ブライトン三苫薫選手の凄さと可能性
2022年で最も評価が高まった日本人サッカー選手と言えば、間違いなく「三苫薫選手」でしょう。
それまでも「三苫薫選手は凄い」という評価はされていましたが、短期間で日本代表の顔になるほどの活躍を見せたのは意外でした。
2022—2023シーズンからは、世界最高峰のプレミアリーグに活躍の場を移しました。
大学を卒業した後のたった数年でなぜこれほどまでにステップアップできたのでしょうか?
この記事では、そんな「ブライトン三苫薫選手の凄さと可能性」について解説していきたいと思います。
三苫薫選手の凄さ
三苫薫選手の凄さは、基本的に「ボールを持ったところ」から始まります。
もちろんオフザボールの動きも良いのですが、最大の特徴はボールを足元に置いてからのプレーであると言えるでしょう。
それでは、具体的な凄さを挙げていきましょう。
ドリブル時の姿勢が良い
一般的な選手の場合、スピードのあるドリブルをする際はどうしても前傾姿勢になりがちです。
それゆえに、視野が狭くなってしまう傾向にあります。
しかし、三苫選手のドリブルは背筋がピンと伸びている状態のままトップスピードでドリブルができるので、視野を保ち的確な状況判断が可能となります。
そのままドリブルで行くべきか、それともスペースに入り込む味方にパスすべきかなどを高速でドリブルしながら判断できるのです。
細かいタッチと強めのタッチの使い分け
三苫選手は、まるで小柄なドリブラーがするような細かなタッチのドリブルをすることもできますし、ネイマール選手やエムバペ選手の様なスライドの大きい切り返しやスペースにボールを押し出すようなドリブルもできます。
細かなタッチで相手の足を止めて一気に重心の逆を突く大胆なドリブルによって、相手は完全においていかれてしまうわけです。
サッカーで目の前にいるマーカーを完全に抜き去るのは極めて難しい(プロになればなおさら)ですが、三苫選手はそれがいとも簡単にできてしまうのです。
「反発ステップ」という絶対的な武器がある
足元にボールを置いてゼロの状態から100%のトップスピードで抜き去る「反発ステップ」という武器があることも凄さの理由と言えるでしょう。
この反発ステップは、ネイマール選手が得意とするドリブルですが、三苫選手も同じレベルで使いこなすことができます。
反発ステップはかなりの高確率で1歩目が相手より早くなるので、縦に抜けられる確率も高いのですが、警戒した相手に対して「反発ステップで縦に行くと見せかけて中に切れ込む」こともできます。
要するに、ボールを持って反発ステップができる体勢になった時点で圧倒的有利となるわけです。
この絶対的な武器があるからこそ、試合中も自信を持ってプレーできるのでしょう。
脱力した精度の高いシュート
三苫薫選手のシュートシーンを見てみると、どのシュートも脱力した状態で打っていることが分かります。
サッカー経験者であればそれがいかに凄いことなのかが分かるはずです。
大抵の場合、プレッシャーの激しいバイタルエリアやエリア内でのシュートは力んでしまいます。
大事な試合であればなおさらその力みは強くなってしまうでしょう。
しかし、三苫選手の場合は、Jリーグの試合だろうが日本代表として戦う最終予選だろうが、常にシュートの瞬間に脱力しているのです。
ワールドカップ出場を決めた最終予選のオーストラリア戦の1ゴール目のプレーはまさにその冷静さを象徴するようなプレーであると言えるでしょう。
おそらく歴代の日本代表選手でも、あのシーンで脱力してシュートを打てる選手はほとんどいないはずです。
ブライトンでの三苫薫選手の可能性
2022—2023シーズンがついに開幕しましたが、三苫選手が所属するブライトンは2021—2022シーズンを9位でフィニッシュした中位クラブです。
三苫選手は、トロサール選手というかなり強力なライバルがいるため、しばらくは後半途中から出場するスーパーサブ的な使われ方をするはずです。
今シーズンの可能性としては、まずこのスーパーサブという使われ方をしている間にある程度の結果を残すことが大事となるでしょう。
ブライトン自体が今シーズンはさらに上位を目指す上昇志向の高いクラブであることからも、試合終盤で得点やアシストを何度か決めてチームの勝ち点3獲得に貢献していけば、シーズン中盤以降で先発で使われる可能性もかなり高くなるはずです。
ライバルとなるトロサール選手は、左のウイングだけでなく2トップの1角としてもプレーすることができます。
トロサール選手が前にポジションを移動し、三苫選手が左のウイングのレギュラーになる可能性も十分にありますし、三苫選手のポテンシャルを踏まえればトロサール選手が少しでも調子を落とせば一気にレギュラーを奪う可能性もあるはずです。
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