前田美順,バドミントン

【バドミントン】元日本代表・前田美順「強くなりたいならシングルスを磨け」

前田美順さんとの企画第4弾は、母校である熊本中央高校での指導に密着しました。

2021年から指導をスタートした前田さんが教える中で一番伝えたいこととは何なのか。強くなるために必要なことは何なのか。

シングルスとダブルスにも大きな違いがあるそうです。前田さんに解説してもらいました。(取材/坂本理加)

前田美順さんの指導に密着

ーーバドミントンにはダブルスとシングルスがありますが、まずダブルスというはどういった種目になるのでしょうか?

前田美順(以下、前田):ダブルスは2人対2人の体制になるのですが、サイドバイサイド(2人が横並びになる守備のフォーメーション)からいかに連携して攻めの形になって、どんなショットで決めにいくのかを見てもらいたいです。

ーーシングルスについてはどう見ていますか?

前田:私は基本的にダブルスの選手だったのですが、高校生の時はしっかりシングルスもやってましたし、世界トップのダブルスの選手もミックスダブルスの選手もジュニアの時はみんなシングルスで強かったです。バドミントンのベースは1対1のシングルスなのかなと思います。

バドミントン

前田さんが熊本中央高校の生徒に指導する様子を特別に見せていただきました。

前田美順,バドミントン

(生徒に指導する前田さん)
前田:今の練習メニュー、何でもいいって言った私もよくないんだけど、練習時間外でもできるじゃん。
せっかく球を出してもらえて、自分で考える時間をもらっているので、このタイミングでやるべき練習なのか、考えた方が良い。
さっきのフットワーク練習もやったんだったらそれを生かす練習につなげるとか。
「やりたい事を練習して」って私が言っちゃったのも申し訳なかったけれど、もうちょっと考えてやって。

(前田さんの指導を受けて)
生徒A:プレーもそうなんですけれど、オリンピック選手として今までの経験とかも教えてくださって、自分たちにはできない経験とかも色々教えてくださるのでとてもすごい方だと思います。

生徒B:前田さんはプレーなどの指導だけじゃなくて、自分の気持ちの持ち方とか価値観とか考え方とかを深く教えてくれるので、自分が上手くいかなかった時にどうすればいいのかを教えてくださるので、気持ちの部分でも成長できたと思います。

ーー指導する上で、大事にされていることはありますか?

前田:先生が指示をしてそれを一生懸命やるのか、意味も分からずやらされるのかっていう。やらされる練習がやっぱり多いと思うのですが、自分で考えてやる方が絶対自分の身になると思います。アドバイス求められたりとかお願いしますって来られたりする時に、指導者の意見よりも、自分がどう思ったのかっていうのを先に聞きたいというのはあります。

ーー前田さんが教わる立場だった時はどうでしたか?

前田:練習メニューは与えられますが、その中でどこを自分が意識するかというのは、私自身、結構考えてやっていました。
ナショナルクラスになると、みんな同じメニューの練習をしいても各々違う課題を意識することを絶対していたなと思うので、そういった癖をつけてもらいたいなと思います。選手自身が何を練習するかを考えるのも難しいかもしれないのですが、分からなくても、「何だろう?」って考える時間が大事なのかなと思います。

ーー前田さん、ありがとうございました。

前田美順,坂本理加,バドミントン
坂本理加(取材者・写真左)と前田美順(写真右)

(完)


>>前田美順インタビュー特集「シャトル下8ミリの戦い」

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