスが昨年の最下位から下克上を果たしたの2021年のパ・リーグ。開幕前の戦力予想や実際の戦いぶりを踏まえて、全6球団の戦いぶりを通信簿形式で査定していこう。

※A=よくできました、B=まずまずです、C=可もなく不可もなく、D=がんばりましょう、E=ガッカリです

【PHOTO】京セラドームで笑顔はじける!オリックス『BsGirls』を一挙に紹介!

▼オリックス
70勝55敗18分 勝率.560(1位)
評価:よくできました(A)

山本由伸、吉田正尚という投打のスターを擁することから上位に食い込むかも、との声はあった。だが、前年の最下位から一気に優勝まで駆け上がるとは予想外だった。その原動力はもちろん投手陣。MVP最有力候補の山本に加え、高卒2年目の宮城大弥が急成長、山崎福也も自己ベストの成績で、山岡泰輔離脱のダメージを最小限に止めた。ブルペンも平野佳寿の復帰で劇的に安定した。

OPS.690はリーグ4位と、決して強力ではなかった打線では杉本裕太郎が覚醒。紅林弘太郎を遊撃に抜擢し、安達了一が二塁、福田周平がセンターへ回った玉突きコンバートも結果的に成功した。紅林を我慢して使い続けた中嶋聡監督の覚悟も見事だった。▼ロッテ
67勝57敗19分 勝率.540(2位)
評価:まずまずです(B)

得失点差+14はリーグ4位ながら、一時は優勝マジックを点灯させるなど健闘し、2年連続の2位。チーム打率は.240にも満たなくとも、荻野貴司と和田康士朗が同数で盗塁王になった機動力を駆使するなどして、584得点は1位。同一リーグとの対戦勝率はオリックスを上回った。

20年も得失点差-18ながら2位に入っていて、2年続けて戦力以上の結果を出したのは、井口資仁監督や吉井理人投手コーチら首脳陣の功績と言える。大器・佐々木朗希を順調に育てている点もそこには含まれるが、種市篤暉、西野勇士と主力投手2人が全休した穴は埋められなかった。

▼楽天
66勝62敗15分 勝率.516(3位)
評価:可もなく不可もなく(C)

田中将大の復帰で強力な先発ローテーションが完成し、優勝を予想する声も多かった。ところが貯金を4しか作れず3位。投手陣はK/BBがリーグ1位、被自責点の失点も最少でありながら防御率3.40は4位どまり。

打線も浅村栄斗、茂木栄五郎が例年ほどの出来ではなく、何より来日が遅れた2人の外国人が合わせて5本塁打、18打点と不発だった。明らかに迫力不足で、打点王に輝いた島内宏明や、久々に好調だった岡島豪郎の頑張りだけでは補えなかった。一応Aクラスではあっても、期待が大きかった分失望度も大きく、厳しい採点にならざるを得ない。▼ソフトバンク
60勝62敗21分 勝率.492(4位)
評価:ガッカリです(E)

間違いなく12球団最も番期待を裏切ったチームと言っていいだろう。得失点差+71はオリックスを20点上回りリーグトップ、防御率と打率が1位、本塁打も1本差の2位。優勝できて当然の戦力だった。にもかかわらず借金2でx年ぶりのBクラスに転落してしまった。

千賀滉大や森唯斗が長期欠場したのをはじめ、モイネロやグラシアルらもキューバ代表への参加や怪我などでいたりいなかったり。戦力が完全に揃っていた時期は確かになかった。だがそうした事情を考慮してもなお、年俸総額が楽天以外のパ・リーグ球団の倍以上だったチームとしては言い訳にならない。

▼日本ハム
55勝68敗20分 勝率.447(5位)
評価:ガッカリです(E)

予想通り開幕から最下位に沈みっぱなしで、最終盤で5位に浮上したのも大してなぐさめにならなかった。上沢直之、伊藤大海ら投手陣は健闘していたが、攻撃陣は454得点で、下から2番目の西武から67点離される貧弱さ。暴力行為で追放された中田翔を筆頭に、西川遥輝、大田泰示らも大不振で、閉幕後に実質的な戦力外通告を受けた。
中田を放出する際にフロントの説明がなかったり、人種差別疑惑も浮上したりと、成績以上にチームの雰囲気が悪かった点が最低評価の理由。そうした空気を一掃するには、新庄剛志新監督の招聘は必然だったかもしれない。

▼西武
55勝70敗18分 勝率.440(6位)
評価:ガッカリです(E)

西武元年の1979年以来、42年ぶりの最下位に転落した。防御率3.94は、昨年より改善されたといってもなおリーグワースト。平良海馬の歴史的な好投は、抑えの増田達至が自身最悪級の不振に陥ったことで帳消しになった。

野手陣も、期待通り働いたのは打率リーグ2位の森友哉と、例年通りの堅守だった源田壮亮だけ。20本塁打以上は山川穂高のみ、チーム全体で112本と山賊打線の面影はなく、投手陣を援護できなかった。特に誤算だったのは5人の外国人選手。61試合に投げたギャレット以外ほとんど戦力にならず、そのギャレットも含め全員解雇された。

文●出野哲也

【著者プロフィール】
いでの・てつや。1970年生まれ。『スラッガー』で「ダークサイドMLB――“裏歴史の主人公たち”」を連載中。NBA専門誌『ダンクシュート』にも寄稿。著書に『プロ野球 埋もれたMVPを発掘する本』『メジャー・リーグ球団史』(いずれも言視舎)。

関連記事