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「いずれは海外で2人で活躍したい」 岩井明愛・千怜ツインズが描く家族の夢

岩井明愛(左)と千怜の最強ツインズ。見据えるは海外の舞台だ。(撮影:米山聡明)

<KKT杯バンテリンレディス 最終日◇16日◇熊本空港カントリークラブ(熊本県)◇6523ヤード・パー72>

岩井明愛はウイニングパットを沈めると、最終18番のグリーンそばで見守った妹・千怜と涙を流しハグ。そしてその姿を両親が見守った。

双子の妹・千怜の初優勝を見守るのと同じように、姉・明愛の初Vをコースで見届けた父・雄士さんと母・恵美子さん。雄士さんは1打差を追いかけ、そして逆転、申ジエ(韓国)を振り切っての優勝に「いつものあきちゃん(明愛)という感じかな。見ているほうがドキドキでした」と振り返った。

もともと海外志向の強い姉と、徐々にその気持ちになればと話していた千怜だが、今季に入ってふたりとも「海外挑戦」が目標になった。そしてそれは、“家族”としての目標にもなる。「家族でいずれ挑戦しようよと話しています」と雄士さんは言う。

今年成人式に出席した、まだ20歳のふたり。海外挑戦は「チームで話し合って」とタイミングを図るが、「まずは日本でお互い何勝かして、いずれは海外とかで2人で活躍したいと思っています」(明愛)、「世界で戦う選手はかっこいい。2人で海外にいきたいです」(千怜)とその言葉は共通している。

3月には「ホンダLPGAタイランド」で初めて米国女子ツアーに出場した。海外の雰囲気を楽しむだけでなく、「笹生優花選手と回らせていただいて、すごくかっこよかった。スイングも仕草なんかも好き。憧れもあるかもしれない」(明愛)と日本のメジャーチャンピオンとの交流も、その意欲を湧きたてた。

そして雄士さんは笑いながら明かしてくれた。「お金がないとふたりで行けないから(笑)。アマチュアのとき、全米女子オープン日本最終予選会にエントリ―したくても、もし通ったらお金がなかったから…。今年初めてエントリーしました」。名門コース・ペブルビーチGLへの切符をかけて、5月29日に千葉・房総CCで行われる予選会に初めてエントリーした。

史上初の姉妹同一年シード獲得、史上初の双子ツアー優勝という“快挙”を生み出してきたふたり。「もっともっと、ふたりで歴史を作っていきたい」(千怜)。この快挙を通過点に最強ツインズは新たな一歩目を踏み出し、家族で描く壮大な夢に近づいていく。(文・笠井あかり)

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