バドミントン『ヨネックス_ナノフレア800(後編)』

軽快な弾きがエキスパートプレーヤーから支持された前作。次なる進化の対象として「ナノフレア800」が目指したのは、すべてのショットにおける振り抜き性能のアップ。そしてそれによって最速のタッチを実現することだ。

その最大の特徴として上げられるのは、極細カミソリフレーム。スリム化を目指したフレームは、一般的な細フレームと比べて、上部では約13%、下部では約15.1%細く設計されている。これによってフレーム全体の空気抵抗が抑えられることになる。

実際に空気流動を検査してみると、フレーム上部では9.3%、下部では11.5%もの空気抵抗が削減されている。この検査結果をベースにフレームを回転させたときの空気の流れをシミュレーションすると、360度、あらゆる角度においても空気抵抗が少なくなっていることがわかった。

このようにラケットの空気抵抗が抑えられるということは、すなわちスイングスピードのアップにつながる。マシンテストによればスマッシュスピードで27.4km/h、ドライブスピードで17.6km/hアップという結果が出ている。さらにウルトラスリムシャフトを採用することで、シャフトの空気抵抗減にも努めている。こうして生まれる新たな次元の振り抜きのよさは、より強烈なスマッシュやドライブを生み出すと同時に、通常よりも前でシャトルをとらえることができるため、相手が拾いにくいドライブやプッシュも可能になる。

さらに鋭く弾く攻撃的なショットを目指した「ソニックフレアシステム」もプレーヤーにとっては心強い構造だ。軽量ながらタフで、優れた反発力を備えるために、フレームトップには従来よりも弾き性能を大きく向上させた、高弾性カーボン「EX-HMG」を採用。さらにフレーム下部には強度と高弾性を兼ね備えた「トレカM40X」という次世代炭素繊維を広範囲に使用。面安定性と弾きを大幅に向上してくれる。

そして見逃してはいけないのが、ヨネックスが生み出した、四角いフレーム形状の「アイソメトリック」。縦横のストリングの長さを均等化することで、一般的な円形フレームと比べて、上下左右に幅広いスウィートエリアを生み出す。1992年、ヨネックスのバトミントンラケットにはじめて搭載されて以来、まさに世界標準の機能としてプレーヤーから絶大な信頼を集め、もちろんこの「ナノフレア800」にも取り入れられている。

スタイリッシュなマットブラックをまとった「ナノフレア800」は、上級者ならではのスキルを確実にサポートしてくれる。そしてスイングスピード、弾き性能に特化することで、高いレベルでのパフォーマンスを叶えてくれる。さらに抜群の振り抜きと心地いい打感が、理想のプレーへと導いてくれるに違いない。その結果、最速タッチでゲームを制することになるはずだ。

※文中の各種データはヨネックス調べ

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