「カタールW杯」絶好調な久保は日本の「後半勝負」の戦術の犠牲者、若き至宝はクロアチア戦の45分に懸ける
写真:久保建英(提供:なかしまだいすけ/アフロ)
12月3日、スペインを撃破しての決勝トーナメント進出の興奮も落ち着き、日本代表選手も監督も、そして日本のサッカーファンも意識は次戦に向き始めた。
決勝トーナメント初戦の相手はクロアチア。
レアル・マドリードのモドリッチなどテクニシャンが揃う前回大会準優勝国なだけに、厳しい戦いが予想される。
そんな最高の舞台となる試合で、日本の至宝である久保建英は活躍することができるのだろうか。
ドイツ戦、スペイン戦と戦術の犠牲となった久保建英
スペイン戦の前半、日本代表選手の中で誰よりもコンディションが良さそうに見えたのは、久保建英だった。
ボールタッチはスムーズで、体もキレているように思えた。
そんな久保に対して、同じく攻撃的MFでスタメン出場した鎌田はコスタリカ戦に引き続き体が重たそうでキレがなかった。
しかし、森保監督がハーフタイムで交代を命じたのは、久保だった。
久保自身も前半のプレーに手ごたえを感じていたこともあって、「悔しかった」と漏らしている。
前半は0-0、もしくは最悪でも0-1の1点ビハインドで折り返して後半勝負。
日本の戦術は5バック気味の3バックで守りを固めて、スペースの生まれる後半に堂安や三苫といった攻撃的でフレッシュなメンバーを投入し点を獲りに行くいったプランであった。
それゆえに、久保はある意味戦術の犠牲になったと言えるだろう。
久保は激しい前半の戦いの中で結果を出さなければならない
クロアチア戦は、累積警告で出場停止の板倉滉以外の全選手が出場可能だ。
唯一心配なのは右SBの酒井宏樹だが、あと2日で途中出場できる状態にはなるはずだ。
遠藤航が怪我から復帰しコンディションを上げており、冨安健洋もスペイン戦を見る限りではもう少し長い時間も起用できるだろう。
そう考えれば、板倉の出場停止は痛いがベストメンバーに近い形で臨むことができるとも考えられる。
久保に関しては、おそらくスペイン戦と同じようにスタメンで出場し、前半終了時点で交代となる可能性が高い。
すなわち、久保がW杯で日本人最年少ゴールを奪うためには、プレッシャーがきつくスペースの少ない前半に仕掛けなければならないのだ。
もちろん、守備のタスクを完璧にこなしながらそれを実現させなければならないので、かなり厳しいものとなる。
しかし、スペイン戦で結果を残した堂安や三苫は徹底マークされる可能性が高いため、日本代表がクロアチアに勝利し「新しい景色」を見るためには久保の活躍が必要不可欠だ。
はたして21歳の若き日本の至宝は、クロアチア戦で結果を出せるのか、注目しよう。
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