下川裕一,バドミントン

初心者は1万円から バドミントンの道具選びについて

プロは大量のスペアラケットを試合に持ち込む

下川裕一,バドミントン

――試合を見ていると、たまにラケット折れたりもしますよね。

下川:トップ選手だとスペアを10本くらい持ち込む人もいますね。僕も3本くらいだと試合はちょっと心許ない感じです。ラケット自体が折れることもありますが、ガットが切れちゃうことが結構あるんです。消耗して切れるんじゃなくて、思い切りの力でバチンと打つと、当たりどころによっては、新品で貼ったばかりのガットが一発で切れちゃうんですよ。ガットが緩ければある程度衝撃も吸収されると思いますが、上級者ほどガットを固く貼ることが多いので、ガットも切れやすいですね。試合中はどうしても力んじゃうので、端のほうにボールが勢いよく当たってしまって、ガットが切れるのと同時にラケットがバキバキっと折れたりすることもあります。あとは、ダブルスでラケット同士が接触して折れちゃうこともありますね。

――結構あっさり折れるものなんですね。

下川:使えるラケットがなくなると、どんなにリードしていても棄権扱いで負けになってしまいます。あまりそういうケースを見たことはないんですけどね。たとえば卓球の場合だとラケットはずっと使っていく、使い込んでいく道具ですが、バドミントンのラケットは文字通り「消耗品」ですね。壊れる前提で考えておかないといけない。ですから、タオルグリップの話にもありましたが、自分に合ったラケットを理解して、準備しておくことも大事ですね。

いま高いものだと1本3万円ぐらいするラケットもあります。初心者向けには1万円ちょっとからあります。ガット自体はだいたい1000円ぐらいで、貼り替えてもらうと貼り賃が2000円以上かかります。だからみんな、ガット貼り用の機械を使って自分で貼ったりしますね。ただやっぱり貼るのにも得手不得手があって、下手な人が貼るとラケットが折れることもあります。

>>特集連載:下川裕一「今、バドミントンが熱い理由」

■プロフィール

下川裕一,バドミントン

下川裕一(しもかわ・ゆういち)
1981年生まれ。東京都出身。祖父の手ほどきで3歳からバドミントンを始める。淑徳巣鴨高等学校、淑徳大学を卒業後、旭工芸株式会社に入社。実業団選手として16年プレーし、昨年からはコーチ兼選手として活動している。

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