試練のマジョルカ、久保建英に現地メディアは厳しい評価…10戦ぶりスタメン落ちに「戒め」「驚き」など反応は様々
現地時間3月20日、ラ・リーガ第29節が行なわれ、マジョルカはエスパニョールに0-1で敗れて6連敗を喫し、降格圏内の18位に転落した。
リーガ残留に向けて危険信号が点灯する中で迎えた一戦、昨季はセグンダ(2部)で優勝を争ったエスパニョールのホームに乗り込んだバレアレス諸島のチームは、先にチャンスを創るも活かせず、42分にセルジ・ダルデルのスルーパスを受けて抜け出したラウール・デ・トマスに先制ゴールを許す。その後は効果的な攻撃を繰り出せないまま時間が過ぎ、66分のムリチの惜しいヘディングシュートも相手GKの好守に阻まれ、最後までゴールネットを揺らすことはできなかった。
「私は犬のように苦しんでいる」と語ったルイス・ガルシア・プラサ監督の進退問題も浮上してきたこの昇格組対決で、久保建英は10試合ぶりのベンチスタートとなり、60分にイ・ガンインとの交代でピッチに立ったが、悪い流れを断ち切るような見せ場を作ることはできず、アウェーチームの救世主とはなれなかった。スタッツ(専門メディア『Whoscored.com』より)ではシュート、キーパス、ドリブルはなく、むしろ守備面での成功率100%の3つのタックルの方が目立っていた。
この日本人選手に対し、マドリードのスポーツ紙『MARCA』『AS』のいずれもが3点満点の採点で「1」と直近3試合同様に厳しい評価を下し、バルセロナの『MUNDO DEPORTIVO』は5点満点も「2」(過去3戦の「1」よりは上がったが)、そしてマジョルカの地元メディア『OK BALEARES』もやはり3点満点で最低の「1」だった。
9戦連続で守ってきたスタメンの座を失ったことについて、ラジオ局『Cadena SER』は「朱色クラブはスタメンの目新しさとしてイ・ガンインを敵地コルネリャ・エル・プラットに連れて行った。アジア人選手でポジションがシェアされなかったのは、久保にとっては“戒め”であった」として、ここ数試合での出来の悪さが原因だと指摘。一方、クラブ専門メディア『Mallorcadiario.com』は「ブライン・オリバン、久保のベンチスタートは驚きに満ちていた」と綴っている。
また、同じくクラブ専門メディアの『FUTBOL des de MALLORCA』はSNSに投稿された「ダニ・ロドリゲスではなく、久保、イ・ガンイン、アンヘル、ムリチが揃ってプレーするのが見たかった」「イ・ガンインはストライカーの後ろでしかプレーできず、ウイングとしても、また守備面でも役立つことはない」「久保がベンチにいるなんて……」「久保はイ・ガンインと違って、よく下がって守備をしている」といったファンの声を紹介している。
これに対し、韓国のメディア『聯合ニュース』は「久々に試合開始からピッチに立ったイ・ガンインは縦横に幅広く積極的に動き、マジョルカの攻撃を操り、高品質のパスでアンヘル、ムリチに得点機を提供した他、正確なセットプレーでのキックなど、パフォーマンスは良かった。また、守備でも積極的だった」と高く評価し、『InterFootball』は「イ・ガンインは60分に久保と交代したが、彼がピッチを出た後、マジョルカの攻撃はさらに酷くなった」と指摘した。
前述のファンの意見の中でも、久保に対する辛辣な意見も存在し、「久保は何もできていないのに、マジョルカは彼を獲得しようとしている」という投稿も。これは、スペインの専門メディア『Fichajes.net』が「久保がマジョルカ残留を望み、今夏に所有元のレアル・マドリーは彼を売却する」と報じたことを受けてのものだと思われるが、マドリーの専門メディア『Defensa Central』はこの報道に対し、「久保の最大の希望はサンチャゴ・ベルナベウでの成功であり、マドリーが彼を手放すことは考えていない」と否定している。
構成●THE DIGEST編集部
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