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4年後のW杯に向け日本サッカーは欧州の中堅クラブ以上でプレーする選手を増やせるかが課題
写真:久保建英(提供:なかしまだいすけ/アフロ)
12月5日、カタールW杯の決勝トーナメント1回戦「日本対クロアチア」の一戦は、1-1(PK1-3)でクロアチアが勝利した。
ベスト8進出へあと一歩だったが、確実に「経験の差」が現れた試合だったとも言えるだろう。
W杯決勝トーナメントの経験値の差が出た試合に
この試合、クロアチアは2018年ロシアW杯で準優勝した経験があり、非常に試合巧者だった。
日本の善戦に苦戦はしたものの、後半や延長戦でも焦りはそれほどなく、PK戦も含めて終始落ち着いていた。
それはやはり、「W杯の決勝まで辿り着いたことがある」という「経験」が要因であったのは間違いない。
PK戦についても、2018年のW杯でベスト8をかけたデンマーク戦とベスト4をかけたロシア戦で経験済みだった。
経験はW杯においてそれほど重要な要素の1つなのだ。
欧州の中堅クラブ以上でプレーする選手を増やす必要性
今回のW杯で、多くの若手選手が経験を手にした。
4年後も代表選手として戦えるレベルのメンバーも、三苫薫や守田英正、田中碧、板倉滉、冨安健洋、堂安律、鎌田大地、久保建英など数多く存在する。
しかし、クロアチア戦でも分かった通り、久保と板倉が欠場しただけで明らかにベンチメンバーの質は落ちた。
もしもクロアチア戦にこの2人が出場できたならば、結果は違ったものになっていたかもしれない。
そう考えれば、前述した選手たちを中心にして、この4年間で最低でも5~6人は欧州の中堅クラブ以上でレギュラークラスとしてプレーできる選手が出てこなければならない。
「欧州のクラブでプレーしている」という経験から、「欧州の中堅~強豪クラブでプレーしている」という経験値が必要となるだろう。
現在、明らかな中堅~強豪クラブでレギュラークラスとしてプレーしているのは、アーセナルの冨安健洋とレアル・ソシエダの久保建英、ブライトンの三苫薫、フライブルクの堂安律、フランクフルトの鎌田大地くらいか。
U-19世代の松木玖生や中井卓大などの若手選手の飛躍も必要不可欠であるが、現在代表に選ばれていない20歳~23歳の若手選手の何人かが欧州の中堅クラブ以上で活躍しなければならない。
4年後のW杯では、経験豊富な実力者を今大会以上に揃え、ポゼッションも握りながらさらにワンランク強くなった日本代表でベスト8に進出してもらいたいものだ。
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