LIVゴルフは試合数が少なすぎる? 若手選手からは不満の声…

若手のジェダイア・モーガンは試合数に不満?(撮影:GettyImages)

2シーズン目を迎えているサウジアラビアの政府系ファンドがバックアップする「LIVゴルフ」。今季は14大会が開催され今週から2週連続でオーストラリア、シンガポールと転戦。LIVゴルファーにとってはしばらく多忙な時期となる。

現在LIVゴルフでプレーするジェダイア・モーガン(オーストラリア)は現在23歳。2021年にプロ転向し、22年1月に「オーストラリアPGA選手権」に勝利し、その優勝で22年の「全米オープン」、「全英オープン」の出場資格を獲得した。しかし22年6月に開幕したLIVゴルへ参戦すると、キャメロン・スミスがキャプテンを務め、マーク・リーシュマン、マット・ジョーンズのオーストラリア勢とチーム“リッパーGC”の一員として戦っている。

本来LIVゴルファーは“高額賞金”に加えて試合数が少ないこと、さらには54ホールで予選カットがないことなどがPGAツアー、DPワールド(欧州)ツアーよりもいいとしてトップ選手が移籍をしていったはず。しかしそれは「ベテランの選手にとってだけ」とモーガン。「多くの選手は14ではなくて18大会開催してほしいと思っている。若手の選手の話だけれど」と不満を漏らす。

「最低でもあと数試合ないとゲームを維持できない」と苦悩している様子。さらに世界ランキングポイントも獲得できないから、現在モーガンは384位と低迷、今季はメジャー大会出場権を現時点では保持していない。

LIVゴルファーにとっては多忙な時期となるのだが、忙しいのは“メジャー大会”に出場できる選手たちだけ。2月に始まったLIVゴルフシーズンは、今季メジャー初戦の「マスターズ」(4月6~9日)前までに3大会のみ。マスターズに出場したブルックス・ケプカ、フィル・ミケルソン、パトリック・リード(いずれも米国)らでさえ、マスターズ前に9ラウンドをプレーしただけだった。

次戦のメジャーは5月18日に開幕する「全米プロゴルフ選手権」(ニューヨーク州ロチェスター)。LIVゴルファーはそれまでにその前週のタルサ大会を含めて3試合をプレーし出場資格を持つミケルソンらはメジャー2戦目に臨む。さらに翌週もワシントンD.C.で今季LIVゴルフの7戦目が開催される。ところがその後は約1か月、LIVゴルフはお休みとなる。

タイガー・ウッズ(米国)はLIVゴルフを選択する若手選手に「メジャーを経験できないというのは残念すぎる」と苦言を呈した。モーガンらは予選会がある大会では、そこからメジャーの出場資格を得て自分で試合数を増やすしか現時点では道はなさそうだ。(文・武川玲子=米国在住)

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