安いロストボールは飛ばない? やっぱり性能は落ちてる?
ゴルフショップやネットで安いボールを探すと、ブランドがいろいろ入り混じった、袋入りのロストボールが販売されています。30個入りで安いものは1000円程度。ブランド、銘柄を揃えてパッケージされたものは少し割高になるようです。ところで、この格安で売られているロストボール、その性能は大丈夫なのでしょうか? 今回はその疑問に答えます。
ロストボールとは、ゴルフ場でゴルファーが池ポチャやOBをしてなくしたボールのこと。文字通りロストしたボールですね。ゴルフ場や専門業者が池などから回収、洗浄してきれいにし、袋詰めにした中古ボールです。
ロストボールの価格をネットでみると、30個で1000円のものから4000円近くのものまで様々。特定のメーカーの同じボールを集めたものや、外観の良し悪しなどでランク付けされ販売されています。
ロストボールの性能は、その外観の状況によって大きくちがいます。わかりやすいのはボールの表面の傷。目で見てわかる傷や、触ってわかる傷がついているものは性能に影響がでてきます。ボールの傷は空気抵抗となって、飛距離が落ちてきます。ブリヂストンのデータによると、42m/sのヘッドスピードで打った場合、程度にもよりますが、傷ついたボールは10ヤードほど飛ばなくなります。また、曲がりの原因にもなります。
表面の塗装の色が黄色見がかったり、くすんだりしているものは長時間放置されていることがわかるので、性能が落ちていることが予想されます。
では表面が傷ついてなく、見た目がきれいなボールは大丈夫でしょうか。傷がついていなくても、池ポチャして、長く水中に放置されていたボールは性能が落ちてきます。どのくらい水の中にあったか、外観ではなかなか判断できません。ブリヂストンも「水の中にあるボールは劣化する」と言っています。他のメーカーにも確認しましたが「ロストボールはどのような状態だったか、いつ製造されたかも明確でなく、性能も低下します」と同様な見解でした。
更に、水に長時間浸かっていたボールがどのくらい性能が落ちるか確認してみましたが、データはないとのこと。ただし、水中に放置された期間が短い場合は、例えば池ポチャして、すぐに見つかり回収されたものは、性能は変らないとのこと。ロストボールの場合、どれくらいの期間どのような状態で水中に放置されていたか、わからないところが難点です。
新品と違い、外観の良いものでも性能が落ちている可能性が高いことがわかります。これがわかっていれば、ロストボールも十分に活用できます。ボールが左右に大きく曲がる、ミスをして池に入れてしまうなど、ボールをなくすことが多いプレーヤーはその費用もばかになりません。安いロストボールで、気楽にプレーすることも良いことだと思います。
また、腕に覚えのあるプレーヤーでも、同じブランドのロストボールを使い、新品との違いを感じることがないのであれば、お小遣いの節約に。ロストボールは新品と違い、その性能が保証されていないことを理解して使うことがプレーヤーとして肝心ではないでしょうか。
(取材/文・嶋崎平人)
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