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決勝戦で惜敗も…古江彩佳が5日間マッチプレーの死闘で満足度「95%」【米女子22年名勝負】

古江彩佳のマッチプレーでの死闘を振り返る(撮影:GettyImages)

米国女子ツアーはタイ決戦を皮切りに、いよいよ2023年シーズンが本格的にスタートする。今季はこれまでの畑岡奈紗、渋野日向子、古江彩佳、笹生優花に加えて勝みなみ、西村優菜といった選手も参戦。ますますの盛り上がりを見せるであろう戦いの前に、昨シーズンの名勝負を振り返りたい【バンク・オブ・ホープLPGAマッチプレー】

米国女子ツアー唯一のマッチプレー大会。日本勢からは古江彩佳が出場した。4人1組(全16組)による総当たり戦のグループリーグを経て、各組1位のみが決勝トーナメントに進出できるという5日間の戦いは、通常とは異なるフォーマットだ。

マッチプレー方式は、ジュニア時代に「数回」出場した程度。「すごくメンタル勝負のところがある。気を緩めないように」と、一対一の争いは目の前にいる相手のプレーが大きく自分にも影響してくる。そんななか、古江が誇る“超安定感”と“粘り”はむしろ、相手にプレッシャーを与えることとなった。

グループリーグ初戦はポーリーヌ・ルサン-ブシャール(フランス)を相手に1ダウンから最終ホールで追いつき、引き分けに持ち込んだ。2戦目はエンジェル・イン(米国)と対戦して3&2で初白星、3戦目はカルロタ・シガンダ(スペイン)に2&1で勝利。通算成績を2勝1分にして、難なく決勝トーナメントにコマを進めた。

ちなみに大会3日目、5月27日は22度目の誕生日だった。世界ランキングでグループ内最上位(当時27位)につけていた古江は1位通過の最有力候補ともいえたが、相手は距離で大きく上回る飛ばし屋3人。そんななかでも自身の持ち味を発揮し、自らの誕生日ウィークを祝福するような好ラウンドで、グループ1位の座をつかんだ。

4日目はポーラ・レト(南アフリカ)と対戦して2&1で勝利。8強入りを果たして、同日にそのままジョディ・エワート・シャドフ(イングランド)との準々決勝を戦った。

この準々決勝が、まさに死闘だった。出だし2ホールを取られると、前半を終えた時点で4ダウン。相手に流れが傾いていたが、古江が粘る。「精神的に疲れています」と疲労もたまってきたなか、12番からの4ホールで3つ取り返すと最終18番で取ってオールスクエア。「プレッシャーにはなるけど、それがうまく集中できたと思います」。勝負の行方は延長戦にもつれこみ、4ホール目まで続いた。ここで古江が長いパーパットを沈めて、軍配が上がった。

そして5日目の最終日。準決勝で同じくツアールーキーのリリア・ヴ(米国)を3&1で下し、決勝戦に進出。「変わらず自分のプレーに自信をもってできれば。頑張ります」と意気込み、09年「全米女子オープン」覇者でツアー5勝のジ・ウンヒ(韓国)との最後の18ホールに臨んだ。

初タイトルまで、あと一歩まで迫った。だが、この5日間で一番ともいえる強風が吹く難コンディションのなかで正確無比なショットがなかなか定まらず、3&2で敗北。「あまり覚えてないんですよね(笑)」。過酷な一日、そして5日間を終えた。

それでも満足度は「95%くらい」。この2位は米ツアーでの自己最高順位で、古江の名をとどろかせる結果になった。それでも「うれしいですけど、ストロークプレーになったときもこういう順位、上位であがれるようにしたい」とさらに気持ちを引き締めた。

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