“感謝”を胸に岩井ツインズがタイへ出発 目標はシンクロ「上位フィニッシュを」
今月23日(木・祝)に開幕する米国女子ツアーのアジアシリーズ初戦「ホンダLPGAタイランド」に出場する岩井明愛(あきえ)、千怜(ちさと)姉妹が、13日に成田空港から開催コースがあるタイに向け出発した。試合が行われる前の週に現地入りし、合宿を行ってから本番に挑む。
2023年初の公式戦を海外で迎える2人。「まだ試合勘がなくフワッとしている状態」と千怜は話すように、ここからしっかり1週間以上をかけて感覚を取り戻していく必要がある。さらにコースの情報など、予習はほぼなし。事前のラウンドについてもなかなか予約が取れないため、最終的なチェックは公式練習日まで可能性もでてきそうだ。そんななか海外のコースということもあり、「芝」を警戒ポイントに挙げる。「どんな打ち方をすれば寄るのか、探りながらやっていきたい」(千怜)と、開幕までにアジャストするため試行錯誤していく。
ホンダという冠スポンサーもそのひとつだが、この大会は日本人にとってなじみが深い。10年に宮里藍が制していると聞けば、ピンとくる人も多いかもしれない。そして千怜が「藍さんが勝った舞台に立てるのは貴重。光栄ですね」と話すと、それを聞いていた姉も深くうなずいた。昨年末に参加したホンダのイベントでは、その宮里に会い、声もかけられたという。「海外で長く活躍できる秘訣を聞いたら、『自分を忘れないことが大事』と言われました。周囲の人と比べず自分のままでいればいい、と。ずっと頭に残る言葉になりました」(千怜)。これから向かう海外のフィールドでも、それを忘れずにプレーすることになりそうだ。
2人にとって、タイでのプレーは中学3年生以来のこと。「スコールがすごかった。さっきまで晴れていたのにいきなり降り始めて、『なんだ? なんだ?』の連続。ただ、暑いので雨が降ったらうれしかった(笑)」(明愛)、「蒸し暑くて、ゴルフ場は広くてなだらかだけどグリーンが難しかった」(千怜)というのが今も残る印象だ。「その時にたぶん氷でお腹を痛めたので注意していきたい」(千怜)と、慣れぬ土地での体調管理にも十分に気をつけて過ごしていく。
ホンダが所属先の2人にとって、プロ初となる海外ツアーはホステス大会にもなる。「海外への第一歩というか、ステップアップしていくきっかけを与えてもらえたので、いい報告がしたい」(明愛)、「責任もあると思うけど、そこはあまり考え過ぎず、結果を出す一心でプレーしたい」(千怜)と話し、そろって「感謝」という言葉を口にした。
海外志向の強い姉は「アメリカツアーの雰囲気を味わいたい」。海を渡ってのプレーについて「これから徐々に」目を向けていきたいという妹は「ネリー・コルダさんが好きなので、どれくらい飛ぶのかとか、体つきとかを見たいです」と、楽しみにするポイントは少し異なる。それでも目標について聞かれると、双子らしく「上位フィニッシュ」とシンクロ。ホンダを背負う姉妹は、そのプレーで大会を盛り上げていくつもりだ。
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