• HOME
  • 記事
  • ゴルフ
  • 石川遼は“特打”でドライバー絶好調! フェアウェイ100yよりラフ40yを選んだ5番の攻め

石川遼は“特打”でドライバー絶好調! フェアウェイ100yよりラフ40yを選んだ5番の攻め

ドライバー絶好調の石川遼。マネジメント力も光った一日だった。(撮影:福田文平)

<長嶋茂雄INVITATIONALセガサミーカップ 2日目◇30日◇ザ・ノースカントリーゴルフクラブ(北海道)◇7178ヤード・パー72>

石川遼は初日、「思った通りの球は一球も打てなかった」とラウンド後に練習場へ直行。「長いクラブがまだまだ」と、スイングの映像を見ながら特打を敢行した。その効果があってか、2日目はドライバーが絶好調。パー3を除く14ホール中フェアウェイを外したのは3度だけ。2日目はピンチらしいピンチもなく、ボギーフリーの「69」でトータル6アンダーまでスコアを伸ばした。

今週はエースキャディの佐藤賢和氏がアメリカにいるため、妹の葉子さんがキャディを務めている。ティイングエリアでは打つ直前に「フェードでバンカーの右端」といったように、妹に宣言。すると、その通りの出球と軌道でドライバーが飛んでいく。ドロー、フェードと打ち分けながら、フェアウェイを捉え続けた。

ドライバーの好調を象徴していたのが、346ヤードと短い5番パー4。ティから一番近い右サイドのグリーンエッジまでは315ヤードだが、直接グリーンを狙うと池越えとなり、池ポチャのリスクが高い。だからドライバーを握らず、右のフェアウェイに刻む選手が多い。

前日は3番ウッドでティショットを打った石川だったが、きょうはドライバーを選択。グリーンの少し右に構えると、薄いドローでグリーン右のファーストカットまで飛ばした。残り35ヤードのアプローチを1.5メートルに寄せたものの、結局バーディパットが入らずパー。それでも大胆な攻めをみせた。

「きょうのピンポジションは左サイドでちょっと受けているところだったので、右のラフからでもウェッジで寄せられる。残り100ヤードのフェアウェイよりも、40ヤードのラフのアプローチのほうがやさしそうだった。あとはティショットの難易度ですが、左に行かなければ右に突き抜けてもいいロケーションだったので、ドライバーで打ってもあんまりリスクがないと思った」

大胆にみえて、実は計算ずくの一打だった。仮にティショットで残り100ヤード地点に刻んでも、2打目は池越え。石川のようにグリーン右サイドまで運べば、セカンドで池に入るリスクはない。

ドライバーで少しでも引っかければ池ポチャという状況も、「ドローなんですけど、一番つかまってあそこ。想定していたのはあと5ヤードくらい右でした」という言葉が今日のドライバーの好調さを表す。フェアウェイを外したのは3回だけだが、この5番はあえて右のラフを狙ったため、実質的には2回だったことになる。

それでも、きのうドライバーで右の池に入れてボギーとした10番パー4では、3番ウッドを選択。フェアウェイセンターを捉えて、2オン2パットのパーで切り抜けた。しかもこの3番ウッドは、同組の今平周吾のドライバーと同じくらい飛んでいた。

「めっちゃ飛んでいましたね。ずっと試合が続いているんですけど、なぜか疲労が回復してきて体調もいいんです」と笑顔で話す。昨年9月の「バンテリン東海クラシック」では2日目に腰痛で棄権。その翌週の1試合を欠場した。特打を行うなど十分な練習ができていることが、腰痛への不安がない証拠だろう。

「全米オープン」を含む5月から続く6連戦も今大会で一段落。国内男子ツアーは来週から3週間のオープンウィークに入る。「もうちょっと試合が続いてもいいんですけど(笑)、残り2日間でいろいろやりきって、出し切っていきたい。明日からも楽しみです」と、調子を上げて週末に進む。(文・下村耕平)

関連記事