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【2021主力選手通信簿|阪神】中野と伊藤将の新人コンビは納得の最高評価!最も話題をさらったサトテルは?<SLUGGER>

前半戦快進撃の原動力となった佐藤。だが、後半戦はというと……。写真:山手琢也
全12球団の主力選手の2021年シーズンを5段階の通信簿形式で振り返っていく同企画。各選手のこれまでの実績や期待値も踏まえて査定し、評価していく。今回は、前半戦は快進撃を見せながら惜しくもリーグ優勝を逃した阪神だ。

※A=よくできました、B=まずまずです、C=可もなく不可もなく、D=がんばりましょう、E=ガッカリです

【投手】
●青柳晃洋
[試合] 25 [勝敗] 13-6 [防御率] 2.48
[投球回] 156.1    [K/9] 5.99 [BB/9] 2.76
評価:よくできました(A)
6月は4先発4勝で月間MVPを受賞するなど、前半戦はリーグ1位の防御率1.79と大躍進。東京五輪代表では不慣れな救援で結果を残せなかったものの、後半戦も好投を続けて最多勝のタイトルを手にした。

●西勇輝
[試合] 24 [勝敗] 6-9 [防御率] 3.76
[投球回] 143.2    [K/9] 5.95 [BB/9] 2.51
評価:可もなく不可もなく(C)
6月下旬からの6連敗後に通算100勝に到達したが、年間では移籍後ワーストの成績。7月以降は防御率5.00と乱れ、シーズン最終登板で右ヒジ違和感を訴えてCSに登板できずに、「納得できない一年だった」と総括。

●伊藤将司
[試合] 23 [勝敗] 10-7 [防御率] 2.44
[投球回] 140.1    [K/9] 5.07 [BB/9] 2.18
評価:よくできました(A)
開幕ローテーション入りした即戦力左腕は、惜しくも規定投球回には到達できなかったが、防御率2.44はリーグ2位の高水準。10・11月に月間MVPを受賞し、最終的に球団新人左腕では54年ぶりの2ケタ勝利もクリアした。
●秋山拓巳
[試合] 24 [勝敗] 10-7 [防御率] 2.71
[投球回] 132.2    [K/9] 7.26 [BB/9] 1.70
評価:まずまずです(B)
自身初の2年連続2ケタ勝利を挙げて、防御率2.71はキャリアベスト。18被本塁打は自己最多ながら、奪三振率を昨季の5.14から劇的に改善させて相殺した。5年ぶりの中継ぎ登板も。

●ガンケル
[試合] 20 [勝敗] 9-3 [防御率] 2.95
[投球回] 113.0    [K/9] 6.93 [BB/9] 1.91
評価:まずまずです(B)
先発へ本格転向してもゴロを打たせる投球スタイルは変わらず。開幕6連勝を飾ると、その後も日曜日のマウンドを多く任されて、デーゲーム10先発は負けなしの7勝。シーズン最終戦となった10月20日のヤクルト戦では自己最長7.2回を無失点に抑えた。

●スアレス
[試合] 62 [勝敗] 1-1    [防御率] 1.16 [セーブ]    42
[投球回] 62.1    [K/9] 8.37 [BB/9] 1.16
評価:よくできました(A)
6月8日の日本ハム戦で球団新163キロを計時するなど、割合を増やしたツーシームはさらに高速化。被弾ゼロ、与四球率1.18とリスク管理も抜群で、歴代7位の42セーブを記録して2年連続のタイトルを獲得した。オフに夢のメジャー移籍。

●アルカンタラ
[試合] 24 [勝敗] 3-3 [防御率] 3.49 [ホールド] 6
[投球回] 59.1    [K/9] 7.28 [BB/9] 2.12
評価:可もなく不可もなく(C)
KBO最多勝右腕はコロナ禍で来日が遅れ、5月16日の巨人戦初登板初先発初勝利を挙げたものの、先発では防御率4.03といまひとつ。後半戦は複数イニングをこなすリリーフとしてまずまずの働きを見せた。
●岩崎優
[試合] 62 [勝敗] 3-4 [防御率] 2.65    [ホールド] 41
[投球回] 57.2    [K/9] 7.96 [BB/9] 2.34
評価:まずまずです(B)
4月だけで10ホールドを挙げ、年間でも球団歴代4位の41個。一時は調子を落としたが東京五輪で好投し、チーム復帰後もさすがの投球だった。「0点で抑えることができて良かった」の定型コメントはまさかのグッズ化。

●髙橋遥人
[試合] 7 [勝敗] 4-2 [防御率] 1.65
[投球回] 49.0    [K/9] 10.10 [BB/9] 0.92
評価:可もなく不可もなく(C)
故障などで一軍初登板は9月まで遅れ、“ガラスのエース”から脱却できず。ただ、ひとたびマウンドに上がれば、球団左腕29年ぶりの2試合連続完封、奪三振率10.10、K/BB11.00と圧倒的な能力を発揮した。

●藤浪晋太郎
[試合] 21 [勝敗] 3-3 [防御率] 5.21 [ホールド] 4
[投球回] 48.1 [K/9] 9.68 [BB/9] 7.45
評価:ガッカリです(E)
プロ9年目で初の開幕投手を務め、4月16日のヤクルト戦は自身先制2ラン&5.2回無失点で甲子園1430日ぶりの勝ち星を手にした。しかし、与四球率7.45にリーグ最多の8暴投と悪癖は直らず、救援配置転換後も不振が続いた。
●馬場皐輔
[試合] 44 [勝敗] 3-0 [防御率] 3.80 [ホールド] 10
[投球回] 47.1    [K/9] 7.42 [BB/9] 3.23
評価:可もなく不可もなく(C)
昨年に続きブルペンの一角を担った2017年のドラ1は、抑えた時の“馬場ガッツ”がすっかりファンに浸透。最長3イニングのロング救援もこなしたが、走者を出した時の投球に課題を抱え、夏場以降に失速した。

●及川雅貴
[試合] 39 [勝敗] 2-3 [防御率] 3.69    [ホールド] 10
[投球回] 39.0    [K/9] 8.77 [BB/9] 5.54
評価:まずまずです(B)
「高校BIG4」では一軍デビューが最も遅かった(5月28日)が、後半戦は勝利の方程式に入って最後まで一軍に帯同。来季は高橋奎二(ヤクルト)のカーブを参考に、同期ライバルと同じ先発で飛躍を目指す。

●岩貞祐太
[試合] 46 [勝敗] 4-0 [防御率] 4.66    [ホールド] 12
[投球回] 38.2    [K/9] 7.68 [BB/9] 3.26
評価:がんばりましょう(D)
投手主将を務めた今季は本格的にリリーフへ転向。自己最多46登板、チーム2位の16ホールドポイントを記録したものの、甘く入った変化球を痛打されて防御率は4.66。9月30日に登録を外され、その後は復帰できなかった。
【野手】
●近本光司
[試合] 140 [打数] 569 [打率]    .313
[本塁打] 10 [打点] 50    [OPS] .795 [盗塁] 24
評価:よくできました(A)
プロ入りからの3年連続盗塁王は逃したものの、リーグ最多の178安打。終盤まで首位打者争いを演じ、初の2ケタ本塁打も達成した。守備でも広範囲を守る「エリア5」ぶりを発揮して初のゴールデン・グラブに選ばれた。

●大山悠輔
[試合] 129 [打数] 466    [打率] .260
[本塁打] 21 [打点] 71    [OPS] .765 [盗塁] 2
評価:がんばりましょう(D)
5月に腰を痛めて2ヵ月近く戦列を離れても、71打点はチーム最多タイ。9月4日の巨人戦で放ったサヨナラ2ランは7、8月度「スカパー!サヨナラ賞」に選ばれるなど、要所で意地を見せたものの、終盤は不振でスタメンを外されることが増えた。

●中野拓夢
[試合] 135 [打数] 466    [打率] .273
[本塁打] 1 [打点] 36    [OPS] .649 [盗塁] 30
評価:よくできました(A)
ドラフト6位入団ながら4月中旬から正遊撃手に昇格。後半戦は2番に定着し、新人では史上4人目の盗塁王に輝いた。遊撃手両リーグワーストの17失策も、抜群の守備範囲はメジャー関係者も唸るほど。
●マルテ
[試合] 128 [打数] 446    [打率] .258
[本塁打] 22 [打点] 71    [OPS] .818 [盗塁] 0
評価:まずまずです(B)
出場機会が限られた前年から、今季はチームベストのOPS.818、リーグ6位の出塁率.367をマーク。本塁打後の「ラパンパラ」パフォーマンスでも盛り上げた。他球団が獲得調査を進めていたが、残留決定。

●糸原健斗
[試合] 125 [打数] 441    [打率] .286
[本塁打] 2 [打点] 30    [OPS] .698 [盗塁] 6
評価:可もなく不可もなく(C)
自己最少の出場に終わった昨季から一転、序盤は打撃でチームを牽引。下肢のコンディショニング不良で5月から約1ヵ月離脱した後は失速したものの、3割近い打率を維持した。一方、「ボロカスに言われている」と自虐する守備では一歩目の反応の悪さが課題。

●佐藤輝明
[試合] 126 [打数] 425    [打率] .238
[本塁打] 24 [打点] 64    [OPS] .749 [盗塁] 6
評価:まずまずです(B)
大きな注目を浴びた大物ルーキーは、5月に1試合3本塁打&OPS.985の活躍で月間MVP受賞。8月には早くも球団新人最多23号に到達したが、その後はプロ野球ワーストの59打席連続無安打、球団新の173三振と波の激しい一年だった。
●サンズ
[試合] 120 [打数] 408    [打率] .248
[本塁打] 20 [打点] 65    [OPS] .779 [盗塁] 1
評価:可もなく不可もなく(C)
開幕戦で2本塁打と最高の滑り出しを切ったが好不調の波が激しく、9月は打率.154、0本塁打と失速。外野でも7失策を喫し、リーダーシップは高く評価されつつも退団が決まった。

●梅野隆太郎
[試合] 130 [打数] 404    [打率] .225
[本塁打] 3 [打点] 33    [OPS] .603 [盗塁] 8
評価:がんばりましょう(D)
過去3年は打撃でも貢献していたが、今季は打率、OPSがリーグワーストと大苦戦。シーズン終盤には先発を外れることも増えた。それでも、フレーミングを含めた守備での活躍は見事で、3年契約で残留が決定。

●ロハスJr.
[試合] 60 [打数] 189 [打率] .217
[本塁打] 8  [打点] 21    [OPS] .663 [盗塁] 1
評価:ガッカリです(E)
期待の大砲は5月8日の一軍合流から球団外国人野手最長の20打席連続ノーヒットとまさかの不発。それでも、8月以降はOPS.897と適応しつつあり、2年契約最終年の来季に光明を得た。

●木浪聖也
[試合] 92 [打数] 119    [打率] .227
[本塁打] 1 [打点] 15    [OPS] .589 [盗塁] 0
評価:がんばりましょう(D)
中野に遊撃の定位置を奪われて途中出場がメインになり、出場試合数は昨季と同じながら202打席も減。それでも内野全ポジションを守り、10月には打率.323と盛り返して5番も任されることもあった。
●糸井嘉男
[試合] 77 [打数] 106    [打率] .208
[本塁打] 3 [打点] 18    [OPS] .609 [盗塁] 1
評価:ガッカリです(E)
14年ぶりに開幕スタメンを外れて代打起用が中心となり、打率.208、OPS.609をはじめ打撃成績は一軍定着以降で軒並みワースト。9月11日に通算300の大台に到達した盗塁もひとつだけだった。来季は一塁守備に挑戦する意向も。

●植田海
[試合] 64 [打数] 6 [打率] .333
[本塁打] 0 [打点] 0    [OPS] .762 [盗塁] 10
評価:可もなく不可もなく(C)
守備・走塁のスペシャリストとして二塁&外野を守り、チーム3位の10盗塁(失敗1)。打っても打率.333を記録したものの、本人は先発出場ゼロに終わった事実に満足できず。

【監督】
●矢野燿大
77勝56敗10分 勝率.579(2位) 得失点差+33(2位)
評価:可もなく不可もなく(C)
若手の積極起用で優勝争いをリードしていたが、夏場以降に失速して16年ぶりのリーグ優勝はならず。自身は失策数リーグワーストの守備陣を敗因に挙げるが、シーズン終盤やCSでの選手起用には疑問も。

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